#4 英語学習の道具たち~辞書編①辞書を引くメリットとは~
ここまで「参考書」「問題集」という英語学習に欠かせない道具についてお話してきました。これらは英語学習者にとっては最も身近なツールだと言えるでしょう。
今回は「辞書」について考えていきたいと思います。これは、英語学習者で有効に活用できている人がとても少ない道具なのです。
「分からない単語が出てきたら辞書を引く」みなさんは、この当たり前のことを実践できているでしょうか?いや、その前に「そもそも辞書は持っていますか」と問いかけるべきかもしれません。今の参考書・問題集は至れり尽くせりなので、難しい単語には語注という形で意味を載せているものが多いです。なので、分からない単語は辞書を引かずに語注を見て済ます、こういう英語学習者はとても多いのです。実に困ったことですが…
この調べ方の問題点はいろいろとあるのですが、一番大きいのは「語が含み持つ意味の豊かな広がり」を知らずに終わってしまう、ということでしょう。
よく言われるように、英語では(日本語でも同じだと思うのですが)基本語ほど様々な意味を表す傾向があります。
This newspaper is free.
freeに「自由な」という意味があることしか知らない人は、これを「この新聞は自由だ」と訳して「?」となります。そこで語注を見ると「無料の」という意味が書いてある。へー、freeにはそんな意味があるんだ、と思うだけで終わりです。
それから数ヶ月して、今度は
a fat-free yoghurt
という英語を見て、「脂肪の自由なヨーグルト」と訳して再び「?」となる。freeの語注を見ると「~がない」と書いてある。へー、freeにはそんな意味があるんだ、とその場では一応納得する。(正しい訳は「無脂肪ヨーグルト」。)
という具合に、辞書を引かずに語注だけで済ましてしまう勉強法だと、freeが持っている豊かな意味が全部ブツ切りで頭に入って来るだけなんですね。だから当然意味と意味の間にある関係性にも気付けないし、意味が記憶に定着しないし、なによりそんな行き当たりばったりの単語学習が面白いはずはありません。
本当に英語が出来るようになりたかったら、億劫がらずに辞書を引くことです(たった数分を辞書を調べることに使うだけで英語力が上がるなら儲けものではありませんか?)。
「今日本で出版されている英和辞書は世界的に見ても最高レベルの質の英語辞書である」と、ある日本の言語学者が言ったことがありますが、私もその通りだと思います。これほど質の高いツールを使わない理由はありません。
試しに『アクシスジーニアス英和辞典』でfreeを引いてみると、「①自由な、拘束されていない」という意味が根本にあって、そこから「②暇な」「③無料の」「④~がない」などの意味が生まれていることが分かりやすく図示されています。ここで自分の頭を使って考えれば、きっと、②は「仕事から自由」、③は「経済的負担から自由」、④は「不快なものから自由」ということに気付けるでしょう。そのようにして、freeの根本の意味を捉えた上でそれを文脈に応じて柔軟に活用する姿勢こそが、豊かな単語力を身に付けるには欠かせないのです。
辞書を引くことのメリットはまだあります。辞書には意味ごとに実にたくさんの例文が載っています。これを読むことで、単語の使われる状況や、どのような語と一緒に使われやすいのかという情報にも、分かりやすい形で接することができるのです。
「辞書は意味(日本語訳)を調べるだけで終わり」というのはあまりにもったいない。もちろん最初から辞書に含まれている豊かな情報を全て掬い取れるわけではありません。辞書を上手に使えるようになるにもやはり「慣れ」が必要です。英語学習の際には常に座右に置き、分からない単語をその都度調べて少しずつ辞書を引くことに慣れてきて、小口が手垢で汚れてくる頃には、その辞書は英語学習で手放すことのできない「相棒」となっていることでしょう!
今回は「辞書を引くメリット」についてお話ししました。次回は「どの英和辞典を使えばいいのか」ということを考えていきます。
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