オンライン家庭教師マナリンク
英語

#29 Father’s Day~父の日~

2021/6/20

今日、6月の第3日曜日は父の日(Father’s Day)ですね。母の日は20世紀初頭のアメリカが発祥の地でしたが、父の日はどうなのでしょうか?大学入試標準レベルの英文ですが、読めそうな人はぜひチャレンジしてください。

* * *

Father's Day is a holiday celebrated in many countries throughout the world to honor fathers. The holiday originated in the United States, where it is held on the third Sunday in June. Many other countries also celebrate the holiday on this date, while some mark the observance at other times of the year.

celebrate「祝う」。honor「敬意を払う」。「父の日は、父親に敬意を払うために世界中の多くの国で祝う祝日である

hold「祝う」。のcelebrateと同じ意味で使われています。英語ではこのように、違う単語を使って同じ意味を表すことがよくあります。なぜだと思いますか?わざわざ違う単語を使わずに、同じ意味なら同じ単語を使えばいいのに、と思う人もいるかもしれません。日本人の書く文章では、同じ単語が何度も使われることは珍しくありませんし、私たちもそれについて特に何も感じないと思います。しかし英語を使う人は違います。同じ単語を何回も使っていると、読者から「この筆者は語彙力が乏しい」と思われてしまうのです!だから英文を書く人は、同じことを言うのにわざと違う単語を使いたがるのですね。私たち日本人はその点に注意して英文を読まなくてはいけません。その祝日はアメリカが起源であり、そこでは6月の第3日曜日に祝う

whileは「対照」を表す。whileの表す「時」「譲歩」「対照」について怪しい人は辞書で確認を。mark the observance「そのお祝いをする」。のcelebrate、のholdと同じ意味です。ここでも同じ意味を違う表現で表していることに留意してください。「この日付にその祝日を祝う国は他にも多くあるが、一方で一年の他の時期に祝う国もある

Although it was originally largely a religious holiday, Father's Day has been commercialized, with sons and daughters often giving their fathers cards and gifts. Some observe the custom of wearing a red rose to indicate that one's father is living or a white rose to indicate that he is deceased.

itは後ろのFather’s Dayを指す。withはいわゆる「付帯状況のwith」。「父の日の商業化」とは、祭日の宗教的意味合いが薄れて経済活動に組み込まれてしまうこと。日本でのバレンタインデー(St. Valentine’s Day)の凄まじいチョコレート商戦(市場規模は1,000億円以上!)などが好例。「父の日は元々は基本的に祭日であったが、今では商業化されてしまっていて、息子や娘が父親にカートや贈り物を贈ることがよくある

observe「従う」。deceased「死んでいる」はdeadよりも堅い単語。ここの記述は、ブログ#17で見た、母の日に身に付けるカーネーションの色の記述と対比的。「自分の父親が生きていることを示すために赤いバラを身に付けたり、自分の父親が亡くなっていることを示すために白いバラを身に付けたりする慣習に従う人もいる

Father's Day originated with Sonora S. Dodd of Spokane, Washington. Her father raised her and her five siblings after their mother died in childbirth. Dodd is said to have had the idea to honor fathers in 1909 while listening to a sermon on Mother's Day, which at the time was becoming established as a holiday. Local religious leaders supported her idea, and the first Father's Day was celebrated on June 19, 1910. (June was picked in honor of Dodd's father, who was born in that month.) In 1924 President Coolidge gave his support to the observance, and in 1966 President Johnson officially proclaimed it a national holiday. In 1972 the holiday was moved to the third Sunday of June.

