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#11 授業では習わない「記号」のお話~セミコロン編~

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2021/5/2

まず、「セミコロン」と「コロン」の見た目の違いに注意しましょう。

; セミコロン(semicolon)

: コロン(colon)

セミコロンの「セミ(semi-)」は「半分」という意味です。(日本語の「セミプロ」は「アマチュアでありながらプロに近い技量を持っている人」のことで、「半分プロ」といったイメージですね。)よく見ると上の点がコロンなので「半分はコロン」だから「セミコロン」という名前が付きました。

今回はこのセミコロンを見ていきましょう。

簡潔に定義すると、セミコロンは「文を区切る力はコンマよりも大きいが、ピリオドよりは小さい記号」となります。文を区切る強さの違いを不等号を使って表現すると

,

セミコロンの主な用法は「文と文をつなぐ」というものです。

文①文②.

という形で、2つの文を並列します。もちろん、ピリオドを使って

文①.文②.

のように書いてもいいのですが、特に文①と文②が対照的な内容の場合にセミコロンで文が並列されることが多いです

He is aggressive. She is peaceful.

これはふつうにピリオドを使って2つの文をならべています。もちろんこのままでもいいのですが、この場合第1文と第2文は「対照的」な内容となっているので、

He is aggressive; she is peaceful.

のようにセミコロンを使って2つの文を1文にまとめることもできます。

長文を読む時には、この「セミコロンの左の文と右の文は対照的な内容を表すことが多い」という知識が役に立ちます。どういうことかというと、これを知っていると、自分の知らない単語の意味を推測できる場合があるのです。

上のセミコロンの例文で、aggressiveの意味が分からなかったとします。

「彼はaggressiveだ。彼女は平和的だ」

ととりあえず訳してみます。その上でセミコロンの知識(=前半と後半は内容が対照的なことが多い)を使えば、

aggressive「?」↔peaceful「平和的」

という関係が見えてきます。ここまで分かったら、あとは「平和的の対義語は何だろう」と考えればいいのです。「平和的」とは「人と争い事を起こしたがらない」ということなので、その反対は「人と争い事を起こしたがる」つまり「攻撃的」ということです。そのように推論して

「彼は攻撃的な人だが、彼女は平和的な人だ」

のように訳せれば理想的です。

ところで、受験生の英作文で

×He is aggressive, she is peaceful.

のような間違ったコンマの使用を見かけることがあります。文と文を並列する力は、「セミコロン」にはあるのですが「コンマ」にはありません。ただし「コンマ+接続詞」ならOKです。

He is aggressive, but she is peaceful.

受験生は無理して英作文でセミコロンを使う必要はありません(セミコロンを効果的に使うのはネィティブでもそれほど簡単なことではありません)。英文を読む時にセミコロンの知識を活用できればそれで十分です。

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