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#107 英語と写真でバーチャルツアー⑮(後半)~北海道・阿寒摩周国立公園~

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2023/4/1

Lake Akan

Japan's largest caldera lake, Lake Kussharo, is the focal point of the park’s Mashu side. Canoeing is popular here in summer, and tours are available. Volcanic activity keeps the lake waters warm in winter, and graceful whooper swans and other birds migrate here from Siberia. 

Lake Kussharo「屈斜路湖」。focal point: the center of interest or activity。focalはfocus「焦点」の形容詞形。

whooper swan「オオハクチョウ」は全長140cmもある大型の白鳥。北海道や東北地方北部に飛来して越冬する。migrate「移住する、(渡り鳥が)渡る」。

The campground at the base of Wakoto Peninsula, which juts out into Lake Kussharo, is a good place to pick up the 2.5-kilometer nature trail that crosses a sandbar and circles the peninsula. As you walk between towering trees and steaming volcanic vents, you may hear and even spot rare black woodpeckers.

campgroundは、テントを立てたりしてキャンプを楽しむことのできる「キャンプ場」のこと。baseはここでは「半島の付け根」を指している。Wakoto Peninsula「和琴半島」は、カルデラ湖である屈斜路湖を形作った火山活動によってできた溶岩ドームが、湖岸の扇状地とつながって半島となったもの。jut out「突き出る、張り出す」。intoによって、和琴半島が屈斜路湖にめり込む(?)イメージをつかんでもらいたい。Lake Kussharo「屈斜路湖」は、日本最大のカルデラ湖。

屈斜路湖(右にある半島が和琴半島)

the 2.5-kilometer nature trailは、和琴半島をぐるりと1周する「自然探勝路」のこと。sandbar「砂州(さす)」によって和琴半島と陸地が繋がっている。

As ~「~する時」。asの節の出来事と主節の出来事が「同時」であることを意識しよう。そうすれば、必ずしも「~する時」という辞書的な訳ではなく、「~していると」のような意訳も自然と頭に浮かんでくるはず。towering「聳える」。vent「(火山の)噴気孔」。an air vent in the ceiling「天井の通気孔」。woodpecker☞ブログ#106

A massive volcanic eruption approximately 7,000 years ago shaped Mashu Caldera, which contains Lake Mashu, one of the world’s clearest lakes. There are three observatories around the steep rim of the caldera, all with good views of the lake. Lake Mashu is known for the thick and ethereal fog that frequently settles on its surface, a phenomenon known as "unkai," meaning

"sea of clouds." You’ll get great views of this from the observatories, especially in the early morning between June and October.

approximately 7,000 years agoは左の名詞A massive volcanic eruptionを修飾。

observatory「展望台」。rim「縁(ふち)、へり」は、特に丸い物(メガネ、帽子、茶碗など)について言う。

all (being) with ~は分詞構文。

be known の後ろにはfor/to/as/byという色々な前置詞が来る。(known asはこの直後に登場。ブログ#77で紹介した代表的な中級英和辞典でA man is known by the company he keeps.という諺を調べたところ、5冊はcompanyの項目に、コアレックス英和辞典だけはknowの項目に記載。)古代人は、月より下の空間は空気(air)が満たし、月より上の空間はエーテル(ether)という精妙な物質が満たしていると考えていた。そこから、etherは「雲の上の天空」を意味するようになり、その形容詞形が本文のethereal「天空を思わせる」である。ちなみに、古代の物理学では、etherは「光熱などの放射エネルギーの媒体として空間に充満すると考えられた仮想の物質」も意味した。また、LANの標準規格の一つであるイーサネット(Ethernet)は、ether+networkより。settleを「定住する」と訳しておかしいと思ったなら英和辞典の出番。ブログ#49でも述べたように、自分の知っている意味で無理矢理訳したり、辞書を引くのを億劫がっていたりするのでは、英語力の進歩は無い。

the observatoriesと定冠詞theが付いているのは、もちろん⑦のthree observatoriesを指しているから。

To the southeast of Mashu Caldera is Mount Nishibetsu. Between June and August, the fun-but-challenging hike up the mountain takes you through spectacular fields of colorful alpine flowers. On the north side is Kaminokoike Pond, blue as a sapphire, beautifully clear and set in a needleleaf and broadleaf forest.

