身のまわりにある科学現象(生物と化学の場合)
2021/6/28
「マリーゴールド」と聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?曲名としても有名な、オレンジ色で可憐な花ですよね。このマリーゴールドを「科学的に」見てみると、実は非常に面白いはたらきをしています。
たとえば、家庭菜園などでマリーゴールドを特定の野菜と一緒に植えると、花のもつ「独特の香り(化学物質)」で害虫を遠ざけるはたらきがあると言われています。
他にも興味深い事実があります。マリーゴールドの根の周辺では、まず土壌の害虫であるセンチュウを「引き寄せる」物質が出されます。そしてセンチュウが集まったところで、今度はそれらを「退治する」化学物質をマリーゴールドが放出して、外敵を一網打尽にします。なかなか「戦略的」とも言える、特殊な害虫予防効果があることもマリーゴールドの特徴のひとつです。
以上のように、病害虫を抑えたり、生長を助ける植物のことを「コンパニオンプランツ」と呼びます。そして、マリーゴールドのような「植物がもつ化学作用」のことを「アレロパシー」といいます。特に、この科学現象の活用は農業の分野で進んでいます。
このように、科学的な視点から捉え直すと、マリーゴールドの見方が少し変わりますね。害虫の攻撃から巧みに野菜を守っているのかと思うと、なんだか余計に愛着が湧いてきそうです。
身近な生物と化学が関係していることは日常ではなかなか意識しないかもしれません。しかし、生物と化学分野に限らず、科学現象は私たちの生活のなかに根ざしています。ぜひさまざまな視点から科学を考えてみましょう。
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