AI時代の総合型選抜|志望理由書にChatGPTを使っていい?現役講師が答える
現役講師が考える「正しいAI活用法」と面接対策への活かし方
「ChatGPTで志望理由書を書いてもいいですか?」
ここ1年で、高校生や保護者の方からこの質問が急増しています。
AIが当たり前になった今、受験勉強にも活用したいと考えるのはごく自然なことです。
実際、私自身も日々の仕事や授業でAIを積極的に活用しています。大学では情報学を学んでAI研究に取り組み、現在はIT業界でAIを活用しながら働いています。その経験を活かし、総合型選抜の指導にもAIを取り入れています。
だからこそ、私の答えは少し意外かもしれません。
「ChatGPTで書いてもらった文章を、そのまま出願に使うのはおすすめしません。」
AIを使って志望理由書を仕上げること自体を否定したいわけではありません。
むしろ、高校生こそAIを積極的に活用してほしいと考えています。
ただし、「AIが生成した文章をそのまま提出する」だけは避けてほしい。なぜなら、その判断が総合型選抜では致命的な落とし穴になりうるからです。
総合型選抜で評価されるのは「完成した文章」ではない
総合型選抜は、一般選抜とは異なる入試です。
もちろん、志望理由書や活動報告書などの提出書類は重要です。しかし、大学が本当に見ているのは「文章の上手さ」だけではありません。
なぜこの大学で学びたいのか
これまでどんな経験をしてきたのか
大学でどのように成長したいのか
こうした内容を、自分の言葉で説明できるかが問われます。
文部科学省が示すとおり、総合型選抜は学力だけでなく、志望理由・学習意欲・目的意識などを多面的・総合的に評価する入試です。
つまり、志望理由書は「提出して終わり」の書類ではありません。
その内容をもとに面接が行われることも多く、「なぜそう考えたのですか?」「もう少し詳しく教えてください」と深掘りされる場面も少なくありません。
だからこそ、自分で考え、自分の言葉で語れる内容になっていることが何より大切なのです。
⚠️ AIに丸投げすると、志望理由書が面接で通用しない理由
例えば、ChatGPTに「情報学部の志望理由を書いてください」と入力すると、整った文章が返ってきます。読んで「すごい!」と感じるかもしれません。
でも、その文章はあなた自身の考えでしょうか。
面接で「なぜ情報学部に興味を持ったのですか?」と聞かれたとき、自分で考えていない文章では答えられません。
さらに、
「高校時代の経験と、大学で学びたいことはどうつながっていますか?」
「その研究に興味を持ったきっかけは何ですか?」
といった深掘りにも対応できなくなります。
私は生徒によくこう伝えます。
「志望理由書は、作文ではありません。面接の台本でもあります。」
書いた本人が説明できない文章は、どれだけきれいでも良い志望理由書とは言えないのです。
だから私は、「AIが生成した文章をそのまま出願に使う」のだけは避けて、「AIと一緒に考え、自分の言葉で仕上げる」ことをすすめています。
AIは「答えを作る道具」ではなく、「思考を深める相棒」
AIが得意なのは、文章を生成することだけではありません。
実は「考えるためのサポート」こそ最も得意な領域です。
ここを理解すると、AIは総合型選抜対策の強力な味方になります。
では実際にどう活用すればいいのか。次は、私が授業で実践している5つの方法を紹介します。
💡 私が授業で実践している「AIのおすすめ活用法」5選
① 自己分析を深める
「自分の強みが分からない」「何を書けばいいか分からない」という生徒は少なくありません。
そんなときは、AIに答えを書いてもらうのではなく、質問を投げかけてもらいます。
「この経験から学んだことは?」
「なぜその活動を続けようと思ったの?」
「他の人にはないあなたらしさは?」
こうした問いを繰り返すことで、自分では気づかなかった価値観や強みが見えてきます。
総合型選抜では「正解」を探すよりも「自分らしい答え」を見つけることが大切です。AIは、そのための壁打ち相手として非常に優秀です。
② 大学・学部研究を効率化する
志望理由書を書くには、大学について深く知る必要があります。しかし、大学の公式サイトは情報量が多く、「どこを見ればいいか分からない」という声もよく聞きます。
