和歌に親しむ
2024/2/3
こんにちは、講師のニシオカです。
三寒四温、少しずつ春を感じる今日このごろです。
今日は、春の和歌を1つご紹介します。
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
平安時代初期に活躍した紀貫之(きのつらゆき)さんの作です。
音読してみましょう。
「ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににおいける」
和歌というと、文字に書かれたものという印象が強いですが、いえいえ、基本は口でうたい、耳できき、頭でイメージする、そういうエンターテインメントでした。
大学受験的な視点であれば、以下④点は必須。
①2句切れ 57/577で分かれる。「ず」は終止形。
②係り結び 「ぞ」+「ける」(「けり」の連体形)
③「匂ふ」はこの場合、「美しく映える」ではなく、現代語と同じ「匂いがする」の意味
などのポイントはおさえておきたいところです。
④作者紀貫之に関連する古典作品といえば、『古今和歌集』『土佐日記』
どんなことを歌っているかというと、
「人間の気持ちは、さぁ、どうなんでしょうね(昔と変わってしまったのでしょうかねぇ)、でも、故郷の花は昔と変わらない香りで、今も咲いているのだねぇ」
というもの。
「花」と言えば、一般的には「桜」ですが、香る花といえば「梅」ですね。今では「白梅(はくばい・しらうめ)」「紅梅(こうばい)」とありますね。もともと大陸から伝来したのは「白梅」でした。「紅梅」が伝来したのは少し後になりますので、紀貫之さんが鑑賞していた梅はおそらく「白梅」。今度白い梅を見かけたら、「人はいさ…」と口ずさんでみましょう。時代を飛び越えて、一気に近づける気がすると思います。今の私たちと同じように、古文の世界の人たちも、いろんなことを考えていました。その思いが、57577という美しいリズムに乗って、私たちの心にも伝わってきます。和歌や古文の魅力がそこにあります。
和歌が苦手で困っている人。私と一緒に和歌の世界を旅しませんか。
毎日の勉強にも、そして受験勉強にも通じる道を楽しく学びましょう!!
【和歌】【全5回】0から始める!和歌特訓 | 古典 | オンライン家庭教師マナリンク (manalink.jp)
【古文】古文を楽しむ講座 | 古典 | オンライン家庭教師マナリンク (manalink.jp)
この先生の他のブログ
こんにちは、講師のニシオカです。現代文の受講生が増えてきました。「現代文はどう勉強していいか、わからない!」という声がとても多いですね。たしかに、英語や数学とちがって明確な単元などというものもないですし、一人でどう勉強していいか、悩ましいですね。 特に、読書が好きな人で、「こんなに読書が好きで、本を...
こんにちは、講師のニシオカです。皆さん、英単語帳と古文単語帳、どちらが開く回数多いですか?多くの人が、即答で「英単語帳!」と答えると思います。「英語は外国語だから、英単語が分からないと、絶対読めるようにならない」と思う人が大半だと思います。そして、それは正しい判断です。 では、次の質問。古文は外国語...
こんにちは、講師のニシオカです。公務員試験対策、いかがでしょうか。あと2ヶ月もすれば、今年も受験シーズンの到来ですね。 みなさんの中にも、「将来が安定だから」という理由で公務員を目指す人も多いと思います。たしかに、民間企業とはちがい、自治体は滅多なことでは潰れません。安定した社会的立場に見えます。た...
こんにちは、講師のニシオカです。 推薦入試において、志望理由書は合否を大きく左右する書類です。(総合型選抜・学校推薦型選抜などを受験する際に、志望大学から提出を求められる書類のことを、志望理由書といいます。)一次選考の書類審査において、通過の可否を判断する基準になりますし、そのあとの面接試験で使用さ...