高2の子が「まだわからない」と言うとき〜総合型選抜の前に、保護者が最初に知っておきたいこと〜
こんにちは😊
マナリンク講師のわかやんこと若田部です。
子どもが高2になって、「そろそろ大学受験のことを考えなきゃ」と思い始めた。
でも、志望校は決まっていない。聞いてみても「まだわからない」と返ってくる。
総合型選抜という言葉は耳にするものの、何から手をつければいいのかも見えない。
そんな「焦るけど、動けない」という気持ちを抱えていませんか?
先に言っておきたいのは、その焦りは、お子さんのことをきちんと考えているからこそ生まれるものだということです。慌てなくて大丈夫です。
今週は、僕が実際に高2の生徒とどんなふうに話しているのかを、少し具体的にお伝えしてみます。
🔹高2でまず大事なのは「完成させる」ことではありません🔹
総合型選抜というと、志望理由書や面接の練習を、早めに始めなければいけないものだと思われがちです。
でも僕は、高2のうちに大事なのは少し違うことだと考えています。
それは、材料を集め始めることです。
何に興味があるのか
高校生活で、何が印象に残っているのか
どんなときに「もっと知りたい」と思ったのか
志望理由書も面接も、こうした材料を組み立てる作業です。材料が少ないまま急いで組み立てると、きれいに整ってはいても、本人の言葉にはなりにくいと感じています。
では、その材料はどうやって集めるのか。ここからが、Xでは書ききれなかった部分です。
🔹僕が「志望校はどこ?」と聞かない理由🔹
高2の生徒と話すとき、僕は最初に「志望校はどこ?」とは聞きません。
聞かれた子は、まだ決まっていないという事実を突きつけられた気持ちになりやすいからです。
「決まってないとダメなのかな」と感じると、本当は頭の中にあることも、話しにくくなってしまいます。
だから最初は、こんなふうに始めます。
「最近、何をしているときが楽しい?」
「高校生活で、印象に残っていることはある?」
「逆に、ちょっと苦手だなと思うことは?」
「大学に行ったら、何かやってみたいことはある?」
志望校という「答え」から入るのではなく、その子自身の話から入ります。志望校が決まっていないなら、決まっていないままで大丈夫。
そこから一緒に探していけばいいと思っています。
🔹「まだわからない」の中身は、子どもによって違う🔹
ここで僕が大事にしているのは、「まだわからない」を一つの状態として見ないことです。
同じ言葉でも、その裏にあるものはいろいろです。
本当に、まだ考えたことがない
考えていることはあるけど、「話せるほどのことじゃない」と思っている
親や先生の期待を感じて、本音を言いにくい
頭の中にはあるけれど、言葉にしたことがない
原因が違えば、関わり方も変わります。
考えたことがない子には、考えるきっかけになる小さな問いを出します。
「話せるほどじゃない」と思っている子には、「そんな小さなことでいいよ」と伝わるような聞き方に変えます。
言葉にしたことがない子には、答えを急がず、言葉が出てくるまで待ちます。
「まだわからない」と言われたときに「もっと考えなさい」と返すと、どの子にとっても少し苦しくなってしまいます。
まずは、その子がどの状態にいるのかを見るところから、僕は始めています。
🔹実際の場面:「楽しかった」の中身を一緒に探す🔹
例えばこんなケースがありました。(個人が特定されないよう一部改変しております)
文化祭の準備が楽しかった、と話してくれた高2の生徒がいたとします。
生徒:「文化祭の準備が、けっこう楽しかったです」
僕:「いいね。どんなところが楽しかった?」
生徒:「うーん……クラスのみんなでやるのが楽しかったです」
僕:「みんなでやるのが。そのとき、自分は何をしてたの?」
生徒:「……えっと、全体の進み具合を見て、足りないところを手伝ってました」
僕:「それ、自分で気づいて動いたの?誰かに言われてやったの?」
生徒:「はい。気づいたらやってました」
ここで、僕は少し間をとります。
最初の「みんなでやるのが楽しかった」は、とても広い言葉です。
