#12 授業では習わない「記号」のお話~コロン編~
2021/5/3
コロンの主な使い方は「具体的な説明の提示」です。
We make three kinds of dairy products: cheese, butter and yoghurt.「私たちは乳製品を3種類作っています。チーズとバターとヨーグルトです」
three kinds of dairy products「3種類の乳製品」は抽象的な表現ですね。それを具体的に表現することを合図するのがコロンの役割です。つまりコロンは「これから具体的表現・具体例を出しますよ」と教えてくれているのです。
このコロンの使い方を知っておくと、長文を読む時に役に立ちます。
I keep some animals: one squirrel and two hares.
コロンの右のsquirrelとhareを知らなかったとします。コロンは具体化の合図なので、squirrelもhareもanimalの具体例のはずです。つまりそれらの語が「動物の一種」を表しているということまでは推測できるのです。(squirrelは「リス」、hareは「ウサギ」。)
At the zoo I watched some apes: monkeys, chimpanzees and gorillas.
今度はコロンの左のapeを知らなかったとします。コロンが使われているので、monkeyもchimpanzeeもgorillaも全部apeの具体例のはずなのです。「猿・チンパンジー・ゴリラが具体例になるような抽象語とは何だろう」と考えて、「類人猿」がひらめけば上出来です。
抽象度の違いはあっても、「A:B」では「A=B」が成り立つということを知っておくと、このように知らない単語を推測できることがあります。前回のブログで扱った「セミコロン」と対比させると、
「A:B」は「A=B」
「A;B」は「A≠B」
と簡潔にまとめることができます。
今見てきたのはコロンの後ろに「具体例」が来る例でした。もう1つ、それとは違うコロンの例を見てみましょう。違うとは言っても、「具体的な説明の提示」というコロンの基本的な役割は変わっていません。
Greg is absent from school today: he is sick in bed.
今度は「抽象:具体」というさっきのパターンとは違います。コロンの左では「グレッグは今日学校を休んでいる」と言っています。コロンの右では「彼は病気で寝ている」と言っています。コロンの右には「具体的な説明」が来ていると考えてください。グレッグが学校を休んでいることへの「具体的な説明」とは、常識的に考えて「学校を休んでいる理由の説明」のはずです。日本語に訳すのであれば、
「グレッグは今日学校を休んでいる。病気で寝ているんだ」
で十分です。
ちなみに、次のように書いても今のコロンの例文と同じことを言っています。
Greg is absent from school today. He is sick in bed.
Greg is absent from school today because he is sick in bed.
前回のブログで「セミコロン」を説明した時にも書きましたが、英作文では今見てきたようなコロンを使う必要は全くありません。セミコロンもコロンも、ネィティブスピーカーでもちゃんと使えない人は結構います。
前回の「セミコロン」と今回の「コロン」は長文で時々出てくるので、それらの役割を正しく知って読解に活かしましょう!
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