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国語

祝辞から見えた身体性ーー劇作家・野田秀樹さんの東大入学式祝辞

2026/4/22

AIにないもの

少し前に話題になった

今年の東京大学の入学式祝辞。

野田秀樹さんの個性と知性が

字面だけでも伝わってくる。

すごい物書きの個性とは

こういうものなのかと思わされました。

内容の素晴らしさは

いろいろありますが、

私が気になったのは

「AIには人間の体がない」

というくだり。

つまり「身体性」について

言及されていたことです。

AIとの境界線

どの分野でも注目されているAIですが

私が小論文のコースを設けている

芸術界やマスコミ界でも

人間との違いはよく議論されています。

特に芸術の世界では

AIアートにまつわる議論が

白熱しています。

AIが描いた作品は芸術と言えるのか……。

芸術系志望の生徒とも

つい先日その話をしたところでした。

身体を通した知覚

そのとき紹介したのが、

フランスの哲学者である

モーリス・メルロー=ポンティ。

彼が重視したのは

「身体を通した知覚(体験)」です。

・人は頭だけで世界を理解するのではなく、身体を通して世界を感じる

・絵画などの芸術は、身体的な知覚の経験を表現したもの

・例えば、画家はただ物を見るのではなく、身体で世界を感じながら描く

野田さんの祝辞と共通するところがあり、

かつ「身体性」は現代文でも頻出のジャンル。

AIと人間の共存というテーマは

これから入試でも小論文でも

避けては通れない問いになるでしょう。

そのとき「身体性」についての視点は

何かしらのヒントをもたらしてくれるはず。

昔から、東大入学式の祝辞は

教材としてもよく取り上げられています。

来年は誰が、どんな祝辞をするのか。

今から少し楽しみです。

しかし、

「野田秀樹だれそれ?」

状態の新入生もいたそうで……。

若者には、勉強だけでなく

「一見、受験には無関係に見える世界」にも

手を伸ばしてほしい。
身体を動かし、世界を肌で感じ、

AIには決して真似できない

「自分だけの知覚」を

育んでほしいと願っています。

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