Sonora S. Doddは人名。Spokane, Washingtonは「ワシントン州のスポーカンという都市」。日本語では、たとえば「石川県金沢市」のように、「大きな自治体名→小さな自治体名」の順序で言いますが、英語では逆に小さい方から言います。たとえば、「カリフォルニア州ロサンゼルス」ならLos Angles, Californiaのように言います。「父の日は、ワシントン州スポーカンのソノラ・S・ドッドが始めたものだ

raise「育てる」。siblingは男女の区別をしないで「兄弟姉妹」を指す語。「母親がお産で死んだ後、父親はドッドと他の5人の兄弟を育てた

while (she was) listeningの省略。sermon「教会での説教」。「1909年のこと、ドッドは母の日(その当時祝日として定着しつつあった)に教会で説教を聞いていた時に、世の中の父親たちに敬意を払うことを思い付いたと言われている

地元の宗教的指導者たちは彼女の考えを支持し、1910年6月10日に最初の父の日のお祝いが行なわれた

pick「選ぶ」。「6月が選ばれたのはドッドの父親を祝してのことである。彼が生まれたのがその月だったのだ

proclaim「宣言する」。「1924年にはクーリッジ大統領が父の日のお祝いに賛同の意を示し、1966年にはジョンソン大統領が父の日が国民の祝日であることを正式に宣言した

1972年に、その祝日は6月の第3日曜日に移動した

このブログを書いた先生

英語のオンライン家庭教師一覧

英語のブログ

【高校英語】中学英語との違いで80%がつまずく原因と大学受験に勝つ本質的勉強法

高校英語でつまずく80%の生徒が知らない「本質的理解」の重要性なぜ中学まで取れていた点数が高校で取れなくなるのか中学英語では良い点数が取れていたのに、高校に入ってから急に英語が分からなくなった――そんな経験をしている高校生は決して少なくありません。実際、全体の8割以上の生徒が、高校英語への移行期に大きな困難を感じていると言われています。この問題は、決してあなたの能力や努力不足が原因ではありません。中学英語と高校英語では、求められる学習アプローチが根本的に異なるのです。中学英語で「成功」できた理由中学までの英語学習範囲は、高校英語と比べると非常に限定的です。中学3年間で学ぶ単語数は約1,000語...続きを見る
上谷の写真
上谷オンライン家庭教師
2025/10/31

ハロウィンにぴったりの英語の絵本 THE GREEN RIBBON

今日はハロウィンですね。以前勤務していた学校では生徒さんたちがお菓子をお友だちと交換したり、休み時間にちょっとコスプレを楽しんだりとちょっとしたイベントデーでした。進路で緊張した日々を少しだけ気分転換したいという気持ちがどの学年にもあり、学校が明るい気分になる日でした。ハロウィンの発祥は、2000年以上も前。現在のアイルランドなどに住んでいた古代ケルト人の祭礼とキリスト教が結びつき、その宗教的な祈りの儀式がアメリカを中心に仮装する楽しいお祭りに変ったといわれています。10年くらい前の中学校の教科書や問題集にはハロウィンがトピックスとして取り上げられていました。教科書や共通テストの内容はその時代...続きを見る
平岡の写真
平岡オンライン家庭教師
2025/10/31

英単語学習:「その書き取り,本当に意味ある?英単語『書くだけ学習』の落とし穴」

書いて覚える方法は,昔から多くの学習者に親しまれてきた語彙学習法のひとつです。手を動かして書くという行為を通じて記憶を強化する効果がある一方で,近年では「効率面」や「長期的な定着」の観点から見直しの声も上がっています。ここでは,そのメリット・デメリットを整理し,より効果的に活用するためのポイントを詳しく解説します。【書いて覚える方法のメリット】・運動記憶を活用できる 単語を手で書く行為は,脳の運動野を刺激し,いわゆる「手の記憶」として残りやすくなります。特にスペルの細かい違い(例:effect と affect など)を区別して覚える際に効果的です。・学習の可視化ができる 書いたノートがそのま...続きを見る
さくらいの写真
さくらいオンライン家庭教師
2025/10/30

