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英語

#68 伊東先生の英作文教室①

2022/4/1

  

さて今日は、「~がある(いる)」という存在を表す英語表現がテーマの英作文だよ。

①はちょっと長めの文だけど、読点(、)の前後で2つの文に分けることができる。

前半は、「AにBがある」という骨格の文。これは簡単だ。ただしThere is構文を使っていいのかどうか、そこは注意しないといけない。

後半は、「AはBする」という骨格の文。こっちも基本的な英作文力があればそれほど難しくはないはず。

では前半から訳すよ。さっき言ったように、これをThere is構文を使って書くと

There is my parents’ house in a small town near Sendai

ただしこれは間違った英語だということに気付けたかな?英文法で習っているはずだけど、There is構文のSには「特定化された名詞」は置けないんだ。この英訳ではSのhouseにmy parents’という所有格が付いてしまっている。つまり特定化されてしまっている。だから間違いなんだ。

たとえば「机の上に本がある」なら

There is a book on the desk.

でOK。aは「不特定」の印だからね。

でも、「机の上に彼女の本がある」を

There is her book on the desk.

は間違い。所有格のherが付いてbookが特定化されているからね。ではどう言えばいいのかというと、

Her book is on the desk.

のように言います。

問題文も同じように考えて、

My parents’ house is in a small town near Sendai

と書けばいいよ。細かいことを言うと、ここのa small townをthe small townと書く人がいるんだけど、それは不適切。theを付けると、まるで仙台の近くにある小さな町は1つしかないと決めつけている感じがする。僕は基本的には、冠詞の使い分けについては受験生はあまり神経質にならなくていいと思っているんだけどね。もちろん基本的な使い分けは知っていてほしいけど。仮にここでthe small townと書いたところで、受験本番でも大きく減点されることは絶対にない。ちょっとは減点されるとは思うけどね。

もう1つ別解として、こう書いてもいいね。「仙台の近くの小さな町に私の両親の家がある」ということは、つまり「私の両親は仙台の近くの小さな町に住んでいる」ということだよね。だから

My parents live in a small town near Sendai

と書いても何も問題ないよ。これは完全に中学英語レベルの英文だ。しかも原文の内容は何も損なわれていないから、当然減点されない。

では後半。「毎年夏になると」はevery summerで十分。

「私たち夫婦」はなかなか訳しづらいけど、和英辞典を引くとour coupleという表現が載っている。自分の知らない表現を和英辞典で調べることはいいことなんだけど、ただそれが英作文の勉強の中心になってしまうと、英作文の得点力はあまり伸びないんだ。なぜかと言うと、「分からない表現は和英辞典を引いて覚える」という勉強しかしていないと、辞書の使えない試験ではお手上げになるからだ。普段の勉強でも、まずは辞書を引かずに自分の頭を捻って何とか英訳できないかと努力することが大切なんだ。だからここでは敢えて辞書を引かないと分からないour coupleではなく、頭を使って手持ちの知識で表現することにしよう。「私たち夫婦」とは、「自分の夫あるいは妻と私」ということだよね。だからmy husband [wife] and Iと表現すればいい。

「1週間ほど」はabout a week

「泊まりに行く」は直訳すればgo to stayだけど、go and stayでもいいし、goを省略してstayだけでもいい。ただし気を付けてほしいのは、一体「どこ」に泊まりに行くのかを英語では表現しないといけないということだ。日本語はその意味ではいい加減(?)な言語で、文脈から分かることはバンバン省略されちゃうんだけど、英語ではここはちゃんとthere「そこに」を付けないといけない。

My parents’ house is in a small town near Sendai and my hudband [wife] and I (go and [to]) stay there about a week every summer.

特に英作文が苦手な人は、1文が長いと書きにくいと思うので、前半と後半を別々の文にして書いてもいいよ。

My parents’ house is in a small town near Sendai. My husband [wife] and I (go and [to]) stay there about a week every summer.

では②に行こう。

また「~があって」という存在の表現が出てきた。「有名な寺」をa famous templeと訳すかthe famous templeと訳すかで、「There is構文」を使うかどうかが決まるんだね。

冠詞の使い分けの基準は、「聞き手がその物をすでに知っているかどうか」だ。この文章の「聞き手」はもちろん僕たち「読者」のことだけど、この文を読んでいる時点では僕たちはこの「有名な寺」を前もって知っているわけではないよね。だから不定冠詞のaを使う。

ということで、「有名な寺」はa famous templeと訳すことが分かったので、「There is構文」を使うことになるよ。前半は

There is a famous temple in this town

と書く。まあ本当はこの「有名な寺」が「1つ(単数)」なのか「2つ以上(複数)」なのかも検討しなくちゃいけないんだけど、常識的には「1つ(単数)」と考えていいんじゃないかな。もちろん「2つ以上(複数)」の可能性を完全に排除するのは、この問題文からだけではできないので、仮にfamous templesと複数形で書いても減点されないとは思うけれど。

さて後半。直訳すると

tourists who visit it are many throughout the year

となると思うけど、この英文は相当不自然。間違いとは言えないけど、自然な言い方ではない。

there are many tourists who visit it throughout the year

の方が自然だ。でももっと簡単に言えるよ。

many tourists visit it throughout the year

で十分。throughout the yearが思い付かないなら、「1年を通して」→「いつも、常に」と言い換えて、

many tourists always visit it

でもいいよ。さすがにthroughout the yearとalwaysは完全にイコールとは言えないから、この英訳だと多少は減点されるだろうけど。でも、こういうふうに「自分に英訳できないところを何とか工夫して表現する姿勢」こそが、英作文の学習ではとても大切なんだ。

touristを思い付けなかったりスペリングに自信が無かったりした場合は、「観光客」→「人々」と言い換えて、

many people always visit it

と書いて切り抜けるのもアリだ。僕の感覚だと、

many tourists visit it throughout the year

を満点とすると、これを簡略化した

many people always visit it

は6~7割の得点だろうか。

でもね、いつも言っているように、こういう和文英訳問題はそもそも満点を狙う必要は全くない。というよりも、そんなすごいことのできる受験生はほとんどいないと言うべきかな。英語教師だって、受験生と同じ条件、つまり制限時間がある、辞書も何も調べられないという条件では、完璧な答案を作ることはまず不可能なんだから。手持ちの表現をなんとか活用して原文に近い意味を英語で表現できていれば、どんな大学だって合格ラインは超えるんだし、それこそが受験生が目指すべき英作文力なんだ。これは駿台の伊藤和夫先生も言っていることだけど、受験生が予備校の模範解答レベルの完璧な英作文を書けなければ大学に合格できないとしたら、東大でも京大でも、合格者は定員の1割にも満たないだろうとのことだ。

みんなに配る解答例は、そういう観点から作っているからね。なるべく難しい表現は使わずに、受験生のレベルを逸脱しない範囲で合格ラインを突破している解答例として見てもらいたい。

 

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