志望理由書・自己推薦書で初めて“自分について”書くとき、私が生徒に伝える3つのこと
この時期、AO入試(総合型選抜)や
推薦入試を視野に入れている生徒さんから、
「志望理由書に何を書けばいいのか、さっぱりわかりません……」
という切実な相談をよく受けます。

勉強は得意でも、
「自分のこと」を言葉にするのは、
全く別の難しさがありますよね。
初めて自分と向き合い、
原稿用紙を前に手が止まってしまった生徒さんに、
私がいつも伝えている「3つの柱」をご紹介します。
「実績」よりも「心の動きや行動」を探ろう
生徒たちはみんな
「全国大会出場」や「留学経験」といった、
華々しい実績がないと書けないと思い込みがちです。
でも、実は「実績がある子」ほど油断は禁物。
「私はこんなにすごいことをしました」
という過去の報告書(レポート)になってしまい、
肝心の「大学で何をしたいか」という未来への論理が
抜けてしまう落とし穴があるからです。
大学側が知りたいのは
「結果」そのものではなく、
その過程で「どう考え、どう動いたか」
というプロセスです。
まずは「すごい自分」を演じるのを
やめることから始めましょう!
対話を通して「本当の志」を掘り起こそう
教科書通りのテンプレをなぞった文章は、
読み手の心に響きません。
つまずきやすいのは、
自分の外側にある
「正解らしい言葉」を
探してしまうからです。
以前、高い英語力を持ち
「将来は英語を活かした仕事をしたい」
と語っていた女子生徒がいました。
しかし、授業で対話を重ね、
彼女の内側にある違和感や関心を
丁寧に紐解いていくうちに、
ある変化が起きました。
「英語はあくまでツール。私は本当に何を変えたいの?」
問いを深めた結果、
彼女の口から出たのは、
英語そのものではなく
「働く女性たちの健康や環境の向上に携わりたい」
という、具体的な願いでした。
この「自分発信の言葉」が見つかった瞬間、彼
女の文章には圧倒的な説得力が宿り、
見事合格を勝ち取ったのです。

“誰か”の言葉ではなく、自分の「生きた言葉」で書く
今の時代、ネットを検索すれば
例文はいくらでも出てきます。
でも、それをつぎはぎした文章には、
あなた自身の「体温」が宿りません。
私が添削で最も大切にしているのは、
生徒自身の語彙を引き出すことです。
インタビュー形式で対話を重ね、
本人の口からポロッと出た
「生きた言葉」を拾い上げる。
その言葉を軸に論理を組み立てることで、
世界に一つだけの書類が完成します。
なぜ、この「春」から取り組むべきなのか
「出願はまだ先だから」と
後回しにするのは禁物。
自分を深掘りし、
納得のいく言葉を見つける作業には、
想像以上に時間がかかるからです。

特にこの春、早く取り組んでほしいのは
「大学への徹底的なリサーチ」と
「日常の違和感をメモすること」。
夏になってから「書く内容」を絞り出すのではなく、
春のうちに自分の興味の種をまき、
大学の学びと結びつける準備をしておく。
この「余裕」が、秋の合格を大きく引き寄せます。
書くことは、自分を知ること
志望理由書や自己推薦書を書くプロセスは、
単なる受験の準備ではありません。
「自分は何者で、どこへ向かいたいのか」を深く掘り下げ、
自分自身の輪郭をはっきりさせる作業です。
この春、迷いながらも
自分と向き合う生徒たちの伴走者として、
私は一人ひとりの「問い」を深めていきたいと思っています。