無生物主語構文
2021/7/21
ここでは、いわゆる無生物主語構文の基本的意味を説明します。
無生物主語とは、以下の形をとり、全体として因果関係を表します。そして目的語には多く人が入り、目的語[人]+Xには、主語+述語の関係があります。
無生物主語+他動詞+目的語[人]+X
無生物主語=原因/他動詞+目的語[人]+X=結果
意味としては、「主語が原因で、その結果として人はXだ[する]」といったイメージで理解するといいでしょう。(なお、Xには、さまざまなものが入ります。形容詞/分詞/原形不定詞/不定詞/前置詞句などがその主なものでしょう。)
では、例文を検討していきます。
1) The news made him sad.
その知らせが原因で、その結果として彼は悲しくなった。
→この例文では、him=人/sad=Xになっています。
文全体としては、The news=原因/made him sad=結果です。
2) Money enabled him to study abroad.
お金が原因で、その結果として彼は留学できた。
→ここでは、him=人/to study abroad=Xになっています。
文全体としては、Money=原因/him to study abroad=結果です。
3) Urgent business brought him to Japan.
急用が原因で、その結果として彼は日本に来た。
→ここでは、him=人/to Japan=Xですね。
文全体としては、Urgent business=原因/him to Japan=結果ですね。
なお、take A to B「AをBに連れて[持って]くる」という意味を考慮して、「彼を日本に連れて来た」→「彼は日本に来た」と解釈しています。
4) A heavy rain prevented us from going out.
大雨が原因で、その結果として私たちが外出できなかった。
→ここでは、us=人/from going out=Xと考えます。
文全体としては、A heavy rain=原因/prevented us from going out=結果となります。
prevent A from Bで「AをBから妨げる[妨害する]」という意味なので、文全体としては「AはBできない」という否定的意味になります。だから、否定語はないけれども、否定的に訳されることになります。
無生物主語は原因を表すので、原因といったイメージの日本語を当てはめてみればいいでしょう。よく使用される訳例を以下に挙げておきます。
~よって・ために・せいで・おかげで
~なので・すると・すれば
~で
1) The news made him sad.
その知らせのせいで彼は悲しくなった。
2) Money enabled him to study abroad.
お金のおかげで彼は留学できた。
3) Urgent business brought him to Japan.
急用があったので彼は日本に来た。
4) A heavy rain prevented us from going out.
大雨のせいで私たちは外出できなかった。
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