シス単を語る
2019年11月、『システム英単語〈五訂版〉』が新大学入試に対応との触れ込みで発売されるらしい。
システム英単語、通称シス単は個人的にも非常に思い入れのある単語帳である。
浪人生時代の苦楽を共にした相棒とも言って良い。
共に過ごした時間は他のどの参考書や問題集よりも長いと言える。
私が浪人生だった頃は単語帳といえばターゲット、シス単、速単あたりがメジャーだったように思う。
少し意識の高い人たちはDUOだったり単語王だったりに手を出していたイメージだ。
ちなみに鉄壁は私が浪人生の頃はまだ無かったはず。
現役生の頃はデータベースという単語帳を使っていた。学校で配布された単語帳をそのまま使っていたのだ。
決してデータベースそのものを悪く言うつもりは無いのだが、当時の思いにしても今振り返ってみるにしても私との相性はおそらく良くはなかった。
少々味気なさすぎたのである。
浪人生活を始めたての頃、まずは単語帳を刷新したいと思い本屋に向かった。
ターゲットはデータベースと同じようにどうにも味気なく、速単は「文を読みながら覚える」というのが私にはあまりにめんどくさく感じすぎて選択をやめた。
ある種必然的にシス単に手を出すことになる。当時の評価としてもまあまあではあったし、何より「ミニマム・フレーズ」というのが私には良かったように思う。
「ミニマム・フレーズ」として短くパッケージングされていたのは単語の使い方や語法を身につけるのに丁度良かったし、言葉の組み合わせによって記憶の引っ掛かりを増やすことが出来たと思う。
シス単を気に入ったもう一つの理由は「見た目」である。
シス単のカバー自体は別になんてことはないものではあるのだけれど、カバーを外して裸にしてやると何ともオシャレな単語帳に早変わりするのだ。
本のカバーをわざわざ外して裸で使った参考書などはおそらくシス単くらいだろう。
参考書の見た目なんか関係あるかと言われそうだが、長く使うものなのだから自分が手に取った時にテンションが上がる方が良いに決まっている。
私はあまり本に書き込みをするのは好きではないのだけれど、シス単にはとても多くの書き込みをした。
それもまた一つ愛着がわいている理由かもしれない。
書き込みというのは例えば類義語や対義語などの情報である。
単語帳ではよく
allow (=permit, let) ⇔forbid
などのように類義語や対義語の情報が付されている。
シス単には書かれていないけれど類義語や対義語がある場合には自分でひたすら書き込んでいった。
おかげである程度類義語や対義語に強くなったと思う。
またアクセントの位置を各単語に書き込んだ。
センター試験では第1問目にアクセントの問題が出るのでその対策だった。
シス単には発音記号が付いているのでそちらでアクセントの位置を確認すれば良いのだけれど、いちいちそちらを参照するのもめんどくさかったので単語チェックの際に自分でアクセントの位置を書き留めていった。
人によっては大したやり込みではないと思うかもしれないが、私個人としてはこれほどまでに向き合った単語帳はいない。
おそらく後にも先にもこれだけだろう。
大学受験から約10年以上、当時使っていたほとんどの参考書や問題集は処分してしまった。
しかしシス単は今でも私の本棚でひっそりと暮らしいている。
他の本には申し訳ないが、彼は私にとって特別な存在なのである。
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