【記述力UP講座p7】傍線部はいくつかの部分に分けて考える
2024/8/1
傍線部について説明する問題のとき、傍線部の文章をいくつかの部分に分けると考えやすいことがあります。
【例題】
大切に育てたかぐや姫が月に帰ってしまったあと、おじいさんとおばあさんはいつまでも月を眺めていました。すると、かぐや姫との思い出がまざまざとよみがえってきます。その悲しさといったら、ありませんでした。
【問】
傍線部「その悲しさといったら、ありませんでした」とはどういうことか、説明しなさい。
【解説】
該当部分をいくつかの部分に分けてみると、
(1)その悲しさといったら、
(2)ありませんでした
になりました。
ここで、それぞれについて考えていきます。
まず(1)について説明するには、「その悲しさ」とはどういう悲しさなのかがわからなければいけません。
「その」という指示語があるので、直前の文章を見てみると、「かぐや姫との思い出がまざまざとよみがえってきます」とあるのが見つかります。
「その悲しさ」とは、「かぐや姫との思い出がはっきりとよみがえってくる悲しさ」と言い換えることができそうです。
次に(2)について、この「ありませんでした」は「またとない機会」などで用いられる「ない」の用法であり、「他に類が無い」「この上ない」といった意味ですね。
よって今回の場合だと、「この上ないほど悲しい」と言っているとわかります。
最後に(1)(2)をつなげて完成です。
【解答】
かぐや姫との思い出がはっきりとよみがえってきて、この上なく悲しかったということ。
国語の読解力や記述力は、算数などと同様に技術の部分も大きいものです!
国語ができるようになりたいみなさん、ぜひ一緒に頑張りましょう!
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