面接対策、"覚える"で止まっていませんか?
こんにちは!マナリンク講師の若田部です😊
「志望理由は?」「高校生活で頑張ったことは?」
この2つには、もうすらすら答えられる。
過去問も見た。
想定質問集も作った。
子どもも、用意した言葉ならきちんと言える。
なのに、ふと不安がよぎる。
「このまま本番に行かせて、本当に大丈夫なんだろうか」
先日、ある保護者の方からこんな相談をいただきました。
家で面接練習をしたとき「その経験から何を学びましたか」と聞いた瞬間、それまでスラスラ話していた子どもが、急に黙ってしまったというのです。
「練習不足なんでしょうか」
そう聞かれたのですが、私の答えは少し違います。
🔹「練習不足」ではありません🔹
まず最初にお伝えしたいのは、よくあること、自然に起こる現象だということです。
想定質問と模範解答を用意して、それを覚えるという対策は、間違っていません。
最初のとっかかりとしては、むしろ有効な方法です。
何もないところから話を組み立てるのは、高校生にとってハードルが高いですから、まず型やパターンを持たせることには意味があります。
ただ、本番の面接で実際に交わされるのは、型通りのやり取りだけではありません。
「なぜそう思ったの?」
「具体的には?」
「それって、将来どうつながるの?」
こうした、その場での深掘りが必ず入ってきます。
事前に想定していない質問が飛んでくることも普通です。
ここで見られているのは、「正解を知っているかどうか」ではなく、「自分の言葉で、自分の考えを話せるかどうか」なんです。
用意した文章を暗唱している状態だと、この深掘りには対応できません。
聞き方が変わった瞬間、頼りにしていた"型"が使えなくなり、言葉が出てこなくなる。
これは、練習量の問題ではなく、"覚えている"状態から"自分の言葉で話せる"状態へ、まだ一段階進んでいないというだけのことです。
🔹私が面接練習で見ているもの🔹
私が生徒と面接練習をするとき、実は最初から回答の中身の正しさを見ているわけではありません。
まず、用意してきた志望理由をそのまま聞きます。
そのうえで、
「どうしてそう思ったの?」
「その経験の中で、一番印象に残っているのは?」
「それって、大学で何を学びたいことにつながる?」
と、少しずつ掘っていきます。
これは、答えを添削するためではありません。
本人が「自分はなぜそう考えているのか」を自分の言葉で説明できるかどうかを見ています。
そして、答えられないことは、本当によくあります。
そんなとき、私はすぐに正解を教えません。
まず質問を少しだけ簡単にします。
それでも難しければ、本人が話しやすい、もっと具体的なエピソードから聞き直します。
話せたら、また少しだけ角度を変えてみる。
これを何度か繰り返していきます。
答えられない理由は、生徒によってさまざまです。
経験をまだ言葉にできていないだけのこともあれば、緊張でうまく情報が引き出せないこともある。
質問の意味そのものを整理できていないこともあります。
「コミュニケーション力が低いから」ではないんですね。
だから私は、できないことを責めるのではなく、「なぜ今、答えられないのか」を一緒に探すようにしています。
🔹ある生徒とのやり取り🔹
先日の面接練習で、こんな場面がありました。
生徒「探究活動で、地域の高齢者支援に取り組みました」
私「へぇ、それをやろうと思ったきっかけは?」
生徒「…(少し沈黙)」
私「じゃあ、活動の中で一番印象に残ってる瞬間は?」
生徒「おばあちゃんに『ありがとう』って言われたときです」
私「そのとき、どう思った?」
生徒「役に立てたなって、単純に嬉しかったです」
私「それって、大学で学びたいことにどうつながりそう?」
生徒「…人の役に立つ仕組みを、もっと専門的に学びたいと思いました」
最初の質問には答えられませんでした。
でも、質問の角度を変え、本人が話しやすいところから入り直したことで、最後には自分の言葉で、大学での学びにまでつながる答えが出てきました。
質問→沈黙→切り口を変える→本人の言葉が出てくる。
この積み重ねこそが、面接で使える「自分の言葉」を作っていくプロセスだと、私は考えています。
🔹おうちでの練習でチェックしてほしい3つの視点🔹
ご家庭での面接練習にも、もちろん意味があります。
まずは、次の3つを確認してみてください。
・想定と違う聞き方をしても、答えられるか
・「なぜ?」と2回聞かれても、止まらないか
・答えながら、自分の言葉で説明できているか
この3つがすんなりできているなら、今のままの練習で十分です。
ただ、次のような様子があれば、少し立ち止まってみてもいいかもしれません。
・毎回、同じようなところで黙ってしまう
・深掘りされると、答えが崩れてしまう
・本人自身も「これでいいのか分からない」と言っている
こうした場合、家庭での練習だけでは越えにくい壁があることが多いです。
というのも、家族は"聞き方を変え続けて、答えを一緒に作っていく"役割を担うには、どうしても近すぎるんです。
子どもの側も、親には話しにくいことがありますし、親の側も、我が子だと質問の角度を客観的に広げ続けるのが難しい。
これは、どちらが悪いという話ではなく、関係性上、構造的にそうなりやすいということです。
🔹まとめ🔹
想定質問に答えられるようになったのは、大きな一歩です。
それは間違いなく評価してあげてください。
そのうえで、本番の面接で試されるのは、"覚えた答え"を再現する力ではなく、聞かれ方が変わっても、自分の経験を自分の言葉で語れる力です。
そしてそこに至るまでには、「なぜ答えられないのか」を責めずに一緒に探し、質問の角度を少しずつ変えながら、本人の言葉を引き出していくという、地道なやり取りが必要になります。
もし、親子だけではこの先の練習をどう進めればいいか整理しきれないと感じたら、一度、家族以外の誰かに面接を見てもらうのも、選択肢のひとつだと思います。
第三者だからこそ気づける部分も、意外とあるものです。
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