英語

#94 英語と写真でバーチャルツアー⑫(後半)~東京・東京スカイツリー~

0

2022/6/21

今回は、東京スカイツリーの地上450mに位置する「天望回廊」からスタートです!

The Tembo Galleria at 450 Meters

Tokyo Skytree's Tembo Galleria is a glass corridor and offers a view that is even more magnificent than the one on floor 350. It's one of Tokyo's most popular sightseeing spots and really lets you take in the mega-metropolis of Tokyo to the fullest. Shaped like a sloped spiral, the Tembo Galleria will make you feel like you're walking on air!

evenは比較級の強調表現。受験レベルでは比較級の強調表現muchなどとの区別は無用だが、一応違いがある。(ここから先はあまりに細かい話が続くので、「さて、受験には無関係な話を長々としてしまったが」まで飛ばしてもOK。)

ⓐMary is much taller than Joe.

ⓑMary is even taller than Joe.

ⓐのmuchは「差」を強調している。ここではMaryとJoeの身長を比較しているが、2人の身長差が「大きい」ことをmuchは示しているのである。たとえば「Mary=180cm、Joe=160cm」と想像してもいいし、あるいは「Mary=150cm、Joe=120cm」かもしれない。注目してほしいのは、ⓐの文が言っているのは「MaryとJoeの身長差がすごく大きい」ということなので、MaryやJoeが世間一般の基準に照らしてtallである必要はないという点。

さて問題のⓑだが、こちらのevenはⓐのmuchとは違って、「2人の身長差の大きさ」を表現しているわけではない。では一体evenはどのような役割を果たしているのかというと、これは「MaryがJoeよりも身長が高いという事実自体」を強調している

これではまだ分かりにくいと思うので、もっと掘り下げて考えてみよう。

たとえば、「Jimの所持金=10,000円、Tomの所持金=1,000円」という状況を想定してみよう。ここで目を引くのは、JimとTomの所持金額の差の大きさである。差が大きいことを強調して表現したければmuchを使えばいいので、

ⓒJim has much more money than Tom.

と言えばいい。

では、次に「Jimの所持金=10,000,000円、Tomの所持金=9,500,000円」という状況を考えてみよう。2人の所持金額の差は50万円だが、「1,000万円対950万円」という構図の中での差額であることを考えると、50万円という差額は「大きな差」とは感じられないはずである。よって、この場合はmuchを使った強調はふさわしくないということになる。

こうした状況に接した時にむしろ私たちが感じるのは、「Tomの所持金額950万円もすごいけど、それを超えるJimの1,000万円はもっとすごい」というものではないだろうか?その感覚は、「2人の所持金額の差額が大きいことへの驚き」ではなくて、「世間一般の基準に照らして十分すごいTomの950万円をさらに超えるJimの1,000万円への驚き」である。言い換えると、「ただでさえすごいTomの所持金をJimの所持金は更に超えているという事実自体への驚き」である。この驚きを強調語を用いて表す場合、「差があるという事実自体を強調する」ためのevenが使われる。つまり、evenによって比較級が強調されていて、比較されている2つの物AとBに「A>B」という関係が成り立っている場合、Aよりも劣等とされるBは世間一般の基準に照らしてそもそも程度が高いということが前提になっている。

ⓐとⓑの文に話を戻すと、ⓐでは「Joeが世間一般の基準に照らしてtallである必要はない」が、ⓑでは「Joeが世間一般の基準に照らしてtallであることが前提となっている」のである。たとえば、Joeの身長は180cmであるとすると、「世間一般の基準に照らして十分tallと言えるJoeよりもMaryはさらに身長が高い」というニュアンスがevenによって表されている。つまり、ⓑの文の話し手にとっては、「Mary>Joe」という比較の図式が成り立っていること自体に驚きを感じ、その感情をevenで表しているわけである。muchとは違ってevenは「差の大きさ」は表現していないので、ⓑの文では「Mary=182cm、Joe=180cm」という可能性(MaryとJoeの身長差が小さいという可能性)は十分あり得ることにも注目してほしい。

