オンライン家庭教師マナリンク
国語

絵本の読み聞かせ方について

2023/10/13

皆さんはお子さんにどのように絵本を読み聞かせておられますか。

私の国語の授業では、小学生の生徒さんによく絵本の読み聞かせをしていますが、ある時からそのやり方を変えました。絵本を読みながら、もしくは読んだ後に生徒さんと積極的に対話するようにしたのです。

私は若い頃に幼稚園に勤めていました。当時、絵本の講習会に参加して次のように習いました。「子どもが絵本の世界にひたる妨げになるので、絵本を読んでいる途中で何か質問したり、話しかけたりしないほうがいい。読んだ後も余韻が残るように、あれこれと感想を聞いてはいけない」と。長い間、私は教わった通りに絵本の世界をまるごと子どもたちの想像力にゆだねていました。子どもからの感想は受け止めましたが、こちらから絵本の内容について問いかけることはほとんどしませんでした。子どもたちは夢中になって聞いていましたし、そのことに何も疑問をもちませんでした。

しかし、オンライン家庭教師を始めてからは、一対一の場になったこともあり、少し絵本の内容についてやりとりするようになりました。すると、夢中になって聞き入ってくれていた生徒さんがお話の最も肝心な部分を理解していなかったり、自分なりに勝手に解釈してしまっていたりすることがあるということに気づいたのです。これまでの読み聞かせ方は適切だったのだろうか。物語の内容をきちんと理解できていない子どもさんもいたかもしれない。

そこで、試しに生徒さんと対話しながら読み進めるスタイルに変えてみました。絵本を読みながら、もしくは読んだ後に「なぜ○○したのかな。どうしてそう思ったの?」「○○はどこを見ているのかな。それはなぜだろう。そちらには何があるのかな。」などと問いかけることによる、分析と観察を中心としたやりとりです。(※)

このようなスタイルに変えても、生徒さんはお話の世界を十分に楽しめることがわかりました。むしろ、絵をよく観察して発見を喜んだり、「きっと○○だから△△な気もちになったんじゃないかな?」と自分なりに分析したりして、より深く楽しめているようにも感じています。

静かに黙って読み聞かせる方法と積極的に働きかけていく方法のどちらにも良さがあると思います。もし、ご家庭で常にお子さんの想像力にゆだねる読み方をされているとしたら、ときには絵本を通して対話を重ねるスタイルも試してみられてはいかがでしょうか。

☆絵本を活用するメリットを実感し、現在、授業では絵本を教材として取り入れる機会を増やしています。そのことについては別のブログに書きたいと思います。

※実践するにあたって参考にした書籍の一部を以下に記載します。

・『絵本で育てる情報分析力』

三森ゆりか著(一声社)

・『「読む力」はこうしてつける』

吉田信一郎著(新評論)

・『読書家の時間ー自立した読み手を育て る教え方・学び方ー実践編』

プロジェクト・ワークショップ編(新評論)

このブログを書いた先生

国語のオンライン家庭教師一覧

国語のブログ

主語と述語をちゃんとしてみる

どのレベルの生徒であれ、現代文の授業で私が欠かさず行っているのが「要約文の添削」です。同じ文章を扱っていても、紡ぎ出される言葉は一人ひとりまったく違う。その個性を比較して読むのが、私のひそかな楽しみでもあります。添削を重ねるうち、ふと自分の朱書きを眺めて気づきました。 「結局、私はずっと同じことを言い続けているな」と。「主語と述語が噛み合っていない」 「主語が途中で変わっている」 「主述のねじれが起きている」バリエーションは違えど、指摘の根底にあるのはすべて「主述の関係」。 国語の先生として一番気になるのは、やはりこの“基本のキ”らしいのです。中学国語の...続きを見る
柴山の写真
柴山オンライン家庭教師
2026/4/27

読めない子を、読める子にする。——私が国語を教える理由

——「主語と述語を正しく選んで」と何度言っても、その子は選べなかった。 幼い頃、母が毎晩絵本を読んでくれた。長女だったせいか、丁寧に、毎晩。気づけば小学校入学前に低学年向けの本が読めるようになっていた。図書館に連れて行ってもらい、顔見知りの司書さんができた。本を読むことは、私にとって呼吸のようなものだった。 小学1年生の国語の授業で、先生が「文節を指で囲いながら読みましょう」と言った。みんながそうしているのを見て、なぜかまどろっこしくて、私はそのまま普通に読んだ。昼休みも外遊びの声を背に図書室にこもり、高学年では書写の宿題を先へ先へと勝手に進めた。中学生になると思春期の波に飲まれ、かわりに図書...続きを見る
木村の写真
木村オンライン家庭教師
2026/4/27

