「〜ている」から見る日英の違い
2019/11/18
タイトル通り、日本語の「〜ている」という表現から日本語と英語の表現の違いを考察してみる。
(1)日本語の状態動詞を用いて「〜ている」と表す時は〈状態〉を表し、英語では現在形(場合によっては現在完了形)で表す。
・私は千葉に住んでいる。
・I live in Chiba.
・私は千葉に30年住んでいる。
・I have lived in Chiba for thirty years.
(2)日本語の活動動詞(動作動詞)を用いて「〜ている」と表す時は〈継続〉を表し、英語では進行形で表す。
・ケンは校庭を走っている。
・Ken is running around the schoolyard.
(3)日本語の瞬間動詞(変化動詞)を用いて「〜ている」と表す時は〈結果状態(変化の後の状態)〉を表し、英語では現在完了形もくしは形容詞を用いる。
・そのおもちゃは壊れている。
・The toy has been broken / is broken.
(4)日本語では「日頃していること〈習慣〉」を「〜ている」を使って表すことができる。
英語では現在形もしくは現在進行形に相当する。
※英語の場合、現在進行形による習慣はある特定の期間限定であることを含意するが、日本語ではおそらくそのような含意はないのでどちらかといえば英語の現在形の方が近いと言える。
・父は健康のために毎日ジョギングをしている。
・My father jogs / is jogging to stay healthy every day.
(5)日本語では「〜したことがある〈経験〉」を「〜ている」表すことができる。
英語では現在完了形に相当する。
ただし英語の現在完了は過去を示す言葉とは基本的に共起しないのに対し、日本語では過去を示す言葉とも共起する。
よってこの場合は英語の過去形を用いることになる。
※それでも日本語のニュアンスは限りなく英語の現在完了に近いと思われるので、過去形を用いた場合意味のギャップが生じると言えそうだ。
・その野球部は過去10年で4度優勝している。
・The baseball team has won four times for the past ten years.
・私の父は3年前にがんの手術を受けている。
・My father had cancer surgery three years ago.
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