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#6 英語学習の道具たち~辞書編③紙の辞書と電子辞書のどっちがいいの?~

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2021/4/30

辞書編の締めくくりに、英語学習者は紙の辞書と電子辞書のどちらを使うべきかという問題を取り上げます。

結論から言うと、学習効果を考えた場合は、紙の辞書に軍配が上がります。理由は3つあります。

理由の1つは、ある実験の結果です(この実験は数年前の大学入試の長文に出ていました)。その実験では、紙媒体で学習したグループと電子媒体で学習したグループを比較したところ、紙媒体で学習したグループの方が成績が良かったという結果が出たそうです。これを辞書に当てはめると、紙の辞書を使った方が学習効果がより高いことが推測できます。

もう1つの理由は、紙の辞書の情報表示範囲の圧倒的な広さです。電子辞書は画面が小さいため、一度に表示できる情報量がどうしても少なくなります。「画面を下にスクロールすればいいだけのことじゃないか」と思われるかもしれませんが、特に英語が苦手な人の場合、どうしても最初に画面に出てきた意味を採用してしまうのです。本当は複数ある語義の中から自分の求めるものを探し求めるべきなのですが、画面の小ささはその障害となります。もちろん、そもそも語義が1つしかない単語(たとえばelephant)を調べるのであれば画面が小さくても問題ありません。ですが、実際に受験生が調べる単語のほとんどは複数の語義を持っています。電子辞書の小さな画面を何回もスクロールして求める語義にたどり着くのは、英語のプロでも骨の折れる作業です。紙の辞書なら1ページの情報量が電子辞書の画面1ページの情報量とは比べ物になりません。その視野の広さを活かして、素早く複数の語義を見比べて自分の求める語義にたどり着くことができます。

住宅街の道に立っている人には、自分の周りの狭い範囲しか見えません。しかし空を飛ぶ鳥には、地上の広い範囲の様子が見え、自分の目指す対象をすぐに見付けられます。電子辞書と紙の辞書の視野の違いはそのようにイメージすると分かりやすいと思います。

もちろん携帯性では電子辞書が圧倒的に勝っているので、家の外で勉強する時は電子辞書で全く問題ありません。

紙の辞書が良いと思う最後の理由は、バラエティの豊かさです。ブログ#5でお話ししたように、自分に適した辞書を選べる選択肢が紙の辞書の場合はとても豊富なのです。電子辞書に搭載されている辞書の種類は一昔前よりは豊富になってきていると思いますが、それでもあなたにふさわしい辞書が搭載されているかどうか分かりません。というよりも、電子辞書では自分で選んだわけではない辞書を強制的に使わされることになるのがふつうだと思います。それはやはり効果的な学習からは程遠いのです。

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辞書を引く回数に比例して語学力は伸びる」とは昔からよく言われることです。世界一質が高いとも言われる日本の英和辞典を上手に活用すれば、英語力が上がらないはずはありません。

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