オンライン家庭教師マナリンク
国語

どうやって国語を勉強するのか。覚えて欲しい3つの心構え。

2020/11/6

国語や現代文を教えているとよく思うのが、「問題を解くにあたっての心構えを知らない。」ということです。

学校の国語の授業はとても大切で、決して軽んじてはならないとは思いますが、一般的な学校の授業では多くの場合、残念ながら受験問題に対応する授業は出来ていないのではないかと思います。

だからこの「問題に対する心構え」というのが持てていない生徒がとても多いのではないでしょうか。

そこで私が考える、入試や試験対策としての国語の勉強法を紹介していきます。

受験生にとって国語・現代文の勉強をするにあたって最低限わかっていてほしいことなので、よく覚えてください。


心構えその1.国語の試験とは、設問者との対話である。

一般的な国語の読解問題において、典型的なのは一つの文章(論説文や小説など)がまず初めにあります。これを本文とここで呼びます。

そのあと、設問と呼ばれる一連の問題が表示されます。

典型的というより、ほとんどの問題がこの形式となっていますね。


さて、イメージしてください。

今からあなたに、私がある文章を渡します。

それを読んでください。

それではその文章に書かれていることについて、私が質問します。

あなたがどのような感想を持ったかは関係ありません。

私の出す質問の意味をきちんと理解し、その文章に何が書かれているのかを答えてください。



いかがでしょう。これが国語の試験です。

あまりにもあっけないでしょうか。「そんなことわかってる!」と思う受験生も多いかもしれませんね。

しかし、これが何よりも重要な前提なのです。

文章を読んであなたがどう感じたか、文章の作者に賛同するか反発するか、面白いかつまらないか、そんなことはどうでもいいのです。

私、つまり設問者の質問の意味を理解し、満足する答えを用意する。ただそれだけのことなのです。

もちろん難解な文章は多く、設問も難しい。選択問題もややこしかったり、紛らわしかったりします。

そのあたりは解答のテクニック的なものもありますが、大前提としてあくまでも設問者の意図を理解するということを忘れないでください。

つまり、設問を作った人と解答する人の対話、コミュニケーションであるのが国語の試験だということですね。


心構えその2.一つの文における主語を意識する。

国語であろうが英語であろうが、あるいはどんな言語であっても、一つの文の主人公つまり主語をしっかりと認識していないと、話の筋がちんぷんかんぷんになってしまうことがよくあります。

英語は一つのセンテンスの冒頭に主語が存在しますので(例外はありますよ!)誰が、ということに関しては迷いにくいですが、日本語の場合は主語が省略される場合がとても多いです。

