英語は「耳」から伸びる

中学生になると、英語は単語を覚えたり文法問題を解いたりする教科、というイメージを持つ方も多いと思います。もちろんそれも大切ですが、実際に英語力を伸ばすうえで意外と見落とされがちなのが、英語の音に慣れることです。
洋楽がきっかけだった中学時代
私自身、中学生の頃に洋楽が好きになり、英語の歌を一緒に歌いたくて、好きなアーティストのレコードを買って(当時はまだCDではなく)、歌詞カードを手に入れることから始めました。1980年代の話です。知らない単語は辞書で発音記号を調べて発音を想像し、実際の歌を聴きながら「この音がこの単語か」と確認する——そんな地道な作業を繰り返していました。
おかげで、発音についてはよく褒めていただくことが多く、音から英語に慣れた経験はやはり大きかったのだと感じています。
今の子たちは本当に恵まれています。歌詞はネットで一瞬で出てくるし、発音もオンライン辞書ですぐ確認できる。あの頃の私がどれだけ羨ましがるか。
アメリカドラマに親子でハマった話
息子が高校生の頃には、あるアメリカの犯罪系ドラマに親子でハマりました。最初は普通に見ていただけなのですが、面白くて何度も繰り返すうちにだんだんセリフを覚えてしまい、気づけば音だけ聞いても「今どのシーンか」がわかるくらいになっていました。英語のリズムや言い回しが、気がつけばかなり耳に入ってきていたのです。……おかげで警察官や犯罪者が使うような言葉もすっかり覚えてしまいましたが(笑)。
大切なのは「わかっている英語」を繰り返し聞くこと
こうした経験から感じるのは、内容がわかっている英語を繰り返し聞くことの効果です。
難しい教材である必要はありません。むしろ、意味が理解できている文章を何度も聞いたり音読したりする方が、英語の語順やリズムが自然と身についていきます。
実際、英語教育の研究でも、同じ文章を繰り返し読む「Repeated Reading(繰り返し読み)」は、読むスピードや理解力を向上させる学習法として知られています(Taguchi et al., 2004)。
中学生なら、特別な教材は不要です
そして実は、音読はただ読むだけの練習ではなく、自分の声で英語の音やリズムを確かめる「耳のトレーニング」でもあります。
中学生の場合、わざわざ新しい教材を用意する必要はありません。すでに手元にある以下のような教材を音読するだけで十分効果があります。
教科書の本文
長文問題の文章
単語帳の例文
同じ文章を繰り返し読むことで、最初はつかえていた英文が、少しずつスムーズに口から出てくるようになります。
音声がある場合は、最初に一度聞いて大まかな発音を確認してから音読するのがおすすめです。
終わりに
英語は「目で覚える教科」というより、音に慣れることで理解が深まる言語でもあります。今は動画も音楽も、英語のコンテンツが無限にある時代です。好きなものから始めるのが、結局いちばんの近道かもしれません。