「大学見学」で終わらせない。総合型選抜で差がつくオープンキャンパスの活かし方

「オープンキャンパスに行ってきたけれど、校舎がきれいだったことしか覚えていない。」
総合型選抜を目指す高校生から、よく聞く言葉です。
大学の雰囲気を知ることはもちろん大切です。しかし総合型選抜の指導をしていると、「それだけではもったいない」と感じる場面に何度も出会います。
総合型選抜・学校推薦型選抜では、「なぜこの大学なのか」「大学で何を学びたいのか」を自分の言葉で伝えることが求められます。文部科学省も、大学が定めるアドミッション・ポリシー(求める学生像)に基づく多面的・総合的な評価を示しており、志望理由書・活動報告書・面接がいずれも重要な評価材料となります。
つまり、オープンキャンパスは「大学を見学する日」ではありません。
生徒にはいつも、こう伝えています。
「大学との相性を確かめに行こう」
この記事では、総合型選抜の指導で実際に生徒へ伝えている視点を交えながら、オープンキャンパスで本当に見るべきポイントを解説します!
この記事でわかること
オープンキャンパス前にすべき3つの準備
当日に見るべき5つのチェックポイント
参加後に志望理由書へつなげる振り返り方
総合型選抜でよくある「もったいない参加」の失敗例
総合型選抜でオープンキャンパスが重要な理由
「校舎がきれいだった」「先輩が優しかった」「学食がおいしかった」——これらはもちろん大学生活を左右する要素です。
しかし、総合型選抜で大学が問うのはもっと本質的なことです。
「その大学で、本当に学びたい理由があるか。」
すべての大学には「アドミッション・ポリシー(AP)」があります。
簡単に言えば、「私たちはこんな学生に来てほしい」という大学からのメッセージ。たとえば、
主体的に学ぶ人
課題を発見・解決できる人
多様な人と協働できる人
求める人物像は大学ごとに異なります。だからこそオープンキャンパスでは、「この大学はどんな学生を育てたいのか」「その考え方は自分に合っているか」を確かめることが何より重要です。
志望校選びは偏差値より「相性」から考える——それが総合型選抜の本質です。
【事前準備】オープンキャンパス前に必ずやっておきたい3つのこと
① アドミッション・ポリシーを読む
大学のホームページにはアドミッション・ポリシーが掲載されています。難しく見えても、まずは「どんな学生を求めているか」だけ確認してみてください。
事前に読んでおくと、当日の説明会や模擬講義を聞くときの解像度が格段に上がります。
「この大学は主体性を大切にしているんだ」「地域課題を重視しているんだ」——こうした気づきが、情報の吸収力を大きく変えます。
② 学部・学科の違いを調べる
「〇〇大学に行きたい」だけでは不十分です。大切なのは、「なぜこの学部なのか」まで説明できることです。
私自身、お茶の水女子大学の情報科学科で学び、現在はITコンサルタントとして働いています。
高校生の頃は「情報学部=プログラミング(??)」というイメージしかありませんでしたが、
実際にはAI・データ分析・デザイン・認知科学・社会課題解決と、想像をはるかに超えた幅広さでした。
大学名だけでなく、「どんな学びが待っているのか」に注目する
——これが、当時の自分へ伝えたい最大のアドバイスです。
③ 質問を3つ準備しておく
オープンキャンパスで得られる情報量は、「何を質問するか」で大きく変わります。おすすめの質問例を挙げます。
この学部ならではの学びは何ですか?
入学後、最も成長したと感じる学生はどんな人ですか?
高校時代にやっておくと良いことはありますか?