(言語的感性の鋭い人は、ではⓑの文は「Joe=150cm」の場合には成り立たないのか、という疑問を持つかもしれない。つまり、「Joeが世間一般の基準に照らしてtallとは言えない場合に、それでもevenを使ってMaryとJoeに身長差があるという事実自体を強調することはできないのか」という疑問である。上で説明したように、「差があること自体の強調」には、前提として「AがBを凌いでいることへの驚き」があるはずである。たとえば「Mary=155cm、Joe=150cm」という状況があったとして、さほど高くないJoeの身長をMaryが超えていたとしても、普通はそれに驚きを感じることはないはずである。驚きが感じられるのは、やはり「背の高いJoeよりもMaryの方がさらに身長が高い」場合ではないだろうか。)

さて、受験には無関係な話を長々としてしまったが、本文のa view that is even more magnificent than the one on floor 350に話を戻すと、ここで言われているのは「フロア350(天望デッキ)から見える眺めよりも、フロア450(天望回廊)から見える眺めの方が遥かに素晴らしい(2つの眺めの間には素晴らしさの点で大きな開きがある)」ということではなく(もしそうしたことが言いたいならevenではなくmuchを使っているはず)、「フロア350(天望デッキ)から見える眺めも十分素晴らしいものだが、フロア450(天望回廊)から見える眺めはそれに輪をかけて素晴らしい」ということである。

take inは熟語だが、いきなり辞書を引くのではなく、「take取る+in中に」とまずは考えてみよう。使役動詞letsの後ろの「目的語+動詞の原形」のところを取り出すと

you take in the mega-metropolis of Tokyo to the fullest

mega-は「大きい」という意味。metropolisは「大都市」。mega-metropolisで「超巨大都市」。megalopolisとも言う。ofは「同格」。するとこの箇所は

「東京という超巨大都市を心ゆくまで中に(in)取る(take)」

と取り敢えずは訳せる。youは「あなた」ではなくて「一般の人」を指している。この文脈ではもちろん「天望回廊に来た人」を一般的に表現している。天望回廊にやって来た人が、超巨大都市・東京を心ゆくまで自分の中にin取り込むtake)とは一体どういうことかを考えるのが、英語学習の醍醐味。そこまで考えれば、

「天望回廊から見える超巨大都市・東京を心ゆくまで眺める

という内容を推測するのはそれほど難しくないはず。そこまで考えて辞書でtake inの意味を確かめるのが理想的な英語学習法。ちなみにこの熟語take inはブログ#49でも登場しているが、そこで私が書いたことを引用する。

take inは熟語でここではobserveの意味だが、それを知らなくても(というよりも英語学習者のほとんどは知らないはず)、「take取る+in中に→中に取り込む」と考えて、

take in the views「景色を自分の中に取り込む→景色を見る」

のように考えようとする姿勢が大切。そういう姿勢がある人は、

Don’t be taken in by them.「奴らに取り込まれるな→奴らに騙されるな」

We didn’t take in the situation.「状況を自分たちの中に取り込まなかった→状況が分かっていなかった」

のような文のtake inも、その場で考えて何とか対処できるはず。ダメな勉強法は、

take in=①騙す ②分かる ③観察する ④…

のように、熟語集や辞書の意味の羅列を何も考えずにそのまま丸暗記するというもの。なぜこれがダメかと言えば、

・頭を使っていない

・無味乾燥である(英語学習をつまらなくする)

・応用力が無い

から。もちろん全ての熟語が今のようにうまく説明できるわけではないが、しかし多くの熟語はこのように頭を使えば意味の広がりを納得できるのも事実。

Shaped likeまでが目に入った瞬間に、

・Shapedは「過去形」ではなく「過去分詞」である

・この過去分詞Shapedから「分詞構文」が始まっている

と考えられる人は、極めてまともな英語力を持っている。(こうした正しい英語的センスは、英文法をコツコツと学習し、文法を通して英文を分析するという地道な努力を通してしか磨かれないということは、いくら強調しても強調しすぎることはない。況や、「4技能重視」に代表される薄っぺらな英語学習観が蔓延している現在においてをや。)sloped spiral「傾斜の付いた螺旋状の物」。Shaped like a sloped spiral「傾斜の付いた螺旋状の物のような形をしている」という分詞構文は、主語のthe Tembo Galleriaの形状を説明している。

 

The View from Tembo Galleria

As the Tembo Galleria is 100 meters higher than the Tembo Deck, you can see even further into the distance. It's an excellent photo spot that makes for great memories, so take your time and enjoy the stroll.

