【語彙力の育て方】「普通」「ヤバい」で会話が終わる子に、言葉をひょいっと手渡すコツ
「今日学校どうだった?」「普通」
「この映画どうだった?」「すごかった」
何を聞いても「普通」「すごい」「ヤバい」「無理」といった数個の言葉で会話を終了させてしまう子どもたち。
「もっと具体的に言いなさい!」とツッコミたくもなりますが、実はこれ、子どもがサボっているわけでも、言葉を知らないわけでもありません。
単に「頭の中にあるモヤモヤした感情に、どのラベルを貼ればいいか分からないだけ」だったりします。
子どもたちの頭の中には「焦り」「不満」「呆然」「困惑」といった感情がちゃんと存在しています。ただ、それを言葉として出力するのがめんどくさいので、手元にある万能シール「普通」「ヤバい」をペタッと貼って処理を終わらせている状態です。
ここで無理に喋らせようとすると会話が取調室になってしまうので、「親が会話の中で『それって〇〇ってこと?』と言葉をひょいっと渡してあげる」くらいが一番スムーズだったりします。
「普通」や「無理」の中に隠れた言葉を見つける
例えば、「今日学校どうだった?」と聞いたら「……普通」と言ってきたとき。
「『いつも通り平和』だったの? それとも『特に変化がなくて退屈』だったの?」と軽く聞いてみます。子どもが「退屈。ずっと授業聞いてるだけだし」と返してきたら、「なるほど、変化がなくて『マンネリ』な一日だったわけね」と返してあげる。
あるいは、「今日の宿題、量多すぎてマジで無理!」と言ってきたとき。
「『時間が足りない』の? 『難しくて手がつけられない』の?」と聞いてみて、「難しくて全然分かんない!」と返ってきたら、「あ〜、量が多いっていうより、解き方が分からなくて『途方に暮れている』状態か!」と返してあげる。
子どもに「正しい言葉で喋り直しなさい」と要求するのではなく、子どもの雑な返答に対して、大人が「それって『マンネリ』ってことね」「『途方に暮れてる』んだね」と、国語の記述で使えるような言葉に翻訳して返してあげるイメージです。
日常の「言葉の翻訳」が、そのまま記述力になる
こうやって大人が具体語に変換して返してあげる経験を重ねていると、子どもの脳内には「自分の実体験」と「国語の語彙」のセットが自然と蓄積されていきます。
これが、国語のテストで生きてきます。
物語文で登場人物の気持ちを問われたとき、
「ただ『嫌だった』じゃなくて、『理不尽で納得がいかなかった』んだな」
「『困った』というより、『どうしていいか分からず途方に暮れた』んだな」
と、文章の行間を自分のリアルな感覚として捉えられるようになるわけです。
単語帳で「途方に暮れる=どうしてよいか分からなくなること」と丸暗記した言葉はすぐ消えてしまいますが、自分の「無理!」という感情に「それって途方に暮れてる状態だね」とラベルを貼られた経験は、ちゃんと生きた語彙として残ります。
子どもに「語彙力をつけさせる」と肩ひじを張るのではなく、会話のついでにそっと「言葉のラベル」を差し出してみる。
そんな気楽なやりとりから試してみてはいかがでしょうか。
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