オンライン家庭教師マナリンク
高校数学

グラフと式の関係を考える!

2020/8/5

みなさん、お久しぶりです。梅雨も明けて夏がやっと始まったような感じですね!勉強していても水分は失われていくので、たとえ冷房が効いていてもこまめな水分補給を心がけましょう。

さて、本日はオリジナル問題に挑戦してもらいます。どちらかと言うと、クイズのほうに近いので、肩の力を抜いて気楽に解いてみてください。


まずはこちらをご覧ください。

Desmos2次関数

【問】y = x² + px + 2が上のようなグラフを与えられているとする(pは実数)。pの値を増加させたとき、最初にこのグラフが移動する方向として正しいものを①~④のうちから選べ。


さぁ、どうでしょう?レベル的には数学Iの2次関数までを履修している人であれば解くことができるように作ってあります。数学IIの図形と方程式の「軌跡と領域」の知識はなくても解けます。


受験生の皆さんは目安2分ぐらいで解答してみましょう。2次関数が苦手な方はどういう風に解けばいいのかじっくり考えてみましょう。


忙しい人は1,2,4だけ見てください!


1.解答と解説


さて、みなさん番号は選択しましたか?解答を発表しますよ?

|

|

|

正解は②です!どうでしょう、③と答えた人も結構いたのではないでしょうか?

想定していた解法を説明します。

そう、この問題には実は2つの「罠」が仕掛けられていたのです。

実際の動きが気になる方は↓のリンクよりDesmosでご覧ください

2次関数の軌跡:Desmos




2.仕掛けられた2つの罠!


さて、この問題に仕掛けられた2つの罠、1つ目をかわすのは比較的簡単だったようですが、2つ目に引っかかる人が非常に多い印象です。



Twitterのアンケート機能を利用した結果、上記のようにばらけた結果を得られました。そして、③が多い!私の生徒数名に聞いた際も、③の選択肢を選ぶ生徒が非常に多かったです。


2つ目の罠をかわすのが難しい理由は複数考えられますが、最大の理由は「グラフと式の関係性を見抜けていない」ことにあるといえるでしょう。


グラフを見たときに

下に凸の放物線の軸が正の範囲にある

y=x² +bx+ cにおけるbが負の数

ということは、pは負の数

pが増加するとき、p² は減少する


というような理解ができていなければなりません。③に引っかかった人の多くは、「pが増加するならば、p² も増加するんだから、y軸に関しては負の方向に進むのだろう」と考えたのではないでしょうか?

しかし、pが負の数の時は話が変わります。例えばpが-4からスタートしていた場合、pが-3,-2…と増加するにつれて、p² は9,4…と減少していってしまうのです。この罠を回避できた人が②の選択肢を選べるわけですね。

当然ですが、pに適当な数字(-4とか)を入れてちょっとずつpを増やしてみる!という方法が取れた人も罠を回避できます。案外この「とりあえず適当に代入して状況を確認する」ということができない人が多いですね~。


3.出題の意図


この問題は、共通テストに照準を合わせて個人で作成したものです。もしかしたら、大手予備校や塾等で似たような出題がされているかもしれません。


経験上数学が苦手な生徒はグラフの重要性を理解できていないことが多く、そもそもグラフを書かない生徒が多いです。しかし、グラフと式の関係を見抜けるようになりさえすれば、学校の先生や教科書が言っていることを理解できるようになるはずです。そのあたりにアプローチするための1問として用意しました。


また、共通テストについて、平成29年度の試行調査・数学IAでグラフ表示ソフトを用いた出題がされています(このリンクより、大学入試センターの試行調査問題に飛びます)。今まで(センター試験)は計算方法さえしっかり理解or猛練習できていれば、大抵の2次関数の問題は突破できる人が多かったですが、このような出題ではそうもいきません。


センター試験から共通テストへと移行する今こそ、「グラフと式を絡めて問題に取り組むことができる」能力を鍛えていくべきです。


4.グラフを理解して数学苦手を克服したい?


