#73 不思議な発音記号⑥[ʃ]
2022/4/7
前回に引き続いて、不思議な見た目の発音記号で子音を表すものを見ていきましょう。
今回取り上げるのは[ʃ]という無声音の子音です。
なんかsを縦にビヨーンと伸ばしたような見た目の発音記号ですね。専門的にはeshという名前が付いているそうです。eshのshはまさに[ʃ]を表しています!
この音は私たち日本人も簡単に出すことができます。よく「静かにして!」と言いたい時に「シー」と言ったりしますよね。あの息の漏れるような「シー」が[ʃ]の音だと思ってください。
英語のスペリングではshがこの音で発音されます。
shop
fish
のshは[ʃ]の音を表しています。
他にも、stationのtiや、sureのsも[ʃ]の音です。
私たち日本人が注意しなくてはいけないのは、
she
see/sea
の音の区別です。
上のshは[ʃ]の音、下のsは[s]の音なので、同じように発音してはいけないということになります。
日本語の「さ行」の「し」と同じ音で発音してよいのがsheの方です。私たちが普段発している「し」の音は、音声学的には[ʃi]と表記されます。なので私たちにとってはsheの発音はとても簡単なのです。
ただし、see/seaは日本語の「し」のように発音してはいけません。なぜならこれらの単語の最初の子音は[ʃ]ではなくて[s]だからです。
ところで、小学校で「ローマ字」を習った時に、不思議に思ったことはないでしょうか?
さ sa
し shi
す su
せ se
そ so
なんで「し」の時だけはhが入るのだろうって、私はずっと不思議に思っていました。この疑問が解けたのは、英語のスペリングと音の関係を学んだ時でした。
日本語の「さ」「す」「せ」「そ」に含まれる子音は[s]です。そして英語のスペリングのsは[s]の音を表せます。なので、「さ」「す」「せ」「そ」はsa、su、se、so、とローマ字で表記されるわけです。
一方で、日本語の「し」に含まれる子音は[s]ではなく[ʃ]でしたね。英語のスペリングで[ʃ]の音を表すのはshです。だから「し」をローマ字表記する時は、その音を正確に表すためにsiではなくshiと書くわけですね。
一度、ゆっくりと「さ」「し」「す」「せ」「そ」を声に出してみてください。その時に、舌が「し」の時だけ後ろに引っ込むことに意識を集中してください。私たち日本人は「さ行」に含まれる子音は全部同じだと思っていますが、「さ・す・せ・そ」と「し」を発音する時に舌の位置が変わることから分かるように、音声学的には「し」だけは仲間外れ(?)なのです。つまり、私たち日本人は意識しないと[si]という音をついつい日本語の「し[ʃi]」と発音してしまいがちなのです。seeやseaを発音する時は、「さ」「す」「せ」「そ」を発音する時の舌の位置で[s]を発音するように心掛ける必要があります。
* * *
「生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)」をはじめ、日本語にはいくつもの「早口ことば」がありますが、英語にもあるようです。今回扱った[ʃ]と[s]の違いに注意して読まないといけない早口ことばをご紹介!
She sells seashells by the seashore,
The shells she sells are seashells I’m sure.
For if she sells seashells by the seashore,
then I’m sure she sells seashore shells.
彼女は浜辺で海の貝殻を売っているよ
彼女が売っている貝殻は海の貝殻だと思うよ
だって、もし彼女が浜辺で海の貝殻を売っているなら
きっと彼女は浜辺の貝殻を売っているからだよ
この先生の他のブログ
じゃあ次の大問に行こう。同じく学習院の問題だ。⑴は少し難しい。文頭の否定の副詞littleについて知っているかどうかが問われている。Little did I dream that I would meet you here.「ここであなたに会うなんて夢にも思わなかった」まずこのlittl...
今回は学習院大学の文法問題を見ていこう。熟語の知識もけっこう問われているので、知らなかった熟語は貪欲に覚えていこうね。まず⑴だけど、これは不定代名詞についての問題だ。選択肢のalmost, any, most, muchは、中学生でも知っているような単語だけど、これらの品詞や語法について正確に知って...
全国から多くの受験生が合格祈願に訪れる太宰府天満宮は、梅の名所としても有名です🌸歴史上の人物である菅原道真が、なぜここで「学問の神様」として祀られているのか、また太宰府天満宮のそこここになぜ梅のマークが見られるのか、その理由を読んでみましょう。 Flying apricot &...
早いものでもうクリスマスの時期となりました。今回は、サンタクロースについての記事を読んでみましょう。そもそもクリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日ですが(☞ブログ#103㉕)、「サンタクロース」はそれと何の関係があるのでしょうか?あまりにも当たり前で、だれも疑問に思わないクリスマスとサンタクロー...