#3 英語学習の道具たち~問題集編~
2021/4/28
ブログ#2では知識のインプットに使う「参考書」についてお話ししました。悲しいかな、私たちは知識を頭に仕入れただけですぐにそれを自由自在に使えるようになるわけではありません。スポーツに例えれば、サッカーの解説書を読んでドリブルのやり方を知ったからといって、すぐに自分でも華麗なドリブルができるようになるわけではないのです。サッカー選手だって初めからドリブルがうまかったわけではなく、練習を重ねて(=実際に自分の体を動かして)うまくできるようになったはずなのです。
インプットした知識を使えるようにするには、「アウトプット」の訓練が不可欠です。(よく「勉強しているのに成績が上がらない」と言う生徒がいますが、インプットの勉強しかしていなくてアウトプットの訓練が欠けている場合がほとんどだと思います。)
アウトプットの勉強をする時に使うのが「問題集」です。問題集にも様々なレベル・目的がありますので、自分に適したものを使わないと挫折する危険性が極めて高くなります。
絶対にしてはいけないのは、「世間の評判」だけで問題集を選んでしまうことです。いくら評判が良くて名著とされる問題集でも、それが今の自分に適したものである保証は全くありません。数学が苦手な人が、名著とされる「青チャート」に手を出しても挫折してしまうでしょう。問題集の前書きを読み、問題を数問解いて解説を読んでみて(本屋の立ち読みでも数問ならできるはず)、今の自分に太刀打ちできそうな問題集かどうかを慎重に判断しましょう。自分のレベルに合っていない問題集を使うのは、受験生の貴重な時間の無駄遣いを意味します。
さて、自分に合った問題集を選んだら、毎日の最低限のノルマを決めて最後まで解き切ることが最大の課題です。どんな問題集でも最初の1周目が一番大変ですが、まずは「解き切る」ことが何よりも大切なので、どうしても分からない箇所は気にせず一旦飛ばしてしまうのもアリです(2周目に解いたら簡単にできたということもよくあります)。「この問題集を○月までには必ず仕上げる!」と目標を立てて、まずは1周走り切りましょう!1冊解き切ったという達成感は、その後の学習への大きな弾みにもなります。
見事1周目が終わったら、次は2周目に取り掛かります。必ずしも全問解き直す必要はなく、基本的には1周目で間違えた問題だけを解き直せばいいでしょう(1周目には、間違えた問題には印を付けておきましょう)。こうして、全問解けるようになるまで何周か解き直しをするのが理想的な問題集の活用法です。
このようにして1冊の問題集をしっかりとやり切ることの威力は、私自身が経験したものでもあります。高校時代、英文法の基礎知識をインプットした私は、ある1冊の英文法の問題集に取り組みました。間違えた問題集に印を付け、何周かは解き直しをしたと思います。高校時代に私がやり切ったと言える英語の問題集は多分この1冊だけです。受験生になった私は大手予備校の模試の英語で好成績を収めました。文法問題集をしっかりやり切ることで、いつの間にか長文も正しく読めるようになっていたのです。
だからと言って、「問題集は1冊だけやればいい」ということを私はここで言いたいのではありません。一口に問題集といっても、レベル・目的は様々なので、複数冊に取り組む必要がある場合もあるでしょう。
私が言いたいのは、「自分に合う問題集を選んだら、飽きて途中で放り出して他の問題集に手を出すということを繰り返しても学力は伸びない」ということです。
自分の信じた1冊の問題集をまずは全力でやり切る。その経験は学習者に大きな自信を与えてくれます。
どちらも「英文解釈」「入門」と銘打っているが、中身はかなり違う。
高校基礎レベルの英語力を身に付けたいなら、まずは右の方がおすすめ。品詞について懇切丁寧に説明している良書。高1・2生(あるいは英語の苦手な受験生)に適している。
左は全問入試問題から抜粋された英文和訳問題で、単語がかなり難しい。高3生でもある程度英語ができる人でないと厳しいかもしれない。
「本のタイトル」や「レベル表示」だけ見て問題集を選ぶと失敗する可能性があるということ。必ず本屋で立ち読みして、自分に取り組めそうなレベルか、自分の求めている内容かを確認しよう。
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