【国語論】果報は寝て待てな語彙力
2024/3/28
語彙力は、長い時間と豊かな語彙環境の集積で身につく能力です。
では、豊かな語彙環境のために親ができることは?
その答えが「果報は寝て待て」――「気長に待つ」です。
もしかしたら「放置」の方が近いかもしれません。
本を読んでほしくて知育にいいとされる本を調べ、
買ってきて我が子におすすめするも、
「いらない」の一言で撃沈……ということがあると思います。
本を買ってくるまでの行動は、
環境を整えるという点ではとても良いです。
その後、親がやるべきことは
子どもの見えるところに置いておき、
いつでも手に取れるようにしておくことです。
私は奈良で発行されているママさん向けのフリーペーパーで、
幼児教育の大学教授のインタビューページを
数年にわたって担当しています。
絵本や遊びを研究する教授たちが口を揃えて言うのが
「絵本もおもちゃも子どもの周りにそっと置いておいて
興味が沸いたらすぐ読めたり遊べたりする環境が大事」ということ。
見守り、機が熟すのを待つ姿勢が必要だとか。
そういえば私も小学生の低学年の頃、
家にあったこども百科事典を読んで読書にはまりました。
うちの親は本をまったく読まないのですが、
親戚が買ってくれたのか私の部屋にだけ本棚があって、
そこに分厚い事典がズラッと並んでいたのを覚えています。
書道を習いはじめ、漢字も習得して
読めるようになったことがうれしかったのだと思います。
暇があれば図書室に通う子ども時代が始まりました。
仏教が由来の「果報は寝て待て」。
仏教における「果」は自分の行いから生まれる結果のことを、
「報」は自分の行いによる報いのことを指します。
良し悪し両方の意味を持つ果報。
良い結果をもたらすには良い行いが必要で、
できることをやった上で
焦らず待つことが肝要だということでしょう。
語彙力をはじめ、子どもの成長の多くは
「果報は寝て待て」なのかもしれませんね。
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