文頭に「前置詞+名詞」がある時は、その直後にSが来るという心構えで読むのは英文解釈の基本姿勢の一つ。ただし今回はTo ~ Calderaの直後にはbe動詞のisが来ている。ではSは更にその後ろに来ているはずだと考えられるかどうかが、日本人の英語学習においての肝であり、そうした観点の全く無い英語学習は徒労に終わるだろう。「to+方角」と「in+方角」の違いに注意。

⒜Tokyo Station is to the east of Shinjuku Station.

⒝Tokyo Station is in the east of Tokyo.

⒜のtoは「方向」を表している。⒜では、Shinjuku Stationを起点として(細かい話になるが、このofは「起点」を表す)、そこから東に行ったところにTokyo Stationがあるという位置関係が表されている。「東京駅は、新宿駅の東にある」が正しい訳。

新宿駅から東に行ったところに東京駅がある

一方、⒝のinは「包含関係」を表している。⒝は、Tokyo StationがTokyoの東部の中にあるという位置関係を表しているので、「東京駅は、東京都の東部にある」と訳せばOK。

東京駅(青印)は東京都の東側に位置している

Mount Nishibetsu「西別岳」は標高799mの山。

ここも「前置詞」で文が始まっている以上、「前置詞+名詞」の直後にSが来るはずという心構えで読む。the ~ hikeがS。fun-but-challengingは辞書に載っている表現ではなく、この文の筆者が即席で作ったもの。なぜハイフンでつなげているかと言うと、全体で名詞hikeを修飾する形容詞句であることを示すためだが、ハイフンが無くても文法的には問題無い。funは形容詞で「楽しい」、challengingについては☞ブログ#106。仮にchallengingの正確な意味が分からなくても、A but Bでは「A⇔B」の関係が成り立つことを出発点に、

「fun=楽しい(⊕)」⇔「challenging=?(⊖)」

という関係を見抜き、「『楽しい』のfunの反対だから、challengingは『大変』といった意味かなあ」のように考えることができるかどうかは、英語力の問題ではなく、論理的思考力の問題になる。the ~ hike takes you through ~はいわゆる「無生物主語構文」。spectacular☞ブログ#100。alpine: found on high mountains。alpine flora「高山性植物」(flora☞ブログ#106)。最初が大文字のAlpineはAlps「アルプス山脈」の形容詞形。alpinistは「アルプスの登山家」の意味で、日本語でも「アルピニスト」と言う。

ミネズオウ

「前置詞」で始まる文はこれで3つ目。On the north sideの直後にSが来るかと思いきや、be動詞が来ているので、Sはさらに後ろのKaminokoike

Pondであると判断するプロセスは⑩と全く同じ。Kaminokoike Pond「神の子池」は、摩周湖の伏流水からできているとされる池。摩周湖はアイヌ語で「カムイトー(神の池)」と呼ばれ、それを水源とするこの池は「神の子池」と呼ばれる。

神の子池

blue ~, ~ clear and set ~はA, B and Cの並列。as a sapphire「サファイアのように」。setは原形or過去形or過去分詞形?blueとclearという2つの形容詞と並列されているので、最も形容詞的な性質の強い「過去分詞」と判断できることが大切。このsetはlocateの意味で、普通は受け身形で使われる。The plant is set in a densely-populated area.「その工場は人口密集地域に位置している」。a needleleaf and broadleaf forest「針葉樹と広葉樹の森」。

Mount Io, called Atosa-Nupuri in the Ainu language, is the Mashu

area’s most active volcano, constantly spouting tall clouds of steam. Cracks in the barren

mountain’s surface emit steam, and electric-yellow sulfur crystal deposits

create an otherworldly scene. 

