#15 授業では習わない「記号」のお話~ダッシュ編~
2021/5/6
今回は「ダッシュ」(―)の使い方を見ていきましょう。
①挿入を示す
文の流れを一旦区切って補足情報などを導入する時に使います。2つのダッシュで挿入箇所が示されます。
Two of us ― Alfred and Ellen ― got lost.「私たちのうちの2人―アルフレッドとエレン―は道に迷ってしまった」
Two of us「私たちのうちの2人」を具体的に言い換える(イコール関係を表す)ために2つのダッシュが使われています。この場合の2つのダッシュはコンマに交換しても同じ意味になります。☞ブログ#10の「③同格関係を示す」
Two of us, Alfred and Ellen, got lost.
ダッシュの左と右がイコール関係にならない場合もあります。
I don’t know when ― and how ― he learned about it.「いつ―そしてどのようにして―彼がそれについて知ったのか分からない」
whenとand howがイコール関係というわけではありません。ここでは、whenという疑問詞にもう1つ別の疑問詞howが追加されています。イコール関係が「A=A'」というイメージなら、追加の関係は「A+B」というイメージです。ダッシュを使わずに次のように書いてもほぼ同じ意味です。
I don’t know when and how he learned about it.
②強調を示す
文末にダッシュを用いて表現を強調することがあります。
They were impressed by her beauty, her intelligence ― and her personality.「彼らは、彼女の美しさと、彼女の知性と―そしてなにより彼女の人柄に感銘を受けた」
日常会話でも、一番強調して言いたいことの前に少し間を置くことはありませんか?それと同じような効果がここのダッシュにはあると考えると分かりやすいと思います。
They were impressed by her beauty, her intelligence and her personality.
ダッシュを使わずにこのように書くと、最後のher personalityは強調されず、3つの名詞(her beauty, her intelligence and her personality)は全て対等な関係となります。
* * *
これで英文で使われる記号の説明は一旦おしまいになります。今後英文を読む時に、ここで紹介した記号の知識をぜひ使ってみてくださいね!
次回は、記号の話の番外編として、日常よく見かける記号をご紹介します。
この先生の他のブログ
じゃあ次の大問に行こう。同じく学習院の問題だ。⑴は少し難しい。文頭の否定の副詞littleについて知っているかどうかが問われている。Little did I dream that I would meet you here.「ここであなたに会うなんて夢にも思わなかった」まずこのlittl...
今回は学習院大学の文法問題を見ていこう。熟語の知識もけっこう問われているので、知らなかった熟語は貪欲に覚えていこうね。まず⑴だけど、これは不定代名詞についての問題だ。選択肢のalmost, any, most, muchは、中学生でも知っているような単語だけど、これらの品詞や語法について正確に知って...
全国から多くの受験生が合格祈願に訪れる太宰府天満宮は、梅の名所としても有名です🌸歴史上の人物である菅原道真が、なぜここで「学問の神様」として祀られているのか、また太宰府天満宮のそこここになぜ梅のマークが見られるのか、その理由を読んでみましょう。 Flying apricot &...
早いものでもうクリスマスの時期となりました。今回は、サンタクロースについての記事を読んでみましょう。そもそもクリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日ですが(☞ブログ#103㉕)、「サンタクロース」はそれと何の関係があるのでしょうか?あまりにも当たり前で、だれも疑問に思わないクリスマスとサンタクロー...