日本人はなぜ英語が苦手?
2025/3/17
日本人が英語習得に苦手意識をもつ理由の一つに、英語と日本語との言語間距離が大きいことが挙げられます。言い換えると両言語には多くの相違点があるということです。
英語の音素は(数え方にもよりますが)日本語の音素のおよそ倍の数があり、第2言語習得の臨界期(ネイティブのように話せるようになる限界年齢)を過ぎた子どもの耳では聞き取れない音がたくさんあると考えられています。また、日本語は音の周波数帯域が狭く、諸説ありますがおよそ125〜1500Hzと言われているのに対して、英語は2000〜12,000Hzであり、2つの言語の周波数帯域は大きく異なるだけでなく、被るところがほとんどありません。このため「英語が聞き取れない」という現象にはこのような要因が関係していると言えるでしょう。
さらに、日本語は書いた通りに発音できるのに対し、英語には同じ綴りでも発音が異なる単語や同じ発音でも綴りが異なる単語、さらには発音されない文字が含まれる単語があるなど発音規則が複雑であることや文法構造の違いが大きいなどの他の要因もあり、両言語には大きな隔たりがあります。これらの違いから、日本人にとって英語習得は、英語に似た他のヨーロッパ言語を母語とする人々に比べると格段に難しいのです。
外国人だけでなく、日本人自身が「日本人は英語が苦手だ」というイメージを抱いてしまうのも仕方ないのかもしれません。
この先生の他のブログ
学習目標を達成するためには、自分に合う先生を見つけることがとても大切ですが、それは簡単なことではありません。子どもが先生を評価することは難しいし、親が代わりに良いと思う先生を見つけても、その先生が子どもに合っているかどうかは分かりません。大人にとって「良い先生」が、子どもにとって「合う先生」だとも限...
何かを学ぶ上で「目標を定める」ことは不可欠です。毎時間の授業でも、その時間内に生徒たちが達成すべき目標が設定されています。教師はその目標を意識した上で授業を行い、授業の最後には目標が達成されたかどうかを確認する必要があります。個別指導の場合、その子どもの現在のレベル、能力、特性、性格や学習の傾向など...
私は中学校の教員として勤務したことがありますが、さまざまな理由で学校に来られなくなってしまった子どもたちと接する機会がたくさんありました。その体験から、自分の子どもをもった時には、「何が何でも学校に行きなさい」という姿勢ではなく、転校やホームスクーリング、フリースクールなど、子どもに合いそうな選択肢...
ニュージーランドは一年を通じて気候も穏やかで治安も良く、何よりも他の英語圏と比較して留学費用が格段に安いため、世界中から多くの留学生がやってきます。日本の私立中学や高校の中には、留学をカリキュラムに組み込んでいるところもあり、同じ学校から来た留学生同士が週末にショッピングモール...