Mount Io「硫黄山」は、アイヌ語では「アトサヌプリ(裸の山)」と呼ばれている。constantly spouting以下は分詞構文。spout: throw out in a jet or steam with force。A whale spouts water.「クジラは潮を噴き出す」。The chimney spouted smoke.「煙突から煙が出ていた」。

crack「割れ目、ひび」はもともとは擬音語で、木の枝が「ボキッ」と折れたり、鏡に「ピシッ」とひびが入ったり、鞭が物に当たって「パーン」と音を立てたりする、瞬間的な鋭い音を表す。barren「不毛な」。electric-yellowは黄色の一種。

エレクトリックイエロー色

sulfur crystal「硫黄の結晶」。deposit「鉱床」。ここではelectric-yellowsulfur crystaldepositsという3つの名詞が並んでいて、修飾関係を正確につかむのは難しいが、

[electric-yellow sulfur crystal] → deposits

のように、electric-yellowがsulfur crystalを修飾し、electric-yellow sulfur crystalがdepositsを修飾していると読むべきところ。「エレクトリックイエロー色の硫黄の結晶の鉱床」。otherworldly☞ブログ#106

Running from the Kawayu Eco-museum Center to the Mount Io Rest House, Tsutsujigahara Nature Trail is your introduction to the harsh volcanic environment around Mount Io. Plant life such as Japanese stone pines—usually only found at much higher altitudes—covers the

area. Between late June and late July, Labrador tea plants that grow out of the ashen soil bloom in swathes of white.

Runningという文頭の-ing形を見た瞬間には、

⒜Runningから始まる句が終わった直後にVが来るなら、Runningは動名詞で文のSを構成する

⒝Runningから始まる句が終わった直後にS Vが来るなら、Runningは現在分詞で分詞構文を構成する

という2つの可能性があり、そのどちらかになるのを確定するのがこの文を読む上での最初の大きな課題と考えることができる人は、真っ当な英語の学力の持ち主。そうした課題を頭の片隅に置きつつ、文頭から意味を取っていくのがいわゆる「直読直解」。もう1つ指摘しておきたいのは、⒜と⒝のどちらが正しいにしろ、Running ~ Houseの意味自体は同じだということであり、違うのはRunning ~ Houseの文中での働きの方である。言い方を換えると、⒜と⒝のどちらが正しいかが確定しなければRunning ~ Houseの意味を正しく取れないということではない。なので、

⑴まずはRunning ~ Houseの意味自体を取る

⑵Houseが終わった直後の構造を見て、⒜と⒝のどちらが正しいかを決める

という手順に従って読むのが理想的であって、「⑵→⑴」のような思考回路は、英語学習初期の一時期の便法としてなら構わないが、いつまでもその倒錯した順序でしか読めないのは問題である。さて、Running ~ Houseの直後はTsutsujigahara

Nature Trail (=S) is (=V)という構造になっているので、⒝が正しいと判断できる。(慣れてくれば、Houseの直後のコンマが目に入った瞬間に⒝であると判断できるようになる。)Tsutsujigahara Nature Trail「つつじヶ原自然探勝路」は、川湯温泉街と硫黄山をつないでいる散策路。your introductionを機械的に「あなたの紹介」と訳して平然をしているのは、英語力以前の問題。「introductionには他の意味があるのかもしれない」と思って辞書を引くか、自分の知っている意味でゴリ押しするかという姿勢の違いが、結局は後の大きな学力の違いを生む。(日本人が英語ができないのはすぐに英語教育のせいにされがちだし、そこには「英語ができないのは自分のせいではない、学校の英語教育が悪いのだ」と思い込むことによる自己防衛反応が確実に存在していると思うが、実際には「自分の手持ちの知識でうまくいかない時の適切な対処」の欠如が英語ができない一因となっている場合は多いのだろう。)