Asは「理由」。比較級の直前にある数量表現100 metersは「差」を表している。(➀のⓐに出てきたmuchも同じ。)比較級furtherの直前のevenについては➀で説明した通り。地上350mの天望デッキからも十分遠くを見ることはできるが、地上450mの天望回廊からはさらに遠くを見ることができるということ。「距離」を表すfurtherについては☞ブログ#70。into the distanceについては、ブログ#58⑤のin the distanceの説明を参照。

Alice was staring into the distance.「アリスは遠くをじっと見つめていた」

このmake forは難しい。makeはふつうは他動詞だが、意外なことにmakeには自動詞の用法もある。自動詞makeは「進む」という意味を表し、方向の前置詞forと一緒に使われる。

ⓐNoticing the fire, she made for the emergency exit.「火事に気付くと、彼女は非常口に向かった」

空間的な移動から意味が発展すると、

ⓑSpeaking clearly makes for better communication.「明瞭に話すことは、より良いコミュニケーションに向かう」→「明瞭に話すことはより良いコミュニケーションに役立つを作り出す)」

本文のmakes for great memories「素晴らしい思い出作りになる」のmake forも、この比喩的な意味(make for=produce a particular result)で使われている。take your time☞ブログ#70。stroll=a leisurely walk。

 

To the Highest Point: Sorakara Point

The highest accessible part of the Tokyo Skytree tower is called Sorakara Point at 451.2 meters. It acts as a kind of stage that creates an enigmatic, wonderful atmosphere just with glass and light.

Sorakara Point「ソラカラポイント」という場所が、一般の人が行くことのできる最高地点とのことです。

enigmatic=mysterious。an enigmatic smile「謎めいた微笑」と言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の「モナ・リザ」が連想されます。

justはここではonlyの意味。glassは可算名詞なら「グラス」、不可算名詞なら「ガラス」。本文のglassはaも何も付かず複数形にもなっていないので不可算名詞。ちなみに、日本語の「グラス」の語源は英語のglassで、「ガラス」の語源はオランダ語のglasとのこと!

 

Looking Down: the Glass Floor at 340F!

To return to the ground, you’ll have to go to floor 345 where you’ll be taken down again. But before that, make sure to take another elevator to go to floor 340 ― a real thrill awaits here! Look all the way to the ground through the glass floor to realize just how high up in the air you are!

文頭の不定詞を見た瞬間には、不定詞の用法の可能性は2つある。

可能性⑴…名詞的用法←不定詞のカタマリが終わった直後にVが現れる

可能性⑵…副詞的用法←不定詞のカタマリが終わった直後にSVが現れる

いずれにしろ、不定詞のところを読んでいる段階では、⑴と⑵のどちらかは分からないので、とりあえずは不定詞の内容に集中して読む。本文では、To return to the groundの直後にコンマが打たれ、その後ろにはSVが展開されているので、「副詞用法」と判断するのが正しい。

(絶望的なのは、不定詞を見ても何用法であるかを気にせずに読む姿勢や、「日本人はそうした文法ばかり気にしているから英語ができない」というデマに基づいて、文法を蔑ろにして進められる英語教育。私の見るところ、そもそも日本人の英語学習者の多くは、「文法ばかり勉強している」と批判される程、まともに文法の勉強などしていない。英語ができないのは、文法ばかり勉強しているからではなく、自分の血肉にするほどしっかりと文法を勉強していないからに過ぎない。文法が身に付いているのに英語ができないという人がいるということは、寡聞にして知らない。ただし、ここで言う「英語ができない」を「英会話ができない」の意味に解釈すれば、「日本人は文法ばかり勉強しているから英語(=英会話)ができない」という批判は当を得ていると言えるかもしれない。たしかに、簡単な挨拶や、たわいのないおしゃべりを外国人としたいだけなら、英文法の学習なんかせずに、ひたすら外国人とおしゃべりしている方が効率的かつ効果的だろう。それにしても、日本人の多くはプロやセミプロと比べれば歌が上手くないのに、「日本人は学校の音楽教育でクラシック音楽や音符の意味や昔の歌ばかり習っているからカラオケで上手く歌うことができない」といった批判を聞くことが絶対にないのはなぜなのだろうか?)

閑話休題。whereは直前にコンマが無いが、非制限用法的に使われている。(☞ブログ#70

make sure to doはぜひ自然に訳せるようにしておきたい英語表現。

ⓐMake sure that you mail this letter today.

