【大学受験・世界史】 上智大学TEAP利用型「世界史」入試出題傾向
2025/5/14
上智大学TEAP利用型の世界史は、やや特殊な論述問題が課せられることで知られています。そのため、自学自習だとなかなか対策が難しいと感じる受験生も多いようです。また、導入されてからまだ11年ほどしか経過していないため、形式はやや定まって落ち着いてきたとは言うものの、論述問題の内容に微妙な変化が現れるなど、過去問対策も一筋縄ではいかないかもしれません。そこで、こちらではごく簡単ではありますが、過去11年分の上智大学TEAP利用型「世界史」の出題傾向についてご紹介したいと思います。
【試験形式】
現在の基本的な試験形式は以下の通りです。
・試験時間:90分
・設問数:小問5、論述2問(200字論述+300字~350字論述)
また、以下は過去11年分の簡単な試験形式の一覧表です。
【試験の内容】
・小問
:選択式、ごく基本的な内容。(大学入学共通テストレベル)
・論述問題(200字)
:主に世界史の基本的知識・理解を説明させる問題、近年は平易。
・論述問題(300字~350字)
:資料の読み取りに加えて受験生自身の受験生自身の歴史に対する視点や立論の仕方などを問うスタイルの問題。世界史に対する深い理解と国語力(読解力+文章作成の魚力)が必要。
以下は、2015年~2025年までに出題された論述問題の設問概要一覧になります。
【対策・練習など】
・小問と200字論述をしっかりと解き切る世界史の基礎力の養成(必須)
・300字論述をある程度はまともに書けるように訓練を積む
・自学自習はかなり難しいので信頼のおける指導者に見てもらうこと
(特に添削は自分ではかなり困難)
・練習用教材として有用なもの
① 上智TEAP利用型過去問
② 東京外国語大学過去問(小問含む)
③ ICU人文・社会科学考査過去問(文章読解力養成・確認用、余裕があれば)
④ 東京大学過去問(ある程度まとまった論述を書く練習用、余裕があれば)
対策が難しいとはいえ、基本的には世界史の情報を理解し、国語力がある人は高得点を取れる内容となっているので、小手先のテクニックにこだわるよりも、「近現代史を中心にしっかりとした学習を進める」、「一定のレベルの文章(説明文)を読み解く国語力をつける」、「自分の考えを筋道立てて書くことができる文章力をつける」という歴史・国語の王道のような学習が力をつける一番の近道のように思います。いずれにしても、上智のTEAP利用型を視野に入れている方は、早めに過去問に目を通しておくと目標が定めやすくなるかもしれません。
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