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#137 英語と写真でバーチャルツアー⑰~茨城・水郷潮来あやめ園~

2024/6/8

6月は梅雨の季節で、もしかしたらあまりいいイメージのない時季かもしれませんが、しかし1年でこの時にしか見られない花があると思えば、楽しみを見つけられるのではないでしょうか。

紫陽花(アジサイ)はこの時季におなじみの花ですが、花菖蒲(ハナショウブ)もまた初夏にしか見られないものです。今回は、茨城県の水郷潮来(いたこ)あやめ園で毎年開催されている「水郷潮来あやめまつり」を訪れた人のブログを読んでみましょう。

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Itako Iris and Bride Season―Blushing brides and purple petals in Ibaraki

A bride on the waterways of Itako

Most of the year, the canal-laced town of Itako in Ibaraki Prefecture is a quiet place. Visit in June, however, and you'll find the town awash with the color purple and traditional wedding parties bearing ferries gliding up and down the local waterways.

canal「運河」のアクセントの位置に注意。laceは日本語の「糸を編んだ透かし模様でできた布」を意味する「レース」の語源。canal-laced townから「運河が張り巡らされている町」を想像できればOK。ofは「同格」で、「the canal-laced town=Itako」の関係。Ibarakiはもちろん「茨城」のことだが、私自身、長い間「茨城」を「いばら」だと思い込んでいた!「いばら」が正しい読み。「1年の大半は、運河の張り巡らされた町である茨城県の潮来は静かなところである」という内容から、「ということは、例外的に潮来が騒がしくなる時期があって、この文章はそれについて述べていこうとしているのではないか」と考えられるのが、英語を読むだけで精いっぱいにならずに、内容をちゃんと考えながら読めている証。

Visit ~ and ...は「命令文, and 文」の形式で、「条件+帰結」を表す構文。visitはここでは自動詞。howeverは、➁の文と➀の文が逆接の関係にあることを示しているのであって、➁内部のVisit in Juneとyou’ll以下が逆接の関係にあることを言っているわけでは決してない点に注意。youは「あなた」ではなく「一般の人々」を表す用法。awashは形容詞で、awash with ~=full of ~。The pavement was awash with rubbish.「歩道にはごみが散乱していた」。findは第5文型の用法で、the townがO、awash ~ purpleがC。the colorという名詞とpurpleという名詞が隣り合って並んでいることで「同格」の関係が生まれていると感じられた人はまともな英語力の持ち主。purpleの直後のandが何と何を結んでいるかをじっくり考えることが大切。traditional wedding parties bearing ferriesは相当難しい(というよりも書き方が良くない)。traditional-wedding-parties-bearing ferriesとハイフンを使って書けば読みやすくなる。あるいは、ferries bearing traditional wedding partiesと書くべきだったのかもしれないが、そうすると

you’ll find ~ ferries bearing traditional wedding parties gliding up and down the local waterways

と書くことになり(2つの現在分詞句が並置されることになる)、「ferries=O、bearing traditional wedding parties=C」と誤読されかねない。筆者は「ferries bearing traditional wedding parties=O、gliding up and down the local waterways=C」という意味を伝えようとしたために、下線部を名詞ferriesの左に回して

traditional wedding parties bearing ferries

と書いたのかもしれない(ブログ#14のa man-eating sharkと同じ構造)。

ということで、正しい解釈は、「traditional wedding parties bearing ferries=O、gliding ~=C」。このOとCはfindにつながっている。つまり、purple直後のandは、2つの「O+C」を結んでいるということになる。「だが、6月に訪れると、町が紫の色に溢れ、伝統的な結婚当事者を乗せた渡し船が町の水路を行き来するのが見られるだろう」。ここで言うtraditional「伝統的な」は和装による神前式を指し、wedding party「結婚当事者」は花嫁・花婿・花嫁の付添人・花婿の付添人のことを言う。水路が縦横に張り巡らされた水郷(すいごう;水辺の町の意味)である潮来では、昭和30年頃までは嫁入りの時に水路が使われていたという。今ではこうした嫁入り舟を水郷潮来あやめまつりの一大イベントとして、本物の花嫁さんを公募して運航している。