命令文なのでSのyouは省略されていて、MakeがV。sureは形容詞。形容詞は

⑴名詞を修飾

⑵Cになる

のどちらかでしか使われない。この例文ではsureの前後に名詞が無いので、⑴ではなく⑵の用法に決まる。thatの直後は完全文なので、thatは接続詞で、いわゆるthat節を導く。that節はS/O/Cのどれかになることが多い。ⓐのthat節はもちろんSではないし、sureがCのはずなのでCでもない。ということでOのはずだと判断できる。つまりⓐの文の骨格は、

(S)VCO

ということになる。これはふつうの第5文型の語順である

SVOC

のOとCがひっくり返ったもの。なぜわざわざOとCをひっくり返しているのかというと、Oが長くてCが短いから。長いOの後ろに短いCを置くと文のバランスが悪いのでひっくり返していると考える。第5文型のmakeは「OをCにする」という意味なので、ⓐは直訳すると

「あなたがこの手紙を今日出すことを確実にしてください。」

という訳になる。これでも内容は一応伝わるが、より自然な和訳にするなら

「この手紙を今日必ず出してください」

のようになる。

このmake sure that ~の類似表現にbe sure to doがある。

ⓑBe sure to mail this letter today.

この文はやはりSのyouが省略されているが、Sが省略されていない分の方から考えよう。

ⓑ’ You are sure to mail this letter today.

このS be sure to doという表現で大切なのは、to doについて確信している(sure)のは、Sではなく文の話し手(=I)であるという点である。つまりⓑ’は「あなたは今日この手紙を出すことを確信している(今日自分がこの手紙を出すことをあなた自身が確信している)」という意味ではなく、「あなたが今日この手紙を出すことを私が確信している」、より自然に訳せば「あなたはきっと(必ず)今日この手紙を出す」という意味を表しているのである。ⓑ’は

ⓑ’’ I am sure that you will mail this letter today.

ⓑ’’’ You will surely mail this letter today.

のように書き換えることができる。

さて、ⓑ’のSであるyouを省略して命令文にしたのがⓑの文なので、

ⓑ’ You are sure to mail this letter today.「あなたはきっと(必ず)今日この手紙を出す」

ⓑBe sure to mail this letter today.「今日必ずこの手紙を出してください」

のように訳せばいいということになる。

結論としては、命令文のMake sure that ~もBe sure to doも「必ず(忘れずに)~しなさい」という意味を表している。

そうすると、この2つの熟語的表現を足して2で割ったような表現が生まれることになり、それがMake sure to doという表現である。

ⓒMake sure to mail this letter today.

本文⑨で使われているmake sure to take ~はまさにこのハイブリッド(?)表現である。「別のエレベーターに乗って、フロア340に行くようにしてください」。thrillは日本語の「スリル」とは語感が違うので要注意。ある国語辞典には

スリル=恐怖・不安・興奮などによってもたらされる、ぞくぞく、はらはらするような緊張感

という語釈があるように、基本的に日本語の「スリル」には恐怖などのマイナスのニュアンスがある。一方、英語のthrillは、英英辞典ではこのように定義されている。

thrill: a sudden feeling of pleasure or excitement

日本語の「スリル」とは違って、英語のthrillには基本的にはプラスのニュアンスがあることが分かる。

It gave me a thrill to see her again!

この英文を、「彼女にまた会うことは私にスリルを与えました!」あるいは「彼女にまた会って私はスリルを感じました!」と訳すのは誤訳である。この訳を読んだ日本人は、この文の話し手が彼女に会ったことで恐怖を感じたようにしか受け取らないはずである。しかし英語のthrillは「喜びや興奮」を表すので、この文の話し手は彼女にまた会えたことに喜んだのである。なので、「彼女にまた会えてわくわくしました(嬉しかったです)!」のように訳すのが正しい。awaitはwaitと同じ意味だが、自動詞のwaitに対してawaitは他動詞。つまりwaitにはforという前置詞が必要だが、awaitの方は前置詞は不要。

I am awaiting your reply.=I am waiting for your reply.「お返事をお待ちしております」

all the wayは「距離の長さ」を強調する熟語表現(☞ブログ#70)。ここでは、345フロアから地上までの345メートルという距離を強調している。Look ~ toのつながり。よく見るのはlook atというコンビネーションだが、ここではatではなくtoが使われている。

Look at the picture.「その絵を見てください」

atは基本的に「」のイメージのある前置詞だが、look atのatにもこの「点」のイメージがある。つまりlook atは「視線を一点に集中させる」時に使われる。

She looked across to the other side of the room.

