絵本の読み聞かせ方について
皆さんはお子さんにどのように絵本を読み聞かせておられますか。
私の国語の授業では、小学生の生徒さんによく絵本の読み聞かせをしていますが、ある時からそのやり方を変えました。絵本を読みながら、もしくは読んだ後に生徒さんと積極的に対話するようにしたのです。
私は若い頃に幼稚園に勤めていました。当時、絵本の講習会に参加して次のように習いました。「子どもが絵本の世界にひたる妨げになるので、絵本を読んでいる途中で何か質問したり、話しかけたりしないほうがいい。読んだ後も余韻が残るように、あれこれと感想を聞いてはいけない」と。長い間、私は教わった通りに絵本の世界をまるごと子どもたちの想像力にゆだねていました。子どもからの感想は受け止めましたが、こちらから絵本の内容について問いかけることはほとんどしませんでした。子どもたちは夢中になって聞いていましたし、そのことに何も疑問をもちませんでした。
しかし、オンライン家庭教師を始めてからは、一対一の場になったこともあり、少し絵本の内容についてやりとりするようになりました。すると、夢中になって聞き入ってくれていた生徒さんがお話の最も肝心な部分を理解していなかったり、自分なりに勝手に解釈してしまっていたりすることがあるということに気づいたのです。これまでの読み聞かせ方は適切だったのだろうか。物語の内容をきちんと理解できていない子どもさんもいたかもしれない。
そこで、試しに生徒さんと対話しながら読み進めるスタイルに変えてみました。絵本を読みながら、もしくは読んだ後に「なぜ○○したのかな。どうしてそう思ったの?」「○○はどこを見ているのかな。それはなぜだろう。そちらには何があるのかな。」などと問いかけることによる、分析と観察を中心としたやりとりです。(※)
このようなスタイルに変えても、生徒さんはお話の世界を十分に楽しめることがわかりました。むしろ、絵をよく観察して発見を喜んだり、「きっと○○だから△△な気もちになったんじゃないかな?」と自分なりに分析したりして、より深く楽しめているようにも感じています。
静かに黙って読み聞かせる方法と積極的に働きかけていく方法のどちらにも良さがあると思います。もし、ご家庭で常にお子さんの想像力にゆだねる読み方をされているとしたら、ときには絵本を通して対話を重ねるスタイルも試してみられてはいかがでしょうか。
☆絵本を活用するメリットを実感し、現在、授業では絵本を教材として取り入れる機会を増やしています。そのことについては別のブログに書きたいと思います。
※実践するにあたって参考にした書籍の一部を以下に記載します。
・『絵本で育てる情報分析力』
三森ゆりか著(一声社)
・『「読む力」はこうしてつける』
吉田信一郎著(新評論)
・『読書家の時間ー自立した読み手を育て る教え方・学び方ー実践編』
プロジェクト・ワークショップ編(新評論)

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