そんなときはAIを活用して、次のような情報整理を手伝ってもらいます。
アドミッション・ポリシーの要約
学部の特徴と他大学との違い
気になる教授の研究内容の整理
ただし、AIの回答だけを鵜呑みにするのは禁物です。
最新の入試情報やカリキュラムは、必ず大学公式サイトで確認しましょう。
③ オープンキャンパス後の振り返り
オープンキャンパスに参加しても、「楽しかった!」「校舎がきれいだった!」で終わってしまうのはもったいないことです。
私は生徒に「今日の体験をAIと一緒に整理してみよう」と伝えています。
印象に残った授業や先生の話
在学生との会話で気づいたこと
自分がその大学・学部に惹かれた理由
これらをAIに伝えると、「それは志望理由書ではこんな切り口で書けそうですね」と整理してくれます。
最終的に書くのは自分自身ですが、「どの経験が志望理由につながるか」を客観的に整理するサポートとして非常に役立ちます。
④ 面接練習の相手になってもらう
これは私が特におすすめしている活用法です。
AIに「総合型選抜の面接官になってください」とお願いすると、
「なぜこの大学を志望したのですか?」
「高校時代に最も力を入れたことは?」
「その経験を大学でどう活かしますか?」
といった質問を何度でもしてくれます。
さらに、「もう少し具体的に説明してください」「他の受験生との違いは何ですか?」といった深掘りにも対応可能です。
時間や場所を選ばず面接練習ができるのは、AIならではの大きなメリットです。
⑤ 文章を添削してもらう
最後に使うのが添削です。ただし、書いた文章をそのままAIに直してもらうことは勧めていません。
代わりに、次の視点でフィードバックをもらうようにしています。
読みにくい部分はあるか
内容が重複していないか
説明が不足している箇所はあるか
読み手が疑問に思いそうな点はあるか
先生からの添削とAIからの客観的なフィードバック、この両方を組み合わせることで、より伝わる志望理由書に仕上げることができます。
🌱 AIは「近道」ではなく、「成長を加速させる道具」
AIを使えば、志望理由書は短時間で完成するかもしれません。しかし、総合型選抜の本当の目的は「書類を完成させること」ではありません。
自分と向き合うこと
将来について考えること
志望大学との相性を見極めること
このプロセスそのものに大きな意味があります。
AIが生成した文章をそのまま出願に使ってしまうと、この大切な気づきを得る機会を失うだけでなく、面接でも通用しない志望理由書になってしまいます。
一方で、「考えるパートナー」としてAIを活用すれば、より深く、より効率的に自分の考えを整理することができます。
AIは「答えを出す道具」ではなく、「思考を深める相棒」 として使うからこそ、総合型選抜対策に本当の力を発揮します。
次回は「情報学部とはどんな学部か」をテーマに、学べること・進路・他学部との違いをわかりやすく解説します。
この先生のおすすめコース
- 情報学部・工学部に興味はあるものの、志望校や学科選びで迷いがある受験生の方
- 総合型の選考方式に合わせて、小論文・志望理由書・面接を一貫して準備したい方
- 探究活動のテーマ決めから書類作成、面接対策まで一貫して見てほしい方
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おすすめの指導コース
- 勉強を通して、テストの点数だけじゃなくて成長したい
- 勉強を通して、テストの点数だけじゃなくて成長したい
- 複数の科目のわからないところを少しづつ聞きたい
- その時々で自分に適した勉強をしたい
- 自分のペースで学びたい、効率よく行いたい
- 志望校に向けて最短ルートで行いたい
- 論理的思考力を身につけたい方
- 将来的に大学院へ進学する方
- 海外での学術研究やビジネス活動に興味のある方
- 総合型選抜の利用を考えている受験生
- 小論文ってどういうふうに書けばいいのかわからない受験生
- そもそも総合型選抜をどうやって対策すればいいのかわかっていない受験生
- 医学部小論文の評価基準がわからない
- 一般論から抜け出せず点が伸びない
- 保護者として今の対策で足りているか不安