在学生や先生の話には、パンフレットには載らない「リアル」があります。そしてその経験が、志望理由書に「オープンキャンパスで○○先生のお話を伺い…」と書ける具体的なエピソードになります。他の受験生とは違う、自分だけの志望理由が生まれる瞬間です。
質問は3つ考えてから行く ——これが準備の仕上げです。
【当日】オープンキャンパスで見るべき5つのポイント
当日は「大学の良し悪しを判断する日」ではなく、「4年間ここで学ぶ自分を想像できるか」という視点で臨みましょう。
① 模擬講義・授業
「面白かった」で終わらせず、次の3点を意識してみてください。
どんな問いを扱っていたか
高校の授業と何が違ったか
もっと学んでみたいと感じたか
大学の学びの核心は、「答えを覚えること」から「問いを深めること」への転換にあります。「もっと知りたい」と感じられるテーマが見つかれば、それはそのまま志望理由のヒントになります。
② 研究室・ゼミ
「研究室は4年生から」と思っている人も多いですが、実はオープンキャンパスで一番見てほしい場所です。
研究室を見ると、その大学がどんな社会課題に向き合い、どんな学びを大切にしているかが見えてきます。
たとえば、「高校では防災について探究したので、大学ではデータ分析を使った災害対策を研究したい」というように、高校での活動と大学での学びを自然につなげることができます。
総合型選抜では「高校までの経験」と「大学でやりたいこと」のつながりが最も重視されます。研究室はその接点を探す最良の場所です。
③ 先生
専門分野はもちろん、「この先生の授業を受けてみたい」と思えるかどうかも大切なポイントです。
質問への答え方や、高校生にも伝わるように話してくれる姿勢から、その大学の教育の空気感が伝わってきます。
大学選びとは「どこで学ぶか」だけでなく、「誰から学ぶか」を選ぶことでもあります。
④ 在学生
パンフレットでは分からないことを知るには、在学生に聞くのが一番です。
ぜひ聞いてほしい質問例:
この大学を選んだ理由
入学前後で感じたギャップ
授業で一番大変だったこと
高校時代にやっておけば良かったこと
数年後の自分をイメージしながら、話を聞いてみましょう。
⑤ 学習環境・施設
図書館・実験室・自習スペースなども確認してみてください。
「新しい」「きれい」で終わらず、「自分はここで4年間学び続けられるか」という問いを持ちながら見ることが大切です。設備の充実度は、4年間の学習の質に直結します。
【参加後】実は一番大切なのはオープンキャンパス後の振り返り
オープンキャンパスが終わったら、その日のうちに(できれば24時間以内に)振り返りをしてください。記憶が鮮明なうちに言語化することが重要です。
書き出してほしい4つの問い:
印象に残ったことは何か
なぜそれが印象に残ったのか
高校での経験とどうつながるか
大学で挑戦したいことは何か
振り返りの「前」と「後」でここまで変わる
❌ 振り返り前(NG例) 「研究室でAIを活用した医療研究を見学した」
✅ 振り返り後(OK例) 「高校で統計・情報を学び、人の役に立つ技術に興味を持った。大学ではAIを活用して医療分野の課題解決に取り組みたい」
自分の経験と結び付けてはじめて、"自分だけの志望理由"になります。
オープンキャンパスでよくある失敗5選
多くの高校生がやってしまいがちなパターンを挙げます。当てはまるものがないか確認してみてください。
校舎や設備だけ見て満足してしまう
質問を一つもしない
メモを取らない
「楽しかった」で終わらせてしまう
参加後に何も振り返らない
オープンキャンパスは「参加したこと」が評価されるわけではありません。大切なのは、その経験から何を考え、志望理由書や面接で自分の言葉として伝えられるかです。
まとめ|オープンキャンパスで持ち帰るべきものは「志望理由」
オープンキャンパスで持ち帰るべきものは、パンフレットではありません。
「この大学で学びたい理由」です。
大学はどんな学生を求めているか
自分はどんなことに興味があるか
大学でどんな学びに挑戦したいか
この3つの接点を見つけることが、総合型選抜への第一歩です。
「大学を見る日」ではなく、「自分の未来を考える日」としてオープンキャンパスを活かしてください。
オープンキャンパスを総合型選抜につなげたい方へ
「オープンキャンパスに参加したけれど、志望理由書にどう書けばいいか分からない。」
「大学ごとの違いが整理できない。」
こうした悩みを持つ高校生は少なくありません。
授業では、オープンキャンパス前の準備から参加後の振り返り、そして志望理由書・面接で伝えられる形に整理するまで、一人ひとりに合わせてサポートしています。
「この大学で学びたい」と自信を持って言える志望理由を、一緒に作っていきましょう。
次回は「情報学部とはどんな学部か」をテーマに、学べること・進路・他学部との違いをわかりやすく解説します。
この先生のおすすめコース
- 情報学部・工学部に興味はあるものの、志望校や学科選びで迷いがある受験生の方
- 総合型の選考方式に合わせて、小論文・志望理由書・面接を一貫して準備したい方
- 探究活動のテーマ決めから書類作成、面接対策まで一貫して見てほしい方
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
おすすめの指導コース
- その時々で自分に適した勉強をしたい
- 自分のペースで学びたい、効率よく行いたい
- 志望校に向けて最短ルートで行いたい
- 総合型選抜や学校推薦型入試で勝負したいと思っている方
- 志望理由書の書き方を自分のペースで習得したい方
- 総合型選抜をお考えの高校2年生の方
- 総合型選抜や推薦入試の面接の最後の仕上げをしたい生徒様
- 自分の活動実績や強みを、どう言語化すればもっと高く評価されるか知りたい生徒様
- 志望理由書と面接での発言に「一貫性」を持たせ、自信を持って本番に臨みたい方
- 総合型選抜・学校推薦型選抜(推薦入試)を受験したいけど、どう準備してよいか不安
- 「志望理由書」に何を書けばいいかわからない
- 「志望理由書」「小論文」「事前課題」まで出願に必要な全ての対策をしてほしい
- 小論文なんて一度も書いたことがないからどうしたらいいか分からない生徒さん
- 論文対策と面接対策を同時に効率よく進めたい生徒さん
- 志望理由書が書けなくて困っている生徒さん