さて、この夏自分の苦手をつぶしたいみなさん、朗報です!数学が苦手な人のために、数学が苦手になる理由ランキング第1位といっても過言ではない「関数」についての特訓講座をNoSchoolで開講しております。


この講座は、10月までの限定講座で1コマ1時間、全6回の授業でひたすら「関数とグラフ」について学んでいきます。授業は基本的に「説明」がメインではなく、こちらの「問いかけ」を生徒に考えてもらい、一緒に答えを探すような構成をとっています。

無料体験も行っておりますので、是非お申し込みください!


【数学】夏の関数マスターコース【全6回】

https://manalink.jp/teacher/7398/courses/287

このブログを書いた先生

高校数学のオンライン家庭教師一覧

高校数学のブログ

苦手でも大丈夫!高校数学を“自分のペース”で攻略しよう

数学が苦手でも大丈夫!高校数学のつまずきを乗り越えるヒントこんにちは!この記事では「高校数学でつまずいている…」と感じているあなたに向けて、少しでも気持ちが軽くなるようなヒントやアドバイスをお届けします。😣「わからない」が積み重なると、数学は苦しくなる高校数学は、中学までの数学とはひと味違います。抽象的な概念が増え、公式も複雑になり、急に「何をやっているのか分からない…」という感覚に陥ることも。でも、それはあなただけではありません。多くの生徒が同じように感じています。数学は“積み上げ型”の教科なので、少しのつまずきが後々まで響いてしまうのです。🧩 つまずきポイントはここ!よくある悩みと対策よく...続きを見る
上原の写真
上原オンライン家庭教師
2025/10/8

今こそ、読み書きそろばん!

現代ではICT化が進み、電子教材を活用する学校も増えました。「便利だから」「荷物が減るから」それだけで終わっていませんか?数学の力の源は「読み書きそろばん」問題を読み取り、式を立て、計算する。それも、紙とペンを使う。今こそ、この原点に立ち返るべきだと私は思います。以前、とある通信制高校の生徒を指導する機会がありました。その生徒は中学での学習に躓き、高校で学び直しをしていました。高校で使用している電子教材を使って学習していましたが、小テストで合格点を取ることができず、またレポートが思うように進まず、苦戦していました。そこで紙媒体の参考書(教科書レベル)を導入し、ちょっとしか使わずに机に眠っている...続きを見る
齋藤の写真
齋藤オンライン家庭教師
2025/10/1

【高校数学攻略法】“わかる”で終わらせない!“できる”まで導く学習の鉄則

こんにちは、上原です。 今回は「高校数学の攻略法」について、私が日々の指導で大切にしているポイントをお伝えします。🔰 1. 基礎の徹底がすべての土台高校数学は、公式や定理の暗記だけでは太刀打ちできません。 まずは「なぜその公式が使えるのか」「どんな場面で使うのか」を理解することが大切です。 例えば、二次関数の最大・最小を求める問題では、ただ公式を使うだけでなく、グラフの形や軸の位置をイメージできるかどうかが得点に直結します。私の授業では、基礎の“意味”を丁寧に解説し、土台をしっかり築くことから始めます。🔁 2. 反復で“定着”させる理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまうのが人間です。 だ...続きを見る
上原の写真
上原オンライン家庭教師
2025/10/1

“自由研究”は大人になっても楽しい!夏休みの疑問から始める“脳トレ”思考法

「なぜ?」「どうして?」という問いかけには、学習・思考・成長のあらゆる場面で大きな意味があります。主な必要性を整理すると、次のようになります。1. 理解を深めるため· 単に「事実」や「方法」を知るだけでは表面的な知識にとどまります。· 「なぜそうなるのか?」「どうしてその方法を取るのか?」を問うことで、背後にある原理・仕組み・理由を理解できます。➡ 例:数学で公式を覚えるだけでなく、その導き方を理解すると応用力が高まる。2. 批判的思考を養うため· 与えられた情報をそのまま受け取るのではなく、根拠を確かめようとする姿勢につながります。· 情報過多の時代では「なぜそれが正しいのか?」を問うことが...続きを見る
片山の写真
片山オンライン家庭教師
2025/9/28

