#69 不思議な発音記号⑤[ð]
2022/4/2
前回は子音の[θ]を取り上げ、これは日本語には無い音であること、また喉を震わせずに発音される「無声音」であることを見ました。
* * *
英語の子音は、「無声音―有声音」のペアを成している音が多くあります。たとえば、[s]と[z]、[k]と[g]、[p]と[b]は、それぞれ「無声音―有声音」のペアとなっています。つまり、これらのペアの間の違いは、無声音なら発音の時に喉が震えず、有声音なら喉が震えるという点だけであり、発音の際の「口の形」や「舌の位置」は同じということになるわけです。
* * *
有声音[ð]は、無声音[θ]と「口の形」や「舌の位置」は全く一緒で、ただ喉が震えて発音されるという違いがあるだけになります。
[θ]と同じく、[ð]もスペリングではthのところで出てくる発音です。
this
they
のthはまさにこの[ð]の音です。
ちなみに、この発音記号[ð]の名前は「エズ」と言い、英語ではeth(あるいはedh)と書きます。この名称のth自体が[ð]の音でもあるわけです!
この文字は、大昔には英語のアルファベットとして使われていたようです。小文字のdに横棒を付けて作られたとのことです。
この先生の他のブログ
今回は国立大の問題からの出題だよ。いつも言っていることだけど、「和文英訳」とは日本文の語句を一字一句機械的に英語に置き換えていくことではない。まずは日本文の意味を正しくつかんだ上で、英語として通じるように訳さないといけないんだね。じゃあ今日は、詩織さんと麗華さんに自分の答えを黒板に書いてもらおう。具...
Senescent cells<sub style="color: rgb(0, 176, 80);">➀</sub>Makoto Nakanishi, professor at the University of Tokyo’s Institute of Medical Science, lead...
2021年から始まった共通テストも今年で4回目となりました。共通テストの英語リーディングを解いてみました。私は共通テストの英語については、英語の学力試験としてはほとんど評価していません。今の共通テストの英語の問題が、大学入学を志す受験生の英語力を多角的に測るものではなく、ただの「情報探し(宝探し)」...