古典を勉強している人ならよくわかるはずですね。古代日本人の主語の省略っぷりといったら驚くべきものです。

現代の日本語では、かつてほどではありませんが、それでもよく主語が省略されます。

誰が、何を、いつ、どこで、どうした。

小学校2年生で習うことですが、結局のところ大切なのはこれなのです。

難解な文章であればあるほど、誰が、何を、どうした、を意識して読んでいかなければ内容が全く頭に入ってきません。

特に重要なのは主語です。誰が、という部分を読み誤ると、後々の話が全く別のものになってしまいます。

文章を読むときは常に主語を意識してください。読みかえして主語は誰か探してもいいんです。

「これは誰がやっていることなんだ?」「これは誰の(何の)考え方なんだ?」

このように主語を意識しながら読んでいくと、自然と分析的に文章が読めるようになるはずです。

焦るのは禁物。必ず主語を意識して問題を解いていってください。


心構えその3.論説文には作者の主張が存在する。

小説よりも苦手意識のある生徒が多いのが、いわゆる論説文です。

特に自分がよく知らない、あるいは興味のないことが書かれている論説文は読むのが苦痛に思えるかもしれません。

先述したとおり、文章を読んでどう思ったかというのは国語の試験においてなんの関係もありません。

嫌いなら嫌いのままでもいいんです。

しかし、その文章において作者は一体何を言いたいのか、ということには注意を払ってください。

わけのわからないテーマで長々と書いてある文章。

この作者はなぜこんな文章を書いているのだろう。そう思ったことはありませんか。

結局のところ、長々と文章を書いてある理由は、自分の主張に説得力を持たせるためです。

一つの主張に対して説得力を持たせるためだけに、ああいう小難しいことを書くわけです。

大学入試までいくと、論理的に自分の主張を証明しようとしていることも多いので、当然文章は難解です。

ですが、問題を出題した人もよく考えていて、基本的に試験に載っている文章は主張が一つとそれを証明または解説する文章でワンセットになっています。

たいていの場合、何かの書籍から文章を引用しているのですが、うまいことワンセットで完結するような部分が引っぱってきてあるのです。

(つまり、もとの本では全く異なる主張となっていることも考えられます。)

そして、本文にたいする設問では作者の主張というものがキーワードになってきます。

たいていの場合、ずばり作者の主張を問うものと、その主張を裏付ける論法や例え話から問題が作られます。

まず作者の主張を意識するという心構えを持ってください。


終わりに

ここで三つ挙げた心構えは、もしかしたらよくご存じの方もいるかもしれません。

しかし、知っているよ!という方でももう一度初心に帰るつもりで、これらの心構えを意識して問題に取り組んでみてください。

国語・現代文は、明確に解き方というものがある試験です。

それをマスターしてより高い点数を望む場合にも、前提となるのはここに挙げた3点なのです。

もし知らなかったという方は今!覚えてください。

必ず国語の問題の見え方が変わってくるはずです。


このブログを書いた先生

国語のオンライン家庭教師一覧

国語のブログ

現代文のキーワード ①「身体」は踊る💃

はじめまして。高校国語を教えています島田です。今年の共通テストの評論では、「『ともに踊る』身体」などという表現がでてきましたが、この表現に含まれているニュアンスはわかりますでしょうか??身体というと、単純にからだ、人体、というものが辞書的な意味ですが、現代文のなかで出てくる「身体」はすこし違うイメージを持ちます。それは、「踊ってしまうもの」だということです。もっと細かく言うと、普段人間は、理性や精神といった知性でものごとを考え、行動しています。わたしたちは危ないと頭で考えて、横断歩道をわたるときは注意して渡るし、カラスが近くに飛び立ってきたら、もしかしてこの近くに子育ての巣があるかもしれないと...続きを見る
島田の写真
島田オンライン家庭教師
2025/10/10

共通テスト国語で正答率9割を出す方法とは?

高いお月謝を払ってくださっている親御さんにはまことに申し訳ないのですが、共通テストの国語の問題は情報処理問題であって、論理的思考を養うものではありません。お子様は情報処理技術を磨いています。いや、文科省の学習指導要領をある見方で解釈すれば論理的思考力を養っていると言うことができるのかもしれません。しかし、私のように、毎日共通テストの過去問を解き、さまざまな大学の過去問も解き、なんなら東大の国語の過去問も解いている者からすれば、共通テストは情報処理問題です。やや具体的には、共通テストの問題文とは、まったく興味の持てない商品の商品説明パンフレットです。設問は、どこに何が書かれているのかを正確に読み...続きを見る
人見の写真
人見オンライン家庭教師
2025/9/5

【高1、2生】現代文は1週間に“1題”を本気で解読せよ。

みなさんこんにちは!講師の富岡です◎私は大学入試のいろいろな科目を指導していますが、本職(?)は国語です。教員免許も国語で取得しています。色々と謎深き国語の中でも、現代文は多くの人が勉強の仕方に悩む科目だと感じています。そこで、今回は高1、2生のあなたが、現代文をどのように勉強するかについてお話ししたいと思います。①そもそも現代文とは?まず、現代文についての認識をここで目線合わせしておきたいと思います。以下は、東京大学が求める国語の力です。この考えに私もかなり近いので、ちょっと長いですが引用してみます。国語の入試問題は,「自国の歴史や文化に深い理解を示す」人材の育成という東京大学の教育理念に基...続きを見る
富岡の写真
富岡オンライン家庭教師
2025/8/16

夏だ!記述だ!