でも、「そのとき自分は何をしていたか」と聞くことで、本人も意識していなかった「全体を見て、必要なところを動かす」という側面が見えてきました。
同じ「楽しかった」でも、「みんなで作るのが好き」な子もいれば、「裏方で全体を動かすのが好き」な子、「何もないところから形にするのが好き」な子もいます。
この違いが見えてくると、気になる学問や学部の方向が、少しずつ浮かんできます。
大切なのは、僕が「それはリーダーシップだね」「視野が広いんだね」「経営学部とかどう?」などと答えを渡さないことです。
話しながら、本人が自分で気づく。
その時間を、僕はいちばん大事にしています。
🔹答えが出てこないとき、僕がしていること🔹
もちろん、毎回こんなにスムーズにいくわけではありません。
聞いても「うーん……」と黙ってしまうこともあります。
そのときでも高2であれば、僕はすぐに言い換えて助け舟を出したり、模範的な答えを渡したりはしません。
まずは少し待ちます。
それでも出てこないときは、質問の仕方を変えます。
「興味のあること、ある?」→「最近ちょっとだけ気になったことは?」
「得意なことは?」→「人から『ありがとう』って言われたことはある?」
「将来やりたいことは?」→「今の生活で、これが続いたらいやだなってことは?」
質問の大きさを小さくしたり、角度を変えたりするだけで、出てくる言葉が変わることがあります。
「何もない」と言う子の多くは、本当に何もないわけではないと感じています。
「誰かに話せるほどのことじゃない」と思っているだけのことが、少なくありません。
だから僕は、その「話せるほどじゃないこと」のほうに、耳を向けるようにしています。
🔹高2で集めた材料は、高3でどうなるのか🔹
こうして集まった材料は、すぐに志望理由書になるわけではありません。
高2のうちは、「楽しかったこと」「印象に残っていること」「苦手なこと」「もっと知りたいと思ったこと」といった、小さな断片が増えていく時期です。
そこから、どんな学問につながりそうか、少しずつ見えてきます。
高3になって志望理由書や面接に向き合うとき、この材料があると、「なぜそう思うのか」「どんな経験からそう考えたのか」を、自分の言葉で話しやすくなります。
反対に、材料が少ないまま書類を整えようとすると、どうしても借りてきた言葉になりやすい。
僕が高2のうちに材料を集めることを大切にしているのは、そのためです。
もちろん、これは「高2から始めないといけない」という話ではありません。
高2という時期は、受験の形を整えるより、自分のことを知るのに向いている時期だと、僕は思っています。
🔹保護者の方が、家でできること🔹
では、ご家庭ではどうすればいいのか。僕が考えているのは、次の二つです。
① 「志望校は?」の代わりに、「最近、どうだった?」と聞いてみる
答えが返ってこなくても大丈夫です。返事を急がず、また今度聞けばいいと思います。
② 子どもが話してくれたことを、覚えておく。評価はしない
「それ、いいね」「それは将来に役立つね」と評価するのではなく、ただ覚えておく。それだけで、本人の中に「話していいんだ」という感覚が育っていきます。
親が答えを用意してあげるより、本人が自分で話せる場所をつくることのほうが、結果的に、子どもが自分で選べるようになる近道だと、僕は感じています。
🔹まとめ🔹
高2の保護者の方が最初に考えておきたいことは、次の3つです。
高2で大事なのは、完成させることではなく、材料を集め始めること
「まだわからない」は、一つの状態ではなく、中身は子どもによって違う
親が答えを用意するより、まず本人が何を考えているかを知ること
もし今、「どうしたらいいかわからない」と感じているのであれば、受験の話をする前に、一度誰かと一緒にお子さんのことを整理してみるのも、一つの方法だと思います。
誰かに話を聞いてほしいと感じたら、お話だけでも構いません。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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