【国語論】現代文の指導方法について
2024/3/10
今年の大学受験が終わってホッとしたのも束の間、
ご相談をいただくことが増えてきました。
自己紹介ページや動画もありますが、具体的にどんな指導をするか
お伝えする場があればと前々から思っていました。
一番ご要望が多い現代文の読解力を伸ばす方法として
「対比で読む方法」を取り入れています。
Z会東大進学教室の小柴大輔先生が推奨する方法です。
スタディサプリでも有名な先生ですね。
大ヒット本「現代文のプラチナルール」の
柳生好之先生の理論のベースも対比構造ですし、
毎年いち早く日本一難しいとされる京大の問題を
解説してくれる“国語王”の線引きを見ていても
対比理論をそこはかとなく感じます。
ずっと大事だと思ったところに線を引く方法を実践していたのですが、
それって「筆者の主張」にしか意識が向いていない状態なんですよね。
「対比相手」を意識することで「筆者の主張」がキャッチしやすくなりますし、
記述解答では「~~ではなく、●●である」と書くことが多く、
対比を正確にとらえることがめちゃくちゃ重要になります。
じゃあ、最初からそういう前提で読めばいいじゃない!
と考えて自分自身訓練しました。
カラーマーカーを使って仕分けをするのですが、
正直ただ線を引くだけより資料づくりに時間がかかります。
国立上位大学や灘高校の過去問などは6~7色になることも!
なんてカラフルでマーベラス!
もちろん実際の試験ではマーカーを使えないので
線を引いたり、接続詞に印をつけてもらったり、
文同士の同等関係や因果関係を考えながら読む意識付けをしたり
「対比で読む方法」と同時にいろんなことを身に着けてもらいます。
これらをきっちりできたら、試験本番でも
勝手に赤線(筆者の主張部分)と青線(対比部分)が見えてくる!
と生徒さんに伝えています。
みんな最初は半信半疑です(笑)。
もちろんこの方法が万能だとは思いません。
他の方法で成績を伸ばしている子も多いでしょう。
ただ、対比の仕分けをして解説すると、納得してもらいやすいことも事実です。
「なるほど~」という言葉を引き出せたら心の中でにやり。
たまたま私の指導方針に合ったので取り入れています。
正直、国語は教材によって相性の当たり外れが大きい教科だと思います。
私も言語論や文化論、社会論などは得意ですが、
哲学論や科学論は「むむっ」となるときがあります。
それでも対比関係を駆使して読み解きます。
どんなテーマがきても読み解ける力を付けることは本当に難しいです。
それを実現してくれるのは「努力を継続する力」です。
「努力を継続する力」についての考えもまたいつか書きたいと思います。
受験までの残り時間は、みんな等しく平等です。
勉強を頑張る生徒さんの貴重な時間をいかせるよう
この方法を改良しつつ共に成長していきたいと思います。
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