こんにちは、講師のニシオカです。夏休みに入っている人も多いと思います。さぁ、夏休みこそ、普段できない勉強にも励むときです!!大学受験で記述解答が課されるみなさん、対策は始めているでしょうか。求められる作業を見抜き、実際に記述していくのは、きちんとした勉強のルートが必要です。ただたくさんの問題を解くのではなく、効果的に力をつけて行きましょう!毎年多くの受験生に受講してもらっているコースがあります。国立難関大、有名私大をはじめ、過去問にも対応していますので、まだ高1,2の人も志望大学の問題にチャレンジするよい機会ですよ!〔現代文〕記述でしっかり得点!講座 | 現代文 | オンライン家庭教師マナリン...続きを見る
ニシオカの写真
ニシオカオンライン家庭教師
2025/7/24

あなたは本当に“対比”を理解していますか…?

みなさんこんにちは!講師の富岡です◎今回は、国語の中でも重要な“対比”について述べていきたいと思います。ところでみなさん“対比”はご存知ですか?「何だよ、そんなん知ってるよ〜」という人、本当ですか??もし、次のように“対比”を捉えている人は、本当の意味での“対比”をご存知ないということです。「対比は、AとBが反対。」まあもちろん、間違っている、まではいきません。ですが、次の3つの要素が考えられていますか?①対比は共通を土台にしている。②筆者はどちらに軸足を置いているのか。③AとBよりも「AとAでない」の比較。①対比は共通を土台にしている。例を挙げてみましょう。「このお店のカレーは、あのお店のカ...続きを見る
富岡の写真
富岡オンライン家庭教師
2025/7/23

【指導論】令和7年度の全国学力・学習状況調査の結果から思いついたこと

先日、令和7年度の全国学力・学習状況調査の結果が発表されました。国語の講師として気になったのはやはり中学校の国語の平均正答率で記述式は25.6%と、3割を下回ったこと。記述式の中でも、物語に関して「自分の考えとそのように考えた理由」を書く問題では、無解答率が27.7%にもなったこと。記述力の問題が深刻だとあっちこっちで言われています。私も今年は中学生の生徒がたくさんいるのでこのニュースを聞いて震えました。そして思い当たることも・・・。だけど逆に考えればこの世代の子たちが今から記述対策をしっかりすれば3年後の大学受験で有利になるのでは?と思うようにもなりました。むしろ調査よ、ありがとう!という気...続きを見る
柴山の写真
柴山オンライン家庭教師
2025/7/22

この先生の他のブログ

岩本の写真

リスニングの勉強をどうするか

2020/11/14
日本人にとって英語のリスニングは鬼門と言えるでしょう。なぜなら身の回りで話されている言語の99%が日本語だからです。単一民族である日本人が日本にいながら、英語のリスニングの力を鍛えるのは至難の業と言えます。ですが2021年に実施される大学入試共通テストのように、これからリスニングの力はその重要性を増...
続きを読む
岩本の写真

共通テストで何が変わるのか。その勉強法とは。

2020/11/5
2021年から大学入試センター試験に代わり、新たな試験である大学入学共通テストが始まります。英語の試験に関しては、従来のセンター試験と比べて非常に大きな変化があります。今回は具体的な変更点と、有効な勉強法について解説していきます。(この記事は2020年11月の情報に基づいているため、2度に渡って実施...
続きを読む
岩本の写真

子連れ家庭教師として、保護者の方に伝えたい「待つ」という愛情

2020/11/4
私も一人の親として、保護者の方、特に小学生または中学生の子供をお持ちの方にぜひ伝えたいことがあります。それはお子さんを「待つ」ということ。お子さんの成長や発達を辛抱するということは、勇気のいることだと私も実感していますが、保護者さんにも改めてお伝えしたいと思います。「待つ」とはお子さんを尊重すること...
続きを読む