🍅Tomato Timer and Productive Procrastination

勉強や仕事にやる気が起こらず、つい避けてしまうことはありませんか?多くの人が直面する問題は、集中力が長時間続かないことです。トマトタイマーで集中!トマトタイマーは「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる時間管理法の一種です。(イタリア語で「Pomodoro=トマト」)基本のルールはとてもシンプル:25分間、1つの作業に集中する5分間、短い休憩をとるこれを 何回か繰り返したら、15~30分の長めの休憩 を取ります。短い集中と休憩を繰り返し、時々長めに休むことで、脳がしっかりリフレッシュされ、作業へのハードルが下がります。集中力がある場合は、50分集中+10分休憩にするとちょうど1時間のサイクルとなり...続きを見る
ユミコの写真
ユミコオンライン家庭教師
2025/10/29

中間試験の結果を分析して、期末試験の計画を一緒に立ててみませんか?

この度は「中学英語【英単語と英文法の基礎】:冬休みに苦手を克服!」の講座をご検討いただきましてありがとうございます。英語は暗記ではない、英語がわかって、読めるなどの成功体験を増やし、やる気を引き出せるように努力してまいります。さて2学期はとても大切な時期です。こちらの講座をお問い合わせくださった方限定で英語の中間試験の結果の分析と期末試験に向けた学習計画を作成いたします。中間試験が終わりました。中間試験は「平均点を低く」設定し、学年の引き締めを行う傾向があります。もしも結果が「平均点以下」で不安な気持ちをお持ちでも、ここからの過ごし方で期末の結果は大きく変わります。一ヶ月後に期末試験です。お問...続きを見る
平岡の写真
平岡オンライン家庭教師
2025/10/29

受験だけじゃない!英語が“使える力”になる学習法とは

英語は「教科」じゃない。「使える力」に変える学び方とは?こんにちは!今回は「英語」をテーマに、マナリンクをご覧の皆さんに向けて、英語学習のヒントや考え方をお伝えしたいと思います。なぜ英語を学ぶのか?目的を明確にしよう「英語は将来必要だから」「受験に必要だから」——これは多くの生徒さんが英語を学ぶ理由として挙げるものです。でも、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。将来、海外で働きたいから?外国人の友達と話したいから?英語の映画や音楽を字幕なしで楽しみたいから?目的が明確になると、学習のモチベーションがぐっと上がります。英語は「点を取るための教科」ではなく、「世界とつながるためのツール」なのです。...続きを見る
上原の写真
上原オンライン家庭教師
2025/10/22

この先生の他のブログ

たけるの写真

#160 伊東先生の英文解釈教室➆

2025/6/29
今回の英文解釈問題は、それほど難しいというわけじゃないけど、しかし高得点を取れる答案を書くのはそれほど簡単なことじゃない。授業の解説を聞いて、自分の答案のどこがまずかったかを自己チェックしてほしい。いつも言っていることだけど、英文解釈のアルファにしてオメガは、文の構造を正しく捉えること。大きく言うと...
続きを読む
たけるの写真

#159 英語のジョーク➅

2025/5/23
古典的手法?A basic principle for door-to-door salesmen is: after you knock and the lady comes to the door, you ask, “Miss, is your mother in?”戸別訪問販売員の基本原則。...
続きを読む
たけるの写真

#158 母の日の起源とカーネーション

2025/5/11
5月の第2日曜日は「母の日」です。母の日はいつどこで始まったのか、そしてなぜこの日にカーネーションを母親に贈ることになっているのか、それについて述べた英文を読んでみましょう。*     *     *➀Mother's Day is a holiday celebrated in many coun...
続きを読む
たけるの写真

#157 英語と写真でバーチャルツアー㉑~福島・須賀川牡丹園~

2025/5/1
道を歩けば様々な花が目に留まる今日この頃ですが、今回は、5月に見頃を迎える牡丹が290種・7,000株も植えられている、福島県の「須賀川牡丹園」を訪れます。(動画はコチラ🌺)Drinking in the charm of the "King of a Hundred Flowers" at the...
続きを読む