高校数学を勉強する理由

【高校数学ってなんのため?】未来の自分に差をつける“理由ある勉強”こんにちは!今回は「高校数学を勉強する理由」について、少し先の未来を見据えて考えてみましょう。🎓 数学は“大学で本当に使う”科目「数学って将来使うの?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、大学で統計学や経済学を学ぶとき、数学の知識は必須になります。つまり、高校数学は「大学での学びの準備運動」。今のうちにしっかり身につけておくことで、大学での理解が格段に深まります。🏫 成績がいいと“学部選択”で有利になる中高一貫校の高校生にとって、もうひとつ重要なのが「学部選択」。大学付属の高校では、内部進学の際に成績が選択の幅を左右すること...続きを見る
上原の写真
上原オンライン家庭教師
2025/9/24

「虚数」は本当に「虚しい数」?~数学の常識を覆す発見の物語~

「i」って、一体何者?「2乗するとマイナスになる数なんて、存在するの?」高校生の皆さん、数学で「虚数(きょすう)」という言葉を聞いたとき、そう疑問に思ったことはありませんか?特に、記号「i」が出てきたとき、「なんだか現実離れしているな…」「こんな数、何に使うんだろう?」と感じた人もいるかもしれません。その名の通り「虚しい数」と書く虚数は、多くの生徒さんにとって、数学の理解をさらに難しくする壁のように感じられるかもしれません。でも、実はこの「虚数」の発見は、数学の歴史において、そして私たちの現代社会において、非常に重要な意味を持つ革命的な出来事だったのです。そして、この虚数の物語を知ることは、皆...続きを見る
新井の写真
新井オンライン家庭教師
2025/8/29

この先生の他のブログ

あらきの写真

【中学・高校】2学期の定期テスト対策におすすめ!特別単発コースのご紹介

2025/9/22
はじめにみなさん、こんにちは。オンライン家庭教師のあらきです。2学期に入り、定期テストの時期が迫ってきています。「次の定期テストで点数を上げたい!」という人も多いのではないでしょうか?特に数学や英語は、積み重ねが大切な教科なので、中間テストや期末テストでのつまずきは後々の成績に直結します。今回は、私...
続きを読む
あらきの写真

夏期講習募集開始/夏に頑張る理由

2023/7/2
みなさん、こんにちは。家庭教師のあしまるです。今回は夏期講習についてお知らせです。お申し込みについては既存生の方はチャットにてご相談ください。新規生の方は以下のコースよりお選びください。【夏期講習】英語・カタマリ読解コース【全6回】【夏期講習】現代文・背景知識習得コース【全6回】【夏期講習】数学・関...
続きを読む
あらきの写真

高校の定期テストとの付き合い方

2023/5/26
みなさんこんにちは、家庭教師のあしまるです。さて、今回は高校の定期テストについてのお話です。みなさんは定期テストの点数が怖くありませんか?大学入試対策を進めていると必ずと言っていいほどぶつかる「定期テストどうするの?」問題。模試は取れるようになったけれど定期テストが…みたいなことはよくあることです。...
続きを読む
あらきの写真

高校学習案内:数学の勉強ってどうすればいいの?効率のいい方法は?

2023/5/19
みなさんこんにちは、家庭教師のあしまるです。今回は高校数学の学習法についてお話ししていきます。中学ぐらいまではそこまで差が開かないのに、高校に入ると途端に全くついていけなくなってしまうことがある恐ろしい教科。なんとかして理解できるようになりたいですよね。この文章を読んで一度自分の勉強の仕方を見直して...
続きを読む