理解の仕方は人それぞれ、自分の理解の仕方を見つけだそう!
本屋さんの参考書コーナーに行くと、よく「この参考書は、誰にでもよく分かるように解説・・・」のような謳い文句の参考書を見かけませんか?本当に「誰にでもよ分かる解説」なんてあるのでしょうか。
自分の教育・研究の経験から、何か(たとえば数学)を理解しようとするとき、その理解の仕方は人それぞれで、自分も含めてみんな違うのだということを感じています。ですから、誰にでもよくわかる解説なんて絶対に存在しないというのが私の持論です。
もし誰にでも分かるような、そんな解説方法があるなら、そもそもその方法を教科書に採用しているはずです。教科書を作るときに、作成者があえて分かりにくく解説しているなどということはないはずです。ではなぜ教科書を読むだけでは理解できないところがあるのでしょうか。
それは多分、人によって理解の仕方が違っていて、引っかかるところが人によって違うので、どうしても万人に理解してもらえるように説明する方法なんてないからなのだと思います。ですから、誰にでも分かる教科書や参考書など無いと思っておいて間違いないでしょう。誰にでも理解できる解説をしている参考書を誰かが1本書けば、その参考書以外は全く売れなくなってしまうはずです。でも、参考書はやたらたくさんありますよね。そしてそれぞれ色々な書き方がされています。
学校の授業でも、先生たちはそれぞれ自分の経験に基づいて、自分だったらこういう説明をされればよく理解できると思って生徒・学生に解説をします。それでよく分かる人もいるでしょうが、全員が分かるわけではありません。先生と理解の仕方がちがう生徒・学生にとっては、どんなに先生が頑張って分かりやすく説明しようとしても、先生と理解の仕方が違う生徒・学生にはやっぱり理解不能なのです。でも、複数の生徒・学生を相手にする授業では仕方ありません。一人を相手にしているわけではないわけですからね。結局、先生も自分のスタイルで授業をせざるを得ません。
ですから、勉強をするうえで何よりも大切なことは、まず自分自身を知るということだと思っています。よくできる友達と同じような勉強方法で、同じだけ時間をかけて勉強しているのに、どうしてこんなに差が出来てしまうんだろう・・・。それは友達とあなた自身は違う人間で、理解の仕方が違うからかもしれません。
因みに私の場合、ひとつあることを理解しようとするときに、ちょっと理解できない部分があってもあまり気にせず、どんどん問題を解いていくという勉強方法を取っていました。多少分からないところがあっても、基本的な問題は解くことができたりします。そうやってたくさん問題を解いてみて、しばらくして理解できていなかった所に戻ってみると、知らないうちに分からなかった所が理解できているということがよくありました。今だに研究でもそのスタイルでやっています。
でも、この方法をこのブログを読んでいる皆さん全員にお勧めするわけではありません。多分、この方法を採用すると大失敗につながる人もいると思います。
どうすれば成績をあげることができるか経験者やプロにアドバイスをもらうことは悪いことではありませんが、そのまま言われた通りにしてもうまくいかないことの方が多いのではないでしょうか。自分がどのような性格なのかを詳しく知らない人には、自分に合った勉強方法など分かるはずがありません。
やはり、まずは自己分析をして自分に合った勉強スタイルがどういうものなのかを考えてみましょう。その際、試行錯誤を繰り返すことが大切です。手っ取り早く何とかしようなどという考えをもっているのであれば、それは改めたほうがいいのではないでしょうか。