読めている“つもり”から抜け出す 国語・読解力の正体 第10回 「記述問題で“時間が足りない”を解決する方法」

「内容は分かるのに、書いていたら時間がなくなる」これは記述問題で最も多い悩みの一つです。結論から言うと、👉 時間が足りない原因は“書くこと”ではなく“考え方”にあります今回は、短時間で正確に書くための具体的な手順を整理します。① 「いきなり書く」はNG時間が足りなくなる人の多くが、思いついたことをそのまま書く書きながら考えるという状態になっています。このやり方だと、👉 書いては消して、また書く👉 内容がブレる結果として時間を浪費します。✅ 正しい順番👉 考える → 組み立てる → 書くこの順番に変えるだけで、スピードと正確さは一気に上がります。② 解答は「3ステップ」で作る記述は感覚ではなく、...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2026/4/27

本文を早く読むには「急がば回れ」

「本文を読むのが遅くて模試で時間が足りません!どうしたら速く読めますか?」生徒からのよくある質問の一つです。ただスピードを上げたいだけなら速読法を身に付けたらよいでしょう。しかし生徒たちは、「書かれていることを理解しながら早く読みたい!!」と思っているはず。そういうときは視点をちょっと変えて「急がば回れ」戦法です。速く読むためにまず時間を測ってみる一冊の問題集を用意して数日間、時間を測って「読解」を行います。そうすると、自分が読みながら理解するにはどれくらいの時間が必要か算出できます。一冊の問題集と指定したのは難易度も文字量もだいたい同じだから。読解に必要な時間から解くのに費やせる時間を計算し...続きを見る
柴山の写真
柴山オンライン家庭教師
2026/4/25

祝辞から見えた身体性ーー劇作家・野田秀樹さんの東大入学式祝辞

AIにないもの少し前に話題になった今年の東京大学の入学式祝辞。野田秀樹さんの個性と知性が字面だけでも伝わってくる。すごい物書きの個性とはこういうものなのかと思わされました。内容の素晴らしさはいろいろありますが、私が気になったのは「AIには人間の体がない」というくだり。つまり「身体性」について言及されていたことです。AIとの境界線どの分野でも注目されているAIですが私が小論文のコースを設けている芸術界やマスコミ界でも人間との違いはよく議論されています。特に芸術の世界ではAIアートにまつわる議論が白熱しています。AIが描いた作品は芸術と言えるのか……。芸術系志望の生徒ともつい先日その話をしたところ...続きを見る
柴山の写真
柴山オンライン家庭教師
2026/4/22

読めている“つもり”から抜け出す 国語・読解力の正体 第9回 「本文のどこを使えばいいか分からない理由」 ―― 記述問題で迷わないための“根拠の見つけ方”を具体的に解説します

「なんとなく分かるけど、どこを書けばいいか分からない」記述問題で止まる人の多くが、この状態です。結論から言うと、👉 “探し方”を知らないだけです本文の中には必ず根拠があります。ただし、それは“そのまま”書いてあるとは限りません。今回は、迷わず根拠を見つけるための具体的な手順を整理します。① 「全部読んでから考える」が原因多くの人は、本文を読むなんとなく理解する記述で迷うという流れになっています。このやり方だと、👉 どこが重要か分からないまま読むことになるため、根拠を見失います。② 正しい順番は「設問 → 本文」記述問題で最初にやるべきことは、👉 設問を細かく分解することです。例①(理由説明)問...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2026/4/20

この先生の他のブログ

西川の写真

計算ミスをふせごう!(中学数学)

2025/6/23
計算ミスを防ぐにはどうすればよいのでしょう。気合、根性、集中力…?ここでお話しするのはそういうことではないですが、やはり「ミスを減らすぞ!」と心に決めることは大事だと思います。その上で、間違えた問題を見返して、自分のミスのパターンを分析してみてください。そして、ミスしやすいところに「見える化」の手立...
続きを読む
西川の写真

文章を絵にする

2023/6/6
「絵本を読むのは好きだけど、文字だけの本はあまり読もうとしない。」そういったお子様の様子を教えていただくことがあります。『文章を絵にする』という課題を授業で行うようになったのは、生徒さん達に読書を楽しいと感じてもらうにはどうすればいいのだろうと考えたのがきっかけでした。たとえば、私たちが物語を読んで...
続きを読む
西川の写真

漢字を楽しく!!

2022/11/15
「何回書いても、なかなか覚えられない。」「漢字が苦手。」そんな生徒さん達に、どうすれば漢字の学習を好きになってもらえるか、そして苦痛にならずに覚えてもらえるか。いろいろ模索していて見つけたのがこの一冊です。↓↓学校の先生に向けて書かれている内容なのですが、オンラインの授業でも使えそうな楽しい活動が載...
続きを読む
西川の写真

言葉を育てる「作文の授業で大切にしていること①」

2022/9/24
「良いところはたくさん、改善点は少しだけ伝える。」☆まずはほめる!ほめるのには二つの目的があります。一つは、生徒さんを勇気づけることです。ほめられることで生徒さんが自信を持ち、「また書いてみよう!」と次への意欲を湧かせてくれることを願っています。もう一つは、自分の作文の良いところを自覚してもらうため...
続きを読む