ウィズダム英和辞典のintroductionの記述

辞書に書かれている意味を最初から一つ一つ当てはめていってもいいが、本文のintroductionは後ろに前置詞のtoを伴っている。この辞書では、語義番号1,2,5,6に«to»と表記されていて、これらの意味の時は前置詞のtoを伴うことがあることが分かる。よって、まずはこの4つの語義の中に本文のintroductionにふさわしいものがあるはずだと考えて見ていくのが効率的な語義検索法。文脈から6の語義だと判断できることが、頭を使って英語に取り組んでいる証。your introduction to ~「~の初めての経験」(yourは一般の人を表すので訳さない方がよい。)本当は辞書でこの語義の例文が挙がっているのが望ましいが、残念なことにこの辞書では例文が挙がっていない。このような時のために、辞書を複数冊(!)揃えておくのが望ましい。試しに「ジーニアス英和辞典」を引いてみると、同じく例文が載っていない!英和辞典を2冊持っているだけでも英語学習者としては立派なものだが、3冊あるとこうした時に助かるかもしれない!(英語教師でさえ、英和辞典を3冊所有している人は少数派なのではないか。)「コンパスローズ英和辞典」にはmy first introduction to skiing「私の初めてのスキー体験」という例文が載っている。

このように複数の辞書を駆使して自分の知らない語義を確認していくことは、英語学習の基本姿勢であるが、さらに深く語義を追究することもできる。多くの人が知っているintroductionの語義である「紹介」と「導入」については、少し頭を働かせればその間にある共通点が見つかるはずである。「AをBに導入する」ことと、「AをBに紹介する」ことは、「Bが自分の知らないAに初めて接する」という共通イメージがあるだろう。the introduction of Christianity to Japan「キリスト教の日本への伝来」なら、JapanがChristianityに初めて接したことになるわけだし、her

introduction of you to me「彼女があなたを私に紹介すること」なら、meがyouに初めて接したことになる。

このように考えた上でなら、introductionの「導入・紹介」という意味と、「初めての経験」という意味も頭の中でつながってくるはずだ。「初めての経験」とは、「初めて接すること」に他ならないのだから。

単語学習と言うと、単語集の意味を丸暗記するのが常套であり、もちろんそれは英語の受験勉強では避けては通れないことではある。しかし、意味の羅列をただ訳も分からずに暗記することだけが単語学習の全てとなった時、その方法は実りの少ない邪道となるだろう。教科書の英文を読む中で知らない単語(あるいは今回のように自分の知っている意味以外の他の意味がありそうな単語)に出会った時は、億劫がらずに辞書を引き、辞書に載っている豊富な説明と例文に接することが、結局は一番力の付く方法なのである。辞書の情報量と受験単語集の情報量の間には月とスッポンほどの違いがあることは、英語教師によってさえ指摘されることはほとんどないのは残念極まりないのだが、単語集だけで単語学習がうまくいくほど英語の語彙というものは底の浅いものではない。

閑話休題。⑮のTsutsujigahara Nature Trail以下を訳すと、「つつじヶ原自然探勝路は、硫黄山一帯の厳しい火山の環境の初めての経験となる」。意訳して「つつじヶ原自然探勝路を歩けば、硫黄山一帯の厳しい火山の環境を初体験することになる」と訳せれば理想的。

plant life「植物」のlifeは不可算名詞で、生物を集合的に表す。There is no life on the moon.「月に生物は存在しない」。The island is rich in animal life.「その島には多くの動物が棲んでいる」。Japanese stone pine「這松(ハイマツ)」は高山植物で、枝が地面を這うように伸びるところからこの名がある。

 

 ハイマツ

比較級の直前のmuchについては☞ブログ#94。二つのダッシュ記号の間は、Japanese stone pineの補足説明(☞ブログ#15)。「ふつうははるかに高い標高でしか見られない」ということは、裏を返せば「つつじヶ原自然探勝路のような低い標高で這松が見られるのは珍しいことである」ということを言っていると分かればOK。

前置詞Betweenで文が始まっているので、主語はどこに出てくるかに注意しながら読み進める。Labrador tea「ラブラドルチャ」はツツジ科の低木。かつてその葉がお茶の代わりに使われたことからこの名となっている。ここでは北海道の固有種である「エゾイソツツジ」を指す。

エゾイソツツジ

ashen soil「火山灰土壌」。Labrador tea plantsがS、bloomがV。swath: a long, wide strip of land。inは「形状」を表す。They were dancing in a circle.「彼らは輪になって踊っていた」。in swathes of white「白い帯状になって」。この文は、硫黄山麓のエゾイソツツジ群落を描写している。

硫黄山麓のエゾイソツツジ群落

Culture

Numerous communities of Ainu, an indigenous people of northern Japan, are found around Hokkaido. The 30-household-strong Ainu Village (Ainu Kotan) on the west side of Akanko Onsen is Hokkaido’s largest Ainu community.

