#60 roger「ラジャー、了解」
無線通信などで「了解した」ことを伝えるrogerという英単語があります。
実はこの単語、人名のRogerから来ています。
無線通信で「了解した」ことを表す場合、元々はReceived.あるいはReceived and understood.が使われていました。Rで始まるこうした言い方を表すために、同じくRで始まる人名のRogerを「了解した」の意味で使うようになったと言われています。1941年にアメリカ軍が使い始めたとされています。
他にも無線で使われる比較的有名な言い方にMayday「メーデー」やOver.「どうぞ」があります。
Maydayとは、船舶や航空機が発する国際無線救難信号です。労働者が自らの権利を主張して集会などを開くMay Day「メーデー」(5月1日)との表記の違いに注意してください。
見た目に反して、MaydayはMay+dayからできた言葉ではありません。なんとこれはフランス語から来ています。
Venez m’aider.「私を助けに来てください(Come and help me.)」
ここのm’aiderはフランス語で「メデ」と発音します。この音を模した英語がMaydayというわけです。
Over.「どうぞ」は、「こちらの発言が終わったので、次はそちらが話してください」と言う時に使います。これは比較的分かり易いのではないでしょうか。と言うのも、overには「向こう側に、ある程度の距離を隔てて」という意味があって、
➀She flew over to the UK last week.「彼女は先週渡英した」
②Come over to my house.「私の家に来て」
➀では「彼女の国とイギリスの間にある距離感」、②では「あなたの家と私の家の間にある距離感」がoverに込められています。overが無くても正しい文ですが、その場合は今言ったニュアンス(=2つの物の間を隔てる距離感)は消えることになります。
さて無線通信のOver.「どうぞ」ですが、これも「無線通信をしている私とあなたの間の距離感」を表し、しかも「その二者の間を何かが移動する」ことを表しています。「移動する何か」とは、無線通信である以上、「話す順番」以外に考えられません。つまり、Over.1語に「私の話は終わったので、話す順番は私からあなたへ空間を跨いで移動しますよ」という意味が込められているのです。
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