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On May 18th 2013, Itako kicked off its 62nd annual Iris Festival. Over the course of six weeks, over one million irises (around 500 different varieties) will unfurl their indigo, pale violet, white and even yellow petals in the Maekawa Iris Garden on the bank of Itako's river. The iris plots are criss-crossed by a series of wooden bridges, from which visitors and photographers can find the perfect vantage point to shoot pictures of the bloom.

kick off=start。元はサッカーなどの試合が開始することを言う熟語。厳密に言うと、iris「アヤメ」と「ハナショウブ」は別種とのこと。乾燥した草地に生えているのがアヤメで、池の辺りに見られるのがハナショウブ。ただし咲く花は互いにとてもよく似ている。

over the course of ~「~の間」。unfurl「開く」。petal「花びら、花弁」。theirはpetalsを修飾。間に挟まれたindigo, pale violet, white and (even) yellowをA, B, C and Dとして捉え、この4つの形容詞がpetalsを修飾していると考えられたかどうか。Maekawa Iris Garden「前川あやめ園」。ここのon ~は「~に面した」☞ブログ#106a hotel on the lake。Itako’s riverはここではMaekawa「前川」のこと。

plot「区画」。crisscross「交差する」。ハナショウブの植わっている区画を横切るように木製の橋が架かっているということ。, from whichは関係代名詞の非制限用法(先行詞はa series of wooden bridges)で、関係節内ではshootを修飾。vantage pointとは「良い景色を眺めることのできる地点」のこと。shoot「撮影する」。bloom=flower。関係詞節は「木製の橋からハナショウブを撮影するための最適の場所を観光客や写真家は見つけることができる」と言っている。

On Wednesdays and weekends, local actors and actresses recreate one of Itako’s old customs, that of sending a bride down the river to her wedding reception. She first processes through the blooming flower gardens, followed by her husband and mother (ostensibly to block any escape routes, I am assuming). At the riverbank, she climbs aboard a small boat, takes her position in the front of the craft, and is poled down the river to the cheers and flashbulbs of the thousand of us spectators who are captivated by the sight. (You can catch this spectacle at 11am on Wednesdays, and at 11am and 2pm on weekends.)

actressの-ressについては☞ブログ#89。recreate「再現する」。one of ~とthat ~の間のコンマは「同格」の目印(☞ブログ#10)。that=the custom。wedding reception「結婚披露宴」。➁の解説で述べたように、水路を使って花嫁が式場に向かうことは昭和30年頃までのこの地域の風習だった。

Sheは前文のa brideを指すが、もちろん「特定の花嫁」を意味するわけではなく、「不特定の花嫁」のことを言っているので、日本語に訳す時は「彼女」はNG。「花嫁」と言い換えて訳すのが神経の行き届いた訳。process「進む」。まずは花嫁が先頭に立って進んで、後から花婿と母親が付いてくる。ostensibly=apparently。escape route「避難経路」。I am assumingは挿入句。このカッコ内は「避難経路を塞ぐためであるように思われる」と言っている。つまり、花嫁が先頭で、その後ろに花婿と花嫁の母親が位置しているのは、「花嫁の逃走を防ぐため」と筆者が考えているということか?ここで筆者がなぜこのようなことを言っているのかは、私にもよく分からなかった。

ここのclimbは「登る」だと変だなと思ったら辞書を引く。ただし、残念ながら適訳を載せている英和辞典はあまりない模様。そういう時は英英辞典の出番!climb=move with effort into or out of somewhere。climb through a window「(手足を使って苦労しながら)窓をくぐり抜ける」;climb out of one’s coat「(多少なりとも苦労して)コートを脱ぐ」。本文では、動きにくい衣装を着た花嫁が苦労しながら小舟に乗り込む様子をclimbで表現している。aboardは前置詞。craft=boat, ship。ちなみにspacecraftは「宇宙船」。in the front of ~とin front of ~の違いに注意。

ⓐHe sat in the front of the bus.

