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英語

#89 女神に祝福されたジューンブライド

2022/6/4

「ジューンブライド」という言い方を聞いたことはないでしょうか?英語ではJune bride。Juneは「6月」、brideは「花嫁」という意味です。

つまり「ジューンブライド」とは「6月の花嫁」という意味なのですが、これは「6月に結婚した花嫁は幸せになれる」という言い伝えに基づいた英語表現です。

ではなぜ6月に結婚した花嫁は幸せになれるのでしょうか?

6月を表す英語のJuneは、ローマ神話の女神Juno「ユノ」 に由来します。ユノは、女性の守護神であり、結婚を司る神とされています。(ちなみに、ユノはローマ神話の農耕の神「サトゥルヌス」の娘とされています。サトゥルヌスがSaturdayの語源であることについては☞ブログ#23。)

古代ローマでは、ユノの祭礼を6月1日に行なっていました。そこから、6月に結婚した花嫁はユノの祝福を受け、幸せな結婚生活を送ることができると考えられるようになったのです。

ここで、ユノについて書かれた英文を読んでみましょう。

In ancient Roman religion and mythology, the goddess Juno was associated with all aspects of the life of women, especially married life and childbirth. The Romans identified her with the Greek goddess Hera, and she took on many of Hera's attributes, roles, and myths. Juno was the wife and sister of Jupiter, the chief Roman god, just as Hera was the wife and sister of Zeus, the chief Greek god. As worship of Juno spread, she also came to be considered the principal goddess and protector of the Roman state. Eventually, she became a sort of female guardian angel, representing the female principle of life. In Roman religion, every person was thought to have a personal protective spirit; a man's was called a genius, and a woman's was called a juno.

mythology「神話」。goddess「女神」。語末の-ess(時に-ress)は「女性」を表す要素。actress「女優」、hostess「女主人」、mistress(☞ブログ#53)、princess「王女」、stewardess「スチュワーデス」(今ではflight attendantなどの言い方がふつう)、waitress「ウエイトレス」。

identify ~ with ...「~を…と結び付ける(associate ~ with ...)」。Hera「ヘラ」はギリシャ神話の女神。take on「性質などを帯びる(呈する)」。attribute「性質」。mythは「個々の神話」を指し、①に出てきたmythologyは「神話体系全体」を指す。

ユノは、ローマ神話の主神Jupiter「ジュピター」の妻であり姉であった。ちょうど、ヘラがギリシャ神話の主神Zeus「ゼウス」の妻であり姉であったのと同じように。これはまさに②を敷衍した内容です。

As ~は「~ように」の意味の接続詞。spreadを「現在形」ではなく「過去形」と考えられるのが、「三単現の-s」といった厄介な(?)文法事項を苦労して身に付けたことの一つの報い。principalとprinciple(☞⑤)は受験生が間違え易い同音異義語(怪しい人は辞書で確認!)。stateは「国家」。(なぜアメリカ合衆国の「州」がstateと呼ばれるのかを考えてみてください。)

Eventually「ついには」。guardian angel「守護天使」。英語のangelと日本語の「エンジェル」の発音の違いに注意。representing以下は分詞構文。principle of life「生活の本質」。

a personal protective spirit「個人の守護霊」。a man's (personal protective spirit)の省略を考えることが大切。a woman's (personal protective spirit)も同じ。男性に憑いている守護霊はgeniusと呼ばれ、女性に憑いている守護霊はjunoと呼ばれた(固有名詞ではないのでjは小文字)。

※「天才」の意味のgeniusの元の意味は、ここに出てきた「守護霊・守護神」。「才能とは神から与えられたもの」という発想は、英語のgiftや、日本語の「天賦の才」にも見える。

ところで、英和辞典の「ジーニアス」について、私は長い間「ジーニアス=天才」と思っていたのだが、どうやらそうではないらしい!

この「ジーニアス」の意味については2つの説(?)があって、

①ジーニアス=守護神

②ジーニアス=真髄

2009年発行の「改訂新版ジーニアス英単語2200」の表紙画像を見ていただきたい。

お分かりいただけただろうか👻

帯にうっすらと「受験生の守護神」という文句が!この「守護神」は、「ジーニアス」と関係しているに違いない!(あくまでも個人の感想です😅)

さて、次に見ていただきたいのは、2017年発行の「ジーニアス総合英語(初版)」の「はしがき」。

お分かりいただけただろうか👻

ここにははっきりと「geniusには真髄の意味がある」と書かれています。

当然どちらの書籍も、ジーニアス英和辞典を発行している大修館書店のものであり、その意味では①と②の2つの説とも大修館書店のお墨付きと言える。

もちろん、この2つの説とも最初にジーニアス英和辞典(初版は1988年刊行)が世に出てから20年以上経ってのものであり、謂わば後付けの説明に過ぎないとも言える。最初はどういう意図で辞書名に「ジーニアス」を冠したのだろうか?

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