医師の偏在
2024/3/14
説得力のある小論文を書くには、出題される分野の関連知識を積み重ねることが必要です。
本日のテーマは「医師の偏在」です。2024年3月12日の日経新聞社説「医師の偏在ならす強力な政策を今こそ」を取り上げます。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD065880W4A300C2000000/
記事の要点は以下の通りです:
- 現在の医学部定員を維持すると将来的に医師過剰になる
- 24年度の医学部定員は約9400人で過去最多水準
- 医師総数は08年の約28万人から34万人に増加、29年には約36万人になり需給が均衡する見込み
- 一方で、外科や救急科、産科などで医師不足が深刻、地域による医師不足も顕著
- 医師の長時間労働を抑えるための対応が必要
- 外科や救急科を避け都市を希望する医師が多く、医師の配置が偏っている。
- 医師の偏在を是正する実効性のある施策が必要
- 医師不足地域に誘導するシーリング制度を導入してきたが、偏在是正の決め手になっていない
- 医師の報酬は公的な資金で支えられており、公益の観点から対策を検討すべき
数年前に発行された市販の看護系小論文の参考書には、諸外国に比べ日本の医師数の絶対数が少ないことが述べられていますが、ここ数年で大きく状況は変わりつつあります。医師不足に関連する問題が出題された場合は、「医師が不足しているから、ともかく医学部の定員を増やすべきだ!」等の短絡的な論述は避け、「医師不足の原因は特定の診療科、地方への偏在であり、政府が公益の観点から対策を検討すべきた。」等の論述に展開する必要があります。
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