このstrongは数字の後ろに付いて、集団の規模を示す特殊な用法。a baseball club 25 strong=a 25-strong baseball club「部員数25名の野球部」。本文のThe 30-household-strong Ainu Villageは「総世帯数30のアイヌ人の村」。可算名詞householdが単数形になっている理由については☞ブログ#14。Ainu Kotan☞ブログ#106

The Ainu people venerate the bear as the avatar of a powerful mountain god and perform a ritual, Iomante, in honor of the bear deity. The Iomante Fire Festival features traditional dances, music and rituals, such as the fire-lighting ceremony that Ainu elders perform.

The Ainu peopleのpeopleは「人々」ではなく「民族」☞ブログ#106。venerate ~ as ...「~を…として崇める」。the bearは「その熊」ではなく「熊」を一般的に表している(theは「総称」☞ブログ#96④)。avatarは今の時代は「コンピュータ上に表示される、ユーザーの化身としての人・動物などのアイコン」を指すことがよくあるが、インドのサンスクリット語が語源で、元はヒンドゥー教における「神の化身」を意味した。世界史で「ヴィシュヌ神」という神の名を習った記憶のある人もいるかもしれないが、なんとこの神は10もの化身を持つとされている!仏教の開祖である仏陀は、このヴィシュヌ神が現世に現れた化身と考えられている。

ヴィシュヌ神と10の化身(右下には仏陀の姿も)

本文に話を戻すと、アイヌ人たちは、熊を山の神の化身と考えて崇拝しているということが書かれている。そして、その神を讃えるためにIomante「イオマンテ」と呼ばれる、飼い熊の霊送りの儀礼を執り行なっている。狩猟を生業としていたアイヌ人にとっては、熊のような狩猟の対象となる動物はカムイ(アイヌ語で「神」の意味)として崇敬の対象となってきたのである。deity☞ブログ#27

feature☞ブログ#59。fire-lightingにおける「意味上の目的語+他動詞」の関係については☞ブログ#14。このlightingは動名詞。

The Iomante Fire Festival is performed at Akanko Ainu Theater from mid-March until the end of November. You can learn more about Ainu history at the Kussharo Kotan Ainu Folklore Museum next to Lake Kussharo, and find out why the Ainu believe that all things, natural phenomena and inanimate objects included, are sacred.

the Kussharo Kotan Ainu Folklore Museum「屈斜路コタンアイヌ民族資料館」。and find outのandは何と何をつなげているかを意識するのは英文解釈の基本姿勢。

You can learn ~ and find out

find outは原形learnと並列している(つまりfindは現在形ではなく原形で、canにつながる)と考えるのが正しい解釈。英語が読めるようになるためにはこうした文法的思考が不可欠であり、こうした頭を使う地味な作業を飛ばしてひたすら単語だけ覚えていけば英語が読めるようになるだろうというのは素人考えの幻想。the Ainu☞ブログ#106。that節内の二つのコンマの間は独立分詞構文。all things, including natural phenomena and inanimate objects, are sacredと書いても意味は同じ。find out以下だけを訳すと、「アイヌ民族が自然現象や無生物の物を含む全てのものを神聖なものだと考えるのはなぜなのかが分かる」。アイヌ人は、動植物、火・水・風・山・川など、自分たちの生活にとって重要なものを全て「カムイ(神)」と捉える。カムイは肉・毛皮などを土産に人間の世界にやってくるものとされる。⑳に出てきた「イオマンテ」は、カムイの霊魂をもてなして、再びカムイの世界に送り帰すための儀礼なのである。

※19世紀の日本政府の強圧的な同化政策を経て、その後アイヌ人がどのように自らの文化を保持しようとしているかについてはコチラ

※阿寒摩周国立公園の映像はコチラ

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