acrossは副詞なのでとりあえず無視して、look toのつながりに注目してほしい。なぜここではatではなくtoが使われているのかというと、この文では「彼女」の視線は「1点」に集中していないからである。むしろ、「彼女」の視線は「部屋の反対側」というある程度の広がりのある方向に向けられているだけである。そのような時は、「1点」のイメージの強いatではなく、「方向」を表すtoがふさわしい。ちなみに、副詞acrossは「彼女の視線が部屋の一方側からその反対側に横切る形で向けられた」ことを表している。

Look to your right and you will see the Double Bridge.「皆様の右手に見えますのは(皇居の)二重橋です」

本文に戻ると、Look all the way to the groundのtoも、地上にある何か1つの物に視線を集中させるわけではなく、地上の方を見るというニュアンス。「ガラスの床を通して遥か下にある地上を見れば、自分がどれほど高いところにいるか分かるでしょう!」

 

Tokyo Skytree Restaurants: Enjoy a Meal at Sky Restaurant 634

If the height doesn’t make you queasy, why not enjoy a meal high up in the air? Sky Restaurant 634 can be found on Tembo Deck’s floor 345. Savor creative cuisine that merges Edo's traditional tastes with contemporary French cuisine in an artistic attempt to capture the spirit of Edo!

queasy「不安な、怖い(nervous)」。why not do ~?「~してはどうですか?」は勧誘表現。

Sky Restaurant 634はレストラン名だが、もちろんこの634は東京スカイツリーの高さ634mに掛かっている。ではなぜそもそも東京スカイツリーの高さは「634m」なのか?このレストラン名の634を「ムサシ」と読むことがそのヒント。漢字で書くと「武蔵」…古文や日本史の授業で「武蔵国(むさしのくに)」という旧国名を聞いたことのある人も多いはず。武蔵国は、今の東京都・埼玉県と神奈川県の一部を含む地域の名。まさかの語呂合わせだったとは…!

savor=taste and enjoy fully「心ゆくまで味わう」。動詞savorの形容詞形savoryについては☞ブログ#59。merge A with B=combine A with B。to capture以下は名詞attemptを修飾する形容詞用法の不定詞。「江戸の伝統的な味と現代のフランス料理を融合した創作料理」と文字で読んでみても全然味が想像できない!百聞は一食に如かず!?

 

Recommended Souvenirs

Monaka

Head to the Tokyo Skytree Official Shop on floor 1 or 345 to buy a nice memento of your trip. A lot of original goods make for amazing presents and souvenirs, some quirky and some traditional. We especially recommend “monaka,” a traditional Japanese sweet made up of thin wafers filled with sweet red bean paste. They offer a wonderfully authentic taste of Japan without being too overwhelming.

Headは動詞の原形で、この文は命令文。head toは間違い。headの後ろの前置詞はtoではなくforやtoward。Head forやGo toに訂正する。memento=souvenir「お土産、記念品」。mementoは英語のrememberに当たるラテン語の命令形が語源。(memento moriは元はラテン語で「死を忘れるな」の意味で、英語としては「(頭蓋骨などの)死を想起させる物」の意味。)

make for☞⑤。「多くのオリジナル商品が素晴らしいプレゼントやお土産に向かう」→「オリジナル商品がたくさんあるので、素晴らしいプレゼントやお土産を買うことができる」。some (being) quirky and some (being) traditionalと補えば独立分詞構文であることが明白になるが、実際に読む時はいちいちbeingなんか補わずに、「some=quirky」「some=traditional」と読めるのが理想。someはsome original goodsのこと。quirky=slightly strange「一風変わった」。江戸切子の商品もあるようで、そうしたものはtraditional。

madeやfilledという「過去形・過去分詞形が同形」の語が出てきた時に、基本的な英文法力が試される。ここではどちらも「過去分詞」で、直前の名詞を修飾。waferはふつうは「ウエハース」だが、ここでは「最中の皮」を指している。red bean「小豆」、red bean paste「餡(あん)」。

Long Roll

The Tokyo Skytree Long Roll has been one of the landmark’s most popular souvenirs ever since its opening. The total length of the package is 63.4cm, one-thousandth of the actual Skytree tower! The soft, flavorful cake comes with a plastic fork and knife shaped like the tree as well. It’s a fun, tasty souvenir that’ll bring a smile to everyone’s face.

the landmarkは「東京スカイツリー」のこと。landmarkは、目印になるような高い建物などのこと。(横浜には、その名もずばり「ランドマークタワー」という名前のビルがある。)