ⓑHe sat in front of the bus.

ⓐは「彼はバスの前の方に座った」ということ。つまり、バスという乗り物の内部で、前よりの座席に座ったということ。

ⓑでは熟語の前置詞in front ofが使われている。「彼はバスの前に座った」が正しい訳。つまり、バスという乗り物の外で、バスの進行方向を塞ぐ形で道路の上に座り込んだということ!(本文がもしtakes her position in front of the craftと書かれていたらとんでもないことになると分かるはず!)ちなみに、in the front ofとin front ofの反対の意味の表現はそれぞれ

ⓒHe sat in the back of the bus.

ⓓHe sat behind the bus.

「棹」の意味の名詞poleが動詞として使われている。動詞のpoleの目的語はふつうboatなどだが、ここではなんと人間である「花嫁」になっている(受け身文なので主語Sheが実質的にはpoleの目的語)。おそらく筆者の頭の中では「花嫁が乗っている小舟」が主語になっているつもりでis poledという受け身形を使ったのだろうが、語法的にうるさいことを言えばやはり問題があると言える。とにかく、花嫁たちの乗った舟が棹によって水路を下っていき、たどり着くのがto以下で表現されている。cheer「歓声」。flashbulbは「(カメラに付いている)フラッシュの球」。the thousand of usのofは「同格」。usとspectatorsの関係も同格。「千人を数える私たち見物人」。captivate「魅了する」。

spectacleは「目を見張るような素晴らしい眺め」を言う。嫁入り舟の様子を撮影した動画はコチラ

For those who prefer to take to the waters themselves, boatmen (and women) pole customers down the river for around 30 minutes with limited commentary in Japanese. Still, you don't need to understand the language to enjoy a cruise on the city's waterways. You can purchase tickets for your ride at booths on the riverbank, next to where the boats dock.

those whoのthoseは「人々」の意味。preferは、2つのうちでどちらをより好むかを表す動詞。ここで比較されている2つの物とは何か?take to ~=go to ~。複数形watersはここでは「川」を指している。こうした「空間的な広がり」を示す特殊な複数形については☞ブログ#93。「自分が水路に行くこと」と比べられるもう1つ別の行動は表現されていないが、文脈から容易に「花嫁が水路を下るのを見る」といった内容が想像されるはず。ここでも、「舟(boat)」ではなく人間である「customers(客)」が他動詞poleの目的語になっている。やはりこの英文の筆者は、「pole+人」を「棹で舟を漕いで人を移動させる」という意味合いで使っているようだ。commentaryは、スポーツの「実況解説」や、バスガイドが乗客に行なう「実況解説」のこと。

Stillは逆接の副詞で「それでも(nevertheless)」の意味。

next toは熟語の前置詞。whereは接続詞。dockは名詞なら「(船荷の積み下ろしや船の修理をする)ドック」の意味(「人間ドック」の「ドック」の語源)で、ここでは動詞として「停泊する」という意味で使われている。

Aquatic weddings and boat rides aren't the only entertainment; several times a day on weekends, you'll also find women in iris-patterned kimono performing dances on the garden's paths. As the cloth flowers sway in the breeze next to the real blooms, it's an impressive sight to behold.

notは意味的にonlyを否定する(Cf. not only A but also B「AだけでなくBも」)。

womenは発音要注意。inは「着用」を表す。find (V) women ~ (O) performing ~ (C)の構文。このfindは「発見する、気付く、出くわす」の意味。I found a purse lying on the street.「財布が通りに落ちているのに気付いた」。path「小道」。

Asは「同時」。名詞clothは右にある名詞flowersを修飾。「生地に描かれた花」の意味で、後ろのreal blooms「本物の花」と対比されている。sway「揺れ動く」。next to☞⑫。itはas節の内容を受ける。behold=look at。「生地に描かれた花が本物の花の横でそよ風に吹かれて揺れているのは印象的な眺めである」。

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