古典

5/7/5/7/7は心のリズム

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2024/11/29

こんにちは、講師のニシオカです。

もうすぐ12月ですね。気温もかなり下がってきました。

今から900年ほど前、平安時代後期に藤原清輔という歌人(かじん。和歌を詠む人)がいました。こんな歌をのこした人です。(ちなみに、「歌」というと、現代の私たちは、音程がさまざまについた歌唱曲のことだと思っていますが、古文の世界では和歌を指します)


初雪に われはあとを つけじとして まづ朝たたむ 人を待つかな


まずは、5/7/5/7/7のリズムで是非音読してみて下さい。


初雪が降った朝、一面に積もる雪の美しさが見えてくるような歌ですね。

「あとをつけじ」とあるので、足跡をつけてしまうのを嫌がっているのですね。でも、きっと外出する予定があったのでしょう。「せめて誰かが先に足跡をつけてくれないかなぁ」と思っているようです。


大昔の人ですが、その人の和歌を通して、今を生きる私にも同じものが見えたり、同じ気持ちを共有できたりする。和歌とは、不思議でおもしろくて、たのしいものですね。


5/7/5/7/7のリズムは令和の今も、もちろん生きています。今は短歌といいます。池松舞さんという阪神ファンの歌人が、こんな短歌を詠んでいます。


キャッチャーの ミットに決まる ストライク あの人の目には ボールに見える

(ナナロク社出版『野球短歌』から)


野球ファンならわかる、その経験!「今のは絶対ストライクや!」と思って見ていたのに、「あの人」=球審・アンパイアの判定は、まさかのボールだった、というアルアルな瞬間を、リズムに乗せてこんな歌にするなんて。たのしいですね。


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