ランドマークタワー

one-thousandth「1000分の1」。序数詞(third, fourthなど)は分数としても使われる。one third「3分の1」。two thirds「3分の2」。

come with ~「~と一緒にやって来る」→「~が(付属品として)付いている」。このcomeは「(品物を)入手できる(be available)」という意味の面白い使い方。

This dress comes in black, red and blue.「このドレスには黒と赤と青のお色がございます」

Does the hamburger come with French fries?「ハンバーガーにフライドポテトは付きますか?」

shapedは過去分詞で、直前の名詞を修飾。

funは形容詞。funとfunnyの違いについては☞ブログ#78

 

Tokyo Skytree: the “Modern” to Asakusa’s “Traditional”

Tokyo Skytree is located in Oshiage, a neighborhood adjacent to the wonderfully traditional Asakusa and its Senso-ji Temple. Just one station or a scenic walk away, it is a great sightseeing spot especially after exploring Asakusa. Japan is known for its unique fusion between modern and old and nowhere is this so famously represented as at Asakusa and Tokyo Skytree tower.

Oshiage「押上」は東京・墨田区にある地名で、東京スカイツリーの住所。コンマは「同格」用法(☞ブログ#10)。neighborhoodはいつでも「近所」と訳していいわけではなく、ここでのように「地域(=都市・町の中の特定の区域)」と訳すべき時もある。

There are two shrines in my neighborhood.「近所(=私の家の近く)に2つ神社がある」

Where can I find a drugstore in this [the] neighborhood?「この辺りに薬局はありますか?」

I’m a stranger in this neighborhood.「私はこの辺に住んでいる者ではありません(この辺りは不案内です)」

a poor neighborhood「貧困層の住む地域」

adjacent to ~☞ブログ#78。adjacent以下は直前の名詞a neighborhoodを修飾。wonderfully traditionalはAsakusaのみを修飾し、Senso-ji Templeは修飾していない(なぜなら形容詞が所有格を飛び越えて名詞を修飾することはないから)。Senso-ji Temple「浅草寺」。

Just one station or a scenic walk awayを正しく解釈できた人は素晴らしい。この中の中心的な語は最後にある副詞away。orは2つの名詞one stationとa scenic walkを結び、2つの名詞とも副詞awayを修飾している。awayの程度(=どれくらい離れているのか)を説明しているのがone stationとa scenic walkである。☞ブログ#59just one subway station south of Odori Park

one station away「駅1つ分離れたところに」

a scenic walk away「良い景色を見ながら散策して到着できる距離のところに」

この2つをorで結んだのが本文の表現。Justは意味的にone stationのみを修飾していると考えるのが自然。Just one station or a scenic walk away「(浅草から)たった一駅分離れたところにあり、良い景色を見ながら(浅草から)歩いても着けるところに」。

be known forのforは「理由」。be knownの後ろには、to/by/asといった前置詞も来るが、それぞれの意味の違いについては辞書で確認を。fusion「融合」。fusion between A and B「AとBの融合」のAがmodern、Bがold。ここでは例外的に形容詞が名詞扱いされて前置詞の目的語になっている。次の例文でも、形容詞が名詞的に使われている。

Things went from bad to worse.「事態はますます悪化した」

他にも、in short「要するに」、in particular「特に」、in general「一般的に」、for certain [sure]「確かに」など、形容詞が名詞的に使われている例には熟語となっているものが多い。nowhereから後ろの文を正確に訳せる人はかなりの英語力の持ち主。「否定の副詞が文頭に来ると、その後ろは疑問文の語順になる」というのは大学受験の重要項目。「nowhere(否定語)+so ~ as ...」は、「否定」と「比較」が絡んだ、受験生が特に苦手とする項目。

Nothing is so precious as health.「健康ほど大切なものはない」

Nowhere does lunch taste so good as it does on the top of a mountain.「山頂で食べる時ほど昼食が美味しく感じられる時はない」

本文のthisは、直前のits unique fusion between modern and oldを指す。「浅草と東京スカイツリーほど、このこと(=新しいものと古いものの融合)が広く知れ渡る形で体現されている場所は他にはない(このことが最も広く知れ渡る形で体現されている場所は、浅草と東京スカイツリーである)」。もちろん、「浅草」がoldを、「東京スカイツリー」がmodernを体現していて、その2つの場所が対立することなくうまく融合していると述